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(水)魔法使いなんですけど  作者: ふーさん
3章 アルモニカの冒険者
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子供達の方が強い

子供って最強だと思います

『馬っていったら、ディー○インパクトとハル〇ララしかウチ知らないや』


 リフィンとポコはケルピーに付ける名前を考えていたのだが、ポコが何やら聞き慣れない名前を言い出したのだった。


『…なにそれ』

『えーっとね、唯一ウチが知ってる競走馬の名前』

『人間だった時の頃の記憶?』

『そうそう、一時期有名だったって事しか知らないけど』

『ハル〇ララ…ポコってもしかして日本人なのかい?』

『高知県民だよ…という事はケルピーさんも?』

『はい、サラリーマンやってました』

『おぉお! じゃあ名前に馬って付いてたでしょ?』

『なっなんで知ってるんです!?』


 という感じで名前を考えていたのだが、ポコはケルピーと話が弾んでしまい脱線してしまった。 ディー〇インパクトの方が足が速かったらしい。


 ディー○インパクト…うーん、競走馬だから走ったら速いって事だよね。 でも名前が長い気がするから縮めて早く言えるようにしたいし…あ、名前を縮めてディクトなんてどうだろうか? そもそもケルピーって走ったら他の馬より速いのかな、そこも気になるところですね…


 結果、他に名前が思い付かなかったリフィンはケルピーをディクトと命名し、ディクトもそれに納得してくれたのであった。

 リフィン達がディクトに名前をつけて念話で色々と会話をしていると、グレン達がおじいさんの家から出てきてリフィンに内容を告げるのであった。


「…リフ、依頼の件で話がついた」

「任せちゃってごめん」

「気にするな…魔物の退治という内容で依頼を受けて、リフがケルピーをテイムしたから討伐じゃないのかと言い出して揉めてたんだが、魔物を退けて事を治めたって事で依頼としては達成扱いにしてくれるようだ。」

「良かった…」

「まぁ報酬金はギルドで支払われるが元々無いに等しい金額だったしな、流石に悪いんで同額返しちまったぜ!」

「貧しい村の人から金を取るなんて出来ないっすよ」

「え、それでは皆さん損をしただけでは…」

「なぁに、出したのはグレンだけだ…ただの守銭奴かと思ってたけど優しいとこあんじゃねーか!」

「余計な事を…」

「ガハハハ! それに俺達は何もしてねぇ訳だしな!」

「そうっすね、代わりに良いモノを見れたので得した気分っす」


 とりあえずは依頼を達成したので後は帰るだけだとロディが言い放ったのだが、リフィンにはエルトト村でまだするべき事があったのだった。

 干ばつで苦しんでいるエルトト村の人達を救う為にリフィンは冒険者として、水魔法使いとして、また人として救いの手を差し伸べるべく行動を開始するのであった。


「私とグレンは数日間この村に残ります…お二方はどうされますか?」

「なにか用事があるんすか?」

「おいまさかここで愛を語り合う様な事___」

「ちげーよ!」

「違います!」

「誓います、って言ってるぞ」

「ちげーっつってんだろうがハゲ!」

「えっと…今エルトト村の水魔法使い達が全員倒れているようでして、その人達の看病と薬草採取の為にグレンに残って貰うのです。」

「そういやじいさんが言ってたな…どうするロルタプ、グレンが聖女様みたいな慈善事業するらしいぜ?」

「依頼を終えて帰るまで仲間と一緒にっていつもリーダーが言ってるんすよね…あと結構面白そうなのが見れそうなんで俺も手伝うっすよ!」

「てめぇら言わせておけば…」

「とりあえず決まりだな! で、まずは何から始めるんだ?」

「…では」




● ● ● ● ●




「水の女神シズル様、彼らに命の源をお恵み下さい…水生成(ウォーター)!」

「あ、ありがとうございますだぁ!!」

「いえ、また必要になりましたら言って下さいね」

「お姉ちゃんこおりちょーだい!」

「はい、じゃあコップを出してね」

「冒険者様の水、冷たくて美味ぇ!」

「こんなに冷えた水初めて飲んだわぁ!」

「氷まで生成出来るからして一流の冒険者なんだろうなぁ」

「姉ちゃん氷が溶けたー!」

「お姉ちゃんあっちの畑に水やりおねがい!」

「水おかわりー!」

「み、皆さんちょっと待っ!?」


 リフィンは村人達に水を提供しだすと、あっという間に行列が出来て(主に子供達に)揉みくちゃにされていた。 こんなに水を求めてやってくるとは思ってなかったリフィンはあらかじめ村人達が一列に並べるようにしておくべきだったと反省した。


「ちょっと待ってそんな一度に、冷たあぁぁぁ!? コップの水かけないでって…ちょっとそこの男の子帽子持っていかないでライがびっくりしちゃう! っ痛った!? 誰よ今お尻をカンチョーしたの!? あぁぁぁ杖持っていかないでぇ! そんなベタベタ触っても何も出ないからね!? 水が欲しいのか私と遊びたいのかどっちかにしてぇ! もう無理ぃ誰か助けてよぉ!?」


 子供達は背の低いリフィンの事を同類と見ているのだろう、遊んでーとか子供なのに冒険者やってるのーとか色々質問を飛ばしてくるのだ。 流石にどうする事も出来ず念話でポコに助けを求めたのだが、ポコも同様にオモチャにされていたのであった。


『ぐぇぇ、耳ひき千切られそう…リフちゃんウチも子供には勝てないよぉ』

『耐えてポコ、ポコが逃げちゃうと全部そっちのがこっちに来ちゃうから!』

『頑張ってみるー…銭湯でもそうだったけど子供がこんな恐ろしいとは思わなかったよ…』

『尊い…あ、僕が近づいたら怖がって逃げるんじゃないでしょうか?』

『『それだ!』』


 リフィン達に群がる子供はやはりケルピーが怖いのか、ディクトが近づいていくとキャーキャーと逃げるように退散していったのだが、中には勇敢な子供も居るようでディクトによじ登ろうとしている子供もいた。 それを見た逃げて行った子供達は恐怖なんて忘れて、再びリフィン達に群がっていくのであった。


「降参降参! お姉ちゃんの負けで良いからちょっと止まってぇ!? うわぁ!鼻水をローブにこすりつけないの! あ痛っ!? さっきからお尻をカンチョーしてくるの誰なのよぉ!?」

『耳引っ張らないでぇ! あ痛痛痛痛たたた…マントで頭覆わないで! 前が見えなくなっちゃう!? あ痛っ!尻尾の毛を引っこ抜かないあぎゃぁぁあああ!!?』

『くっ、僕を魔物だと思ってペチペチ殴っているようだがそのような攻撃、全然効きやしなあ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”!! 鱗剥がさないでぇ!?』


 阿鼻叫喚と化し、念話で悲鳴をあげ続けるリフィン達であったが、無邪気な子供達はそんな事知りもしなかったのである。




● ● ● ● ●




「まさかリフちゃんが水魔法使いだったとは思ってもみなかったっすよ…」

「俺もただの魔物使い(テイマー)かと思ってたんだが…アイツが嬢ちゃんに肩入れするのもやっと分かった気がするぜ!」


 ロディとロルタプはエルトト村の倒れてしまった水魔法使い達の看病をしていた。 ロルタプは患者の症状を、ロディはポーションを調合していた。

 元々この村には薬草等のストックが殆ど無く種類も僅かだった為、現在グレンが村の周辺を回り薬草採取に行っている。 ロディは魔法が使えない為かポーション作りには経験があるらしくリフィンにポーションを作ってくれと頼まれ、ロルタプは風魔法で室内の空調の管理や患者の面倒をみておいてとリフィンに頼まれたのだ。


「この水美味しいっすね…なんていうか、透き通っているみたいな感じっす」

「あぁ、俺も上手くは言えねぇんだがこう…混じりっけがねぇってやつだ!」

「氷も作ってたっすからね彼女…かなりの才能の持ち主って事っすよね」

「…だからこそケルピーをテイムしたって事も考えられるな、水の魔法を使う魔物は希少だから殺すのは惜しかった、って可能性もある。」

「そうだったとして、ケルピーをテイム出来る保証は…そのテイムの才能すら持ってるっすか!?」

「さぁな…おら、ずべこべ言ってないで、あと少しでポーション出来っから患者さん起こしておいてくれ」

「了解っす」


 ロルタプが患者を起こしていくと、ガチャっと入り口のドアが開かれて薬草を入れた籠を持ったグレンが帰って来た。


「追加の薬草だ、モグロ草もあったから取って来た。」

「おう…こんだけありゃ多分足りるんじゃねーか?」

「お疲れっす、少し休んだ方が良いと思うっすよ?」

「そうか…ならアイツの様子を見てくる」


 グレンはそう言って出て行ってしまった。 ロディとロルタプはお互いに目を合わせるとクスクスとグレンの反応に笑うのであった。


「あいつマジであの嬢ちゃんにホの字だぜ!」

「言い寄る女性全部ぶった切ったという噂のグレンがあんなになってるんすからねぇ…まぁリフちゃん可愛いし、希有(けう)な水魔法使いの冒険者っすから独占したいってのも分かる気がするっす」

「そういや虹百合も水魔法使いの冒険者を仲間に入れたとか言ってたしな…俺等もそういう人材が欲しいところだぜ!」

「そうっすね…そういうのが居たら遠征の時に水に困らなくて済むかもっすね」


 ロディとロルタプは遠征のたびに重い水を運んでいるのを思い出し、はぁ〜っとため息をつくのであった。

感想、評価おねがいします


正直言うと、作者は競馬に興味ないです。

(本当にその名前で良かったのか!?)

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