8月31日:ダイチ・アカツキ
またしても大分間が空いてしまった。今回もまた、遠出してきたからね。
でも今回は前回とは違って、中々いい成果をあげることができたよ!
この星には水が多い。生命が十分に生きていけるだけの水があって、星の地中から上空までを循環している。
これは僕らの遠い祖先が住んでいた『地球』にとてもよく似ているらしいね。というか、だからこそ、僕らの遠い祖先はこの星に移住してきたのだろうけれど。
つまり、この星を蘇らせようと思うなら、最初に手を着けるべきは水なのさ。
そして今回の遠出で僕は、水の一部に理論を反映することに成功した!つまり、水を蘇らせることに成功した!
僕らが地上へ出るための第一歩、大いなる第一歩を踏み出した、ということさ!
ああ、とても素晴らしい!『口笛を吹きたくなる気分』とでも言うべきかな。僕は口笛がどうにも苦手なのだけれどね!すぴー、すぴー、みたいな音しか出ない!勿論、今の僕は僕自身の口笛だけで半日笑い転げられるぐらいにハイなのだけれどね!ああ、何も問題ないね!素晴らしい!素晴らしいよ!
……と、ここまで書いたら少し冷静になった。
戻ってきてもしばらくは報告書を書きながらカンヅメだったから、この興奮をどうにもできないままだったんだ。多少はしょうがない。
とりあえず、戻って最初に会えたチハラと、その次に会えたフナダ、それから報告しに行ったブラン氏、その帰りに会ったリュンヌさん、この日記帳までが僕の興奮の爆発に巻き込まれた訳だ。うん、反省はしていないよ。
むしろ、チハラもフナダも、ブラン氏もリュンヌさんも一緒に興奮してくれたね。
僕らの第一歩。大いなる第一歩を共に喜ぶ仲間が居ることを、僕はとても嬉しく思うよ。
セーラにも早く伝えたいのだけれど、セーラには明日まで待つべきかな。彼女も中々忙しいみたいだし、僕はチハラとアカシヤの晩酌に付き合わされることになったし、丁度いい。
……僕はお酒、飲めないんだけどね。何故か皆、僕を置いておきたがる。時々、僕の部屋で飲み会が始まるのは勘弁してほしいよ。全く。この間なんて、片づけを僕がやらされ……まさか、そのために皆、酒を飲むときに僕を呼ぶのかな!?
セーラの学習は順調に進んでいるらしい。セーラの学習はチハラとアカシヤから、イヌカイさんに交代されている。
とりあえず今のところ、『広く浅く』を目標にしているみたいだね。
セーラはとても優秀な頭脳を持っているから、とりあえず『広く浅く』情報を持っていれば、あとは独自の学習だけで、知識を深めていける。
それ以上の事を覚えさせようとするときも、『広く浅く』情報を持っていれば、情報の関連付けがしやすいからね。
何もない所に家は建てられない。やっぱり、土台が無いとね。
……僕としては、リュンヌさんやパイソンさんの知識もセーラに学習させておきたいんだよなあ。
彼女達はエネルギー関係やってるから。何をやるにしても、『アウトプット』の段階で必要になる知識だし。
……僕の専門は、多分、セーラには必要ないね。というか、必要になったら困るのだけれど。
うーん、でも僕はどうも、セーラに雑学ばかり教えている気がするんだよなあ。
ま、雑学だって立派な情報の1つだし、これでいいか。