4月13日:セーラ
シンセティックユテレッサーは、多少、活性が低下していますが、十分許容可能な状態です。このまま270日経過まで到達できればよいのですが。
もし、270日経過時点まで到達できないようなら、180日経過時点以降でシンセティックユテレッサーの稼働を停止して、TTB-CUへの移動を考えましょう。
できれば240日経過まではシンセティックユテレッサーの稼働を続けたいのですが。
条件は十分に揃っているはずです。予備実験は既にチハラさんとアカシヤさんが行っているのですから。
『人事を尽くして天命を待つ』といった気分です。
ローラ・ディルクルム博士のレポートについてです。
こちらの解読は難航しています。
天才の思考は飛び飛びなのだ、と博士が仰っていたことがありましたが、まさにこれがそれなのでしょう。
AからB、C、Dと進むのではなく、AからいきなりZへ進んでいる。更には、Aの次に1が出てくる。
そんな調子です。必要な個所を探すことにこんなに労力が必要だとは予想していませんでした。
しかし、読解は難航していますが、進行してもいます。
全体像がまるで見えませんが、完成形を既に知っているという事は、1つの強みになっています。
ハード面については既に完成しています。出来上がりに若干の不満はありますが、私の技術ではこれが精いっぱいでした。
上手く動かなかった場合は、私の技術の向上を待って、もう一度作り直そうと思います。現段階でも資源には若干のゆとりがあるので、作り直しも可能であると考えています。
あとはAEの完成を待って、メモリキューブ内のデータを挿入すればいいはずです。
勿論、AE完成までは既に実証された道ですが、データの挿入は前例がありません。
どうなるかは分かりませんが……こちらも、『人事を尽くして天命を待つ』といった所でしょう。
7月7日までには実験が一通り終了していることを願います。