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可愛い後輩の隣人さん  作者: 堺川天馬
27/30

26話 まさかの来訪者

大変お久しぶりです!そしてすいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

ホント誰ですかねぇ、二週間に一話のペースを目指すって言った人は。んん?言葉に責任持てって話ですよまったく!はいすいません、私ですね。焼き土下座物ですよね。ちょっと焼き土下座してきます。


改めて約四ヶ月近くも投稿止まってしまい申し訳ございませんでした。これからはもう少し早く投稿出来るよう頑張ります………。

やはり以前よりもレベルは下がっちゃってしまっていると思いますが、暇潰しにでも構いませんので読んで頂けると嬉しいです。


大変お待たせしました。では、本編をどうぞ!

 午前の部が終わり、昼食を食べ終わった俺は柊と共にテントに向かって歩いていた。途中、やけに人が集まっているエリアがあった。不思議に思った俺達はそのエリアに近づいてみた。


「あっ、真澄」


 そこには天莉さん、瑞木さん、華京さんに霞ヶ丘がいた。


「何かあったのか?」


 そう問いかけると、四人の誰よりも早く反応した人がいた。


「まーくん!!」

「あん?」


 ガバッと勢い良く誰かが飛び付いてきた。久しぶりに聞く俺の名を呼んだあの声、少し高い身長、大人っぽい体つきに安心する優しい香り。この条件が合う人物はあの人しかあり得ない。


「久しぶりまーくん!元気にしてた?」

「元気と言えば元気だったかな。そっちは相変わらずだね、姉さん(・・・)

「「「姉さん!!?!?」」」


 女子三人が揃って声を上げた。人が集まる原因になっていたこの茶髪のセミロングの女性は俺のいとこ、七尾雫(ななおしずく)。現在二十一歳の現役女子大生。生まれつき才能と環境に恵まれ、今では海外の名門大の医学部トップに位置するエリート。彼女の親も彼女以上の高スペックで会社を立ち上げている等ぶっ飛んだ家系である。だが実際、この人はただのチャラ女だけな気がする。容姿端麗で誰もが見惚れるような美貌を持っていて、スタイルもそれはそれは結構な物を持っていて、その場にいるだけで男を誘惑する『歩く童貞殺し』と化している。それに本人は全く気づいていないがな。だからなのか、着てくる服はいつもやけに露出が高い。肩出しへそ出し足だし当たり前。俺も昔は何度これに頭を悩ませたことか。


「姉さん、来るなら連絡くらいくれよ」

「驚かせようと思ってね♪」

「そんなことだろうと思った。てか、その格好何?」

「まーくんが喜ぶかなと思って」

「誰が喜ぶか」

「結城殿は肩、へそ、足フェチと」

「そこのオタク、変なことメモんな」


 天莉さんも姉さんと自分の体比較したりしないでいいから。君ももう十分だから。だから姉さんみたいな格好は止めてくれ。俺が持たん。


「しかし驚いた。君に姉がいたとは」

「いとこだよ。実の姉じゃない」

「いとこなのに『姉さん』なんですね」

「そっちの方が呼びやすいからね」

「なるほど」


 納得してくれたようで何より。

 しかしまぁ、美少女揃いのせいか周りからの視線が痛い。特に男子からの視線が怖いのなんの。可愛い担当の天莉さん、綺麗担当の華京さんに瑞木さん、加えてお姉さん担当の雫姉さん。この面子だと羨ましくなる気持ちも理解できる。けどな、当事者になってみるとそうでもない。美形揃い過ぎて場違いなのじゃないかと思って居心地が悪い。


「それにしても可愛い子いっぱいだね。どの子がまーくんのカノジョ?」

「ブフォッ!?」


 突然の爆弾発言。カノジョってこの人は………何の脈略もない時にこんなこと言い出したりするところは昔から何も変わってない。


「姉さん、俺にカノジョはいない」

「うっそだ~。まーくんならカノジョの一人や二人はいるでしょう」

「ねぇそれ浮気してるよね?一人は兎も角二人は確実に浮気だよね?」

「一夫多妻制」

「アホか」


 これが大学生のノリか……ついていけねぇ……。


「雫さん、去年より元気になったか?」

「元気って言うよりフリーダムになった」

「後輩属性に同級生属性、それに姉属性とは……あとは妹属性が揃えば完璧ですな!」

「お前はさっきから何を言ってんだよ」

「ヌッ、まだ足りないと申すか!ならば男の娘属性も━━」

「もう好きにしてくれ……」


 これ以上突っ込んでいられん。疲れるわ。


「で、何でここにいるの?母さん達とアメリカに行った筈だろ」


 俺が一人暮らしする理由。それは両親がアメリカで働くことになったからだ。アメリカには姉さんの親父さんが建てた会社があり、その親父さんの誘いにより二人はその会社に出張することになった。あわよくば転職も有り得るとか何とか。姉さんも将来はその会社を継ぐらしく、仕事内容を把握するために俺の両親の手伝いとして両親と共にアメリカに旅立った。その為姉さんの通う大学もアメリカにある。その筈だったのに、何故か姉さんはここ日本にいる。疑問に思わない訳がない。


「おば様達にまーくんの様子を見てきて欲しいって頼まれたんだよ」

「別に心配しなくてもいいのに」

「まーくん、おば様達に電話もメールもしてないでしょ~」

「言われてみればしてないね。まさかそのせい?」

「まぁ頼まれたのは事実だけど、私がまーくんに会いたかっただけで~す」


 そう言いながら姉さんは俺の頭を撫でながら鼻歌を歌う。抵抗しても無駄なので大人しく撫でられていると目の前の三人の少女達から冷たい視線が送られる。瑞希さんは苛立ち、華京さんは呆れ、天莉さんは悔しさと言ったところだろうか。こんなの身内同士のスキンシップみたいなものなのだからそんな不機嫌そうな顔をしなくても良いと思う。小さい頃にもよく絡まれていたし。


「相変わらずのブラコンっすね。しず姉」


 柊が旧友を懐かしむように姉さんに声をかけた。姉さんも柊を見て懐かしそうに喜びを露にした。


「わ~てっちゃんじゃない。久しぶり~。君も相変わらずのクールボーイだね」

「じゃあ付き合ってくれません?」

「無理♡」


 ご覧の通り、二人は冗談を言い合えるほどの仲である。二人が知り合ったのは去年の秋、姉さんが俺の実家を訪れた時にタイミングよくエンカウントした。二人はすぐに意気投合して今やメールやスカイプ、お互いを愛称で呼び合うような仲にも発展している。簡単に言えば親友関係にある。


「こうして顔を合わせるのはいつぶりですかね?」

「さぁ~?数えてないな~。メールは最近したけどね」

「へぇ。そうなのか」

「うん。彼とはちょっとした話し合いがあってね。内容は秘密♡」


 むぅ、いくら仲が良いって分かっててもここまで親密だと少し妬くな。


「心配すんなって。いつかその内容も教えてやるから」


 別に教えて欲しいわけではないのだが、教えてくれると言うのならその時まで待っていることにしよう。交際の報告とかだったら許さねぇけど。


「ねぇ、まーくん」

「どしたの?」

「私今日まーくんに会いに来る以外にもう一つ目的があってね、人を探してるの」

「誰?」

「確かこの学校の教師やってるんだけどね、えっと━━」

「何やら騒がしいと思えば、貴女でしたか」

「おっ、噂をしたら向こうから来てくれた」


 姉さんが手を振る方向に目を向けると早乙女先生がこちらにやって来た。姉さんが探していた人ってのはどうやら早乙女先生だったようだ。

 だがしかし、気になるのは先生の先程の口振り。先生は姉さんのことを知っているようだ。


「まったく。こちらに来るなら連絡ぐらいしたらどうです?」

「君は相変わらずお堅いな~」

「貴女が緩すぎるんですよ」

「御二人はどういう関係で?」


 ため息を吐く先生に瑞希さんがシンプルに問い掛ける。姉さんと先生は互いに目を合わせた後、先生はどこか少し恥ずかしそうにし、姉さんが満面の笑みで瑞希さんの問い掛けに答えた。


「私のカレシで~す」


 まさかの発言に俺は一瞬呼吸をするのを忘れてしまった。他の皆も同じみたいで口を開けたまま固まっていた。


「せ、先生、付き合っている人いたのかい?」


 普段驚かない華京さんも珍しく動揺している。


「ね、ねねねね姉ささささささ、かかか、かれ、かれれれれれれ」

「真澄くん落ち着いて。何か壊れたラジオみたいになってるよ」


 姉さんにカレシ……しかもウチの学校の教師で、まさかの早乙女先生だと………俺はこれからどんな顔で先生と話せば良いんだ………。


「はぁ……こうなるからあれほど他言無用だと釘を刺しておいたのに」

「私がそれを守ると思う?」

「貴女は昔からそうだ。付き合い始めた当初もすぐに友人に話して」

「だって~自慢したかったし~。私にはこんなイケメンなカレシがいるって」

「そのせいで私は周りの男友達からどれだけ痛い視線を浴びせられたことか……」


 誰でも分かる痴話喧嘩。いや、喧嘩にすらなっていない。先生は不満をぶつけているが姉さんはそれを綺麗に流しているから喧嘩にまで発展していない。これが良いのやら悪いのやら。


「結城殿」

「何だよ」

「担任が義兄になるとはどんな感覚ですかな?」

「絶対に認めない」

「シスコン乙」


 当たり前だ。何が悲しくて担任を義兄として見なくちゃならないんだ。認めん。俺は絶対に認めんからなぁぁぁぁ!!


「まるで嫁を出す前の父親のようですな」

「姉さんは嫁に出さん!!」

「結城くん…教え子にそんな怖い目で見られると先生は悲しくなります……」

「グルルルルルッ!!」

「先輩、キャラぶれてますよ」

「真澄にこんな一面があるとは驚きだな」

「私は真澄くんをお婿さんに欲しい」

「それは見逃せないな弥生くん」

「別に見逃してくれてもいいんですよ?華京先輩?」

「右は修羅場。左も修羅場。逃げ場無しですね」

「リア充爆ぜろ慈悲はない」

「オタ、私怨出てるぞ」

「おっと失敬失敬」


 ━━『昼休み終了五分前です。教員の皆様は本部テントまで集まってください』━━


「おや、もう時間ですか。そろそろ行かなくては」

「またね、早乙女クン♡」

「七尾さん、このまま観ていくのであればくれぐれも大人しく、大人しく!お願いしますね」

「はいは~い」

「大丈夫でしょうか……」


 大丈夫じゃないですね、はい。この人絶対に大人しくならんぞ。昔からそうだからよ。

 なんてことは口には出さず、本部テントに戻っていく先生を見送ってから姉さんも保護者用テントに行くように促す。


「オッケー。じゃあ向こうで応援するね」

「出来れば今すぐ帰って欲しい」

「んもぅ、まーくん酷い~」

「それに生憎様、俺の出番はもう終わったよ」

「知ってるよ。見てたから」

「いつからいたんだよ……」

「実は最初から♡」


 可愛らしくウィンクしてから手を振りながら姉さんは生徒用テントを出ていった。

 俺達も各自のテントに戻り始めるが俺は天莉さんに呼び止められた。どうしたのか。天莉さんは中々言葉を紡がず、ずっと俯いている。

 こういう時、どうすればいいのか分からない。天莉さんは何か不安を抱いているのは雰囲気で分かる。


「大丈夫だよ」


 何が大丈夫なのか。根拠の無い言葉を述べて彼女の頭を優しく撫でた。もしかしたから『無責任だ』と怒られるかもしれない。それでもいい。実際には無責任な発言だから。


「何か分からないが不安なんだろう?けど心配するな。君なら大丈夫だ。全部良い方に向かうさ」

「………根拠の無い言葉」

「ごもっとも」


 天莉さんはクスクス笑う。


「真澄くん、私が何を不安に思っているか分かってる?」

「君が参加する種目のことじゃないの?何に出るかは知らないけどさ」

「はぁ……まぁ真澄くんならそうなるよね……」

「ちょっとぉ?何か遠回しにディスられた気がしたんですがぁ?」


 謎のディスりに苦笑いを一つ。何を間違えた?もしかして自分で気づけってこと?わぉ、無理ゲー。


「まぁいいや。真澄くんの大丈夫を信じるよ」

「おっと、急に自信無くなってきた。やっぱ信じないで」

「駄目で~す。もう遅いで~す」

「マジかぁ」

「フフッ、じゃあまたね」


 軽く手を振って天莉さんを見送った。姿が見えなくなり、一人になった俺は方向転換して自分のクラステントへと戻った。



 この後、天莉さんの種目であんなことが起きるとは知らずに━━━。




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