313話 未知なる孤島-裏①
うちの樹の指令により俺らは水着姿のまま土木作業に従事している。現在は魔導重騎を操り穴を掘っているのだ。樹はここに鉄筋混凝土の基礎を作り仮設拠点を設けつつもりなのだ。
この作業の為だけに失業中だった土木魔術師を二名ほど雇い入れている。完成後は[転移門の絨毯]を敷いて十字路都市テントスの事務所と、ここを行き来できるようにするのが目的だ。
錬金学を用いて用意した速乾混凝土を流し終えれば今日はそのまま遊べるとあって若い船員らは張り切っている。
そんな作業が朝から続き二刻ほどで指定した区画の木々を伐採し周囲を掘り終えたので航海中に艦内で作成していた鉄筋を設置し基礎の型枠を設置していく。力仕事は土木作業用の魔導重騎があるおかげで大変楽である。
女性陣、特に女中ちゃんズらは色とりどりのタンクトップ・ビキニに何故か頭飾りと丈の短いエプロンを身に着けて昼食の準備に勤しんでいる。あの格好は恐らく転生者のアリスが要らんことを吹き込んだのだろう。
女中ちゃんズらは成人前後の娘らしかいない事もあり俺的にはそそらないが若い船員らには刺激が強いようでやや浮ついた感がある。怪我とかしなければいいんだけどな。
女性陣の中で女中ちゃんズを纏めるのが一番最初に契約したアンナだ。とにかく目立つ。具体的には胸が。
流石に前の雇い主にセクハラされまくりで手を上げた挙句に出戻りしただけの事はある。あのエロい肢体で15歳とか反則もいいところである。しかもビキニ姿という。恥ずかしそうにしているところがまた何とも……。
その隣りで話し込んでいる東欧美少女風の容貌を持つ転生者のアリスもかなりそそる肢体でうちの女性陣では最年長である……。
あ、訂正する。最年長はアルマ審議官だったわ。
転生者のアリスは愛嬌があり若い男を掌の上でコロコロと転がすのが上手い。現在は医務室の姫と化していて大した用もないのに船員らが押しかけている。確かにあのエロい身体にビキニは反則である。
戸籍上の最年長者であるアルマ審議官はというと正直言うとあの娘は年上というか見た目が子供じみてて年上感ないんだよねぇ……。とはいっても、うちの樹に子作りを迫るくらいには中身は大人らしいのだが。薄紫色のタンクトップ・ビキニを纏った肢体は全くそそらない。うちの樹も難儀だなぁ……。そんな彼女は女中ちゃんズに混ざって昼食の支度を手伝っている。
視線を移すと、その樹が小鳥遊と何やら話し込んでいる。元々凄い美少女だというのは分かっていたが水着姿で身体全体のラインがはっきりとわかると樹がいれ込んでいる理由もわかる気がする。
背は低いしやや童顔だが、それぞれのパーツが神掛かったレベルで整っておりウェストが細く腰へのくびれが絶妙にエロイ。胸も残念と思っていたが意外とあるし俺の女性を見る目もまだまだという事なのだろう。身長があと3.75サルト高ければ周囲の男が放っておかなかったかもしれない。
隣りで大人しくしている瑞穂ちゃんは、最初に会った時からなんも変わっていない気がする。もうすぐ14歳だというのにいまだにランドセルが似合い過ぎる。
確かヴァルザスさんが以前に言っていたが、血統操作によって得たあのチートじみた代償として恐らくもう肉体的な成長は見込めないって言っていた気がするのでそのせいだろうか。
この世界の結婚事情を考えると樹は責任取って結婚してやれと思う。
セシリーはと言えば婚約したシュトルムと浜辺に並んで座り談笑している。半森霊族で孤児という出自でよくぞ貴族の跡取りの婚約者の座を射止めたと思う。貴族に恋愛結婚などほぼ存在しないからねぇ……。
あ~でもシュトルムは武勲というか名を挙げて来いって追い出されたんだったな。やっぱり血統を重んじる特権階級は庶民には分からん苦労があるんだな。
最後はタレ耳の亜人族のピナだな。俺ら一行の中で最年少の11歳ながら魔導機器を操る事が出来、奇跡もう行使できる。本来は留守番要員程度にしか考えていたんだけどな。処分奴隷だったのを俺が買い取ったのだが掘り出し物であった。成人したら自由民にしてやりたいので、それまでにいろいろと生きる術を教え込まないとなぁ……と思っていたのだが、現在では妹分というか一行のマスコット枠に収まってしまった。
ぼけっと女体を鑑賞していたらいつの間にか作業の方は終わったようなので船員達に声をかけ昼食として用意した食材を串に刺し金網の上で焼く直火焼きを堪能する。
「皇」
腹一杯に肉を喰らい砂浜に寝そべっているといつの間にか小鳥遊が傍まで来ており俺を見下ろしていた。
「樹くんを知らない?」
そう問われて思い出す。昼飯の時にうちの樹っていたっけ?
上体を起こし周囲を見回すが確かに見当たらない。周辺の警護は多脚戦車を配備してるから……。
「森に先行偵察じゃね?」
樹の行動パターンからすると一番しっくりするのだが、小鳥遊の次の台詞で危機感を覚えた。
「それが、装備が置きっぱなしなのよ」
魔術も使えるし野伏としても訓練してるし奥まで行かなければ心配するのも……いや、樹は強運というか不運というかを持ってるからなぁ。
「そう言えば瑞穂ちゃんは?」
あの娘が樹を一人で何処かフラフラさせるとは考えにくい。周囲を見回しても見当たらないので同伴してるんじゃないのか?
「その瑞穂ちゃんも装備を置いていってるのよ」
小鳥遊の声音には不安が滲んでいる。ふたりして装備も持たずに森へと入っていった……。
「それって……」
まさかとは思うが、な……。
「ま、樹も男だったという事だな」
不安を払拭してやろうと敢えて冗談を口にした。
「……っ!」
だが、返ってきたのは底冷えのする殺意マシマシの視線であった。思わず背筋がゾクゾクとしてしまった。ヤバイ。新たな性癖を開眼してしまうかと思った。
「冗談だよ。そんなに怒るなって――」
「敵襲!」
軽く流そうと思ったところに見張り要員からの警告が拡声器越しに響き渡った。
PCが壊れたり、7D2DやってたりDbDやったりWTやったりValheimやったりプラモ組みつつ仕事に忙殺されてたら気が付けば二週間くらい更新止まってた。
最近思うのですが、なろうの鯖が重くないですか?
表示が重くて一部がいつまでたっても表示されないんですよね。




