1月2日:セーラ
あけましておめでとうございます。新年になりましたが、実験は相変わらずの調子です。
60日が経過しましたが、残っているシンセティックユテレッサーは47基です。好調ですね。
90日を突破すれば安定すると考えられます。その後は、270日程度まで経過を見守ればよいでしょうか。
その後に関してはメリルさんが資料を下さったので、それを元に全自動化を進めるつもりです。
勿論、全自動化しても半自動かそれ以下の稼働率になるのでしょうが。
並行実験についてです。
ひとまず、ハード面での知識の収集が一段落しました。
課題がいくつか見つかったので、資源を探しに各地区を回ろうと思います。
……少なくともハード面に関しては、代替可能な資源だけで制作可能であると思われますので、不幸中の幸い、といったところでしょうか。
博士がもう少しだけでも、資源を大切にして下さる方でしたらこんな事にはならなかったのですが。
それから、AEについて。
こちらの資料は相変わらず見つかりませんが、1つ、関連資料を入手しました。なので、考えた事を少しメモしておきます。
AEについては、開発当時から賛否があったと聞いていました。
そして、ブラン氏が記録を残しておいてくださった当時の資料から、AEへの非難が博士たちへの非難になった経緯について、知ることができました。
酷い状態だったそうですね。当時の様子を読む限り、AE批判家たちの主張はまるで理に叶っていません。まるでカルト宗教家のようです。馬鹿馬鹿しい。ブラン氏の記録からでも、十分にそれを理解することができました。
そして、それらから私は結論を出しました。
AEについての資料が見つからないのは、博士が処分してしまったからなのではありませんか?
結局、AE批判はアカツキ・ラボラトリー批判に及び、アカツキ・ラボラトリーが行っていた地下都市計画にすら影響を及ぼしました。
そして、アカツキ・ラボラトリー批判を行っていた人たちは、地下都市へ避難することなく、終焉の日を迎えました。(本当にカルト宗教家のようですね。)
つまり、AE批判をしていた人たちは、ほとんど生きのこらなかった。
文明は一度、途切れることになりました。
……ですから、地下都市に避難するタイミングで資料を処分してしまったなら、その資料の内容も滅びて残りません。世代を重ねるごとに、詳細はおろか、概要すら、消えていく事でしょう。
博士は、AE関連の情報や、アカツキ・ラボラトリー批判についての情報を、抹消しようとお考えだったのではありませんか?
そして、それは恐らく、私の為に、とお考えになってのことだったのでは?
……博士、あなたに言いたいことが、山のようにありますが、今はやめておきましょう。
資源が集まり次第、ハード面の制作に入ります。