5月21:セーラ
シンセティックユテレッサーが、残り14基になりました。
特にミスは無かったはずなのですが……何が不具合だったのか、解明できていません。
逆にもしかしたら、残っている14基が異常なのかもしれません。
生命系の宿命ですね。
停止した7基については、一応、180日経過を突破していましたので、TTB-UCに移動させました。
今回生まれたこの7人が長く生きられるかは分かりませんが……しかし、復活後の涙星最初の人類である事には変わりありません。
7人にはそれぞれ、名前を付けました。
「チヒロ」「チトセ」「イヌキ」「ツキコ」「オロチ」「バトー」「グリシナ」。
良い名前であるか自信がありませんが、博士が考えるよりはましである自信はあります。
それぞれ、DNAの元の方々にちなんで名づけました。
久しぶりに多国語辞書を使用しました。人類がラクリマへ移住して何世代も経た今では、もう意味の無い事かもしれませんが、文化の保存という観点では価値がある事だと思っています。
7人が無事成長してくれることを祈っています。
ローラ・ディルクルム博士のAEについてです。
恐らくこれが正解である、と思われる解答が得られました。
現在、プログラムを構築中です。
これまでずっと学び続けてきた事です。資料もあります。恐らく、完成まで、そう時間はかからないでしょう。
きっと、7月までには間に合わせてみせます。
また、プログラムの構築と並列しながら、ソフトシリコーンの板材や高吸収セルロースシート、コットン生地、アクリルフェルトの生地を生産しています。
これらは紫外線やエタノールによる消毒を行いました。
それから、合成脂質とタンパク質糖質、無機質の混合物に、更に各種アミノ酸や各種糖タンパクを添加したものの生産も行っています。
いずれ、必要になるでしょうから。
必要となることを祈っています。