表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/48

4月12日:ダイチ・アカツキ

 今日はフナダとリュンヌさんの結婚式だったよ。

 大したお祝いもできなかったけれど、それでも僕らの精一杯は尽くしたつもりだし、それなりに楽しかった。

 おめでとう、フナダ!リュンヌさん!


 僕の出し物は結局、サプライズ・アルギン酸ナトリウムパイと、プラネタリウム上映にしたよ。

 入場と同時に、アルギン酸ナトリウムパイをフナダの顔面にぶつけてやったのさ。うん。時間経過で固まっちゃうから、結構準備が大変だったよ。

 ……そして僕は直後、リュンヌさんにはっ倒されて蹴られた!いやあ、リュンヌさんは強いね!押しの弱いフナダは間違いなく尻に敷かれるだろうね。

 ということで、僕がリュンヌさんにげしげしやられたものの、まあ、ウケは取れたから結果オーライ!


 プラネタリウム上映は、またしてもセーラのお世話になったよ。

 セーラが足漕ぎ式の発電機で発電して、プラネタリウム用の電灯を点ける!

 とてもアナロジカルでノスタルジックでロマンティックだろう?こっちもとてもウケがよかった。

 フナダもリュンヌさんも、多分、星を見ることなくこの地下都市で死んでしまうから。

 だから、まがい物でもいいから星を見せたかった。セーラの発電で天井に映る星をね。

 そう。今日のプラネタリウムは、セーラが灯した星空だったんだ。セーラが生み出した星空なんだよ。

 つまり、僕らの未来だ。

 必ず来る、僕らの未来。星が輝く空が取り戻せた未来。

 そこで、βのみんなで笑い合う、って事はできそうにないけれど……きっと、僕らじゃない誰かが、星空の下で、青空の下で、或いは夕焼け空の下で、笑い合える日が来るだろう。

 僕らはそういう未来を作っている。未来のための橋になって……そこを、セーラが渡っていくんだよ。

 そしてセーラはきっと、星空の下で人類が笑い合える日を作りだしてくれる。

 僕らの未来。未来。未来。

 なんてすてきな響きなんだろうね。このために僕らは今、頑張っている。

 明日からもまた、頑張れるだろう。


 そういえば、僕とセーラの出し物も十分にウケたんだけれどね。

 直後の、パイソンさんとフジとアカシヤの出し物が凄かったんだよ。

 あのね、合成ミートを大量に作っておいたらしいんだ。

 その為にわざわざマメ科植物を利用した窒素回収機構まで作ってさ、本当に、大豆肉じゃない合成ミートを作ってたらしいんだよ!

 それで、その装置一式、プレゼント、って。

 合成ミートがβの皆に振る舞われて、久しぶりに皆、興奮しながらご飯食べてたよね。

 やっぱり食べるって大事だよね。

 ……合成ミート作ってるって教えてくれてたらさあ、アルギン酸ナトリウムパイじゃなくて、ミートパイ作ったのに!

 まあ、アルギン酸ナトリウムパイならその後、フナダの顔の型とって石膏像にしてプレゼントするっていう嫌がらせもできるからね。うん。結果オーライ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ