12月28日:ダイチ・アカツキ
ただいま!
いやあ、長かった!中々に長くかかってしまったよ!ええと……ゲートルームに4日居たのをさっぴいたら、作業時間は34日、ってかんじか。
うーん、本当に長くかかったね。1か月をちょっとオーバーしちゃってるよ。
でもその分、作業は進んだ。最初だからね、試行錯誤は仕方ない。次回からはもっと速く、一ブロック分の作業を自動化できるようになると思うよ!次回は30日以内を目指したいね!
ということで、戻って来たらもう年末だったわけだ。嫌になってしまうね。部屋のオオソウジもできてないよ。まあ、毎年やってないけど。セーラにまた小言を言われそうだね。何故か、セーラは僕とは真逆の性格をしているから……。
ま、とにかく、年末だ。
だから、今日は皆でモチツキ大会をしたよ。
モチツキ。そう。モチツキ。
イネ科の植物であるコメの胚を蒸したものを木製のハンマーで潰すんだけれどね。これが中々面白いんだ。
地球の文化の1つらしいんだけど、3年前から地下都市の行事に組み込まれたよ。
イネ科の植物は栄養が少ない土地にでも生える性質がある。特に、コメに関してはものすごく品種改良が進んでいるからなおさらだ。なんでコメなんだろうね。いや、確かに栄養価の観点からするとコメ、すごく優秀なんだけど。コメの品種改良に執念深い人達が遠い昔に居た、ってことだよね。
ま、何はともあれ、ボーキサイトからアルミナをとってしまった後の残りかすからでも改良コメは育つから、何かと便利なんだ。胚以外の部分は燃やして灰にして、他の植物の肥料にすることもできるしね。
モチツキ大会は中々楽しかったよ。セーラも手伝ってくれた。
アカシヤは体が小さいから、ハンマーを振るのが大変そうだったけれどね。イヌカイさんが手伝ってあげてたよ。
逆に、イヌカイさんにはハンマーのサイズがぴったりだったな。シバタさんとイヌカイさんがモチツキしてた時が一番スピーディだった。あの2人はこういう時に息がぴったりでいいね。
勿論、僕が一番楽しかったのは、僕とセーラでモチツキしていた時だったけどね!
こういう行事が時々あると、地下都市内が活気づいていいね。
……僕、今年のクリスマスは見事に欠席だったからなあ。
うん、次回の行事にはちゃんと参加したいところだ。