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かんせーのほーそく  作者: ガガガブックン
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う●きの法則、成功者の法則

第四話「う●きの法則、成功者の法則」

 三月。玲奈と湯海は一年生の頃に習った植物の光合成と呼吸の実験をした。二本の植物をそれぞれビニール袋に入れて、一方を光にあて、一方を暗闇の中に置いとく。二、三時間後、石灰水を入れて濁るのか確かめる実験だ。

 しかし、この実験で玲奈は疑問に思うことがあった。

「ねー、炭素ってどこいくんだろーねー」

「え? どういうこと?」

 すかさず、湯海が反応した。

「二酸化炭素が分解されて酸素が放出されるけど、余った炭素はどこいっちゃうんだろーねー」

「さぁ?」

「僕が説明しよう」

 青野が横に入った。青野は一見ただの若造だが、勉強熱心で理科については深く勉強している。

「炭素は植物の体に残るんだよ」

「じゃあ植物が死んだらどうなるの?」

「酸素と結合して二酸化炭素になるね」

「じゃあ森林植えても地球温暖化対策にならないじゃん!」

 玲奈は驚きと、子供をだます大人の嘘に怒りもこみあげた。そういえば、『のう●ん』には森林があっても動物や虫が住んで二酸化炭素をだすので総量は変わらないこと、海が吸収する二酸化炭素の方が大きいということが書いてあったっけ。

「科学的に考えないとね。今の世の中でもまだ非科学的なことが行われているからね」

「許せない! 決めた! 次に探す法則!」

「え? そこで法則?」

 突然の転回に湯海は驚く。

「成功者の法則を科学的に検証する!」

「成功者の法則?」

「最近流行ってる糖質制限ダイエットとか、ビ●ギャルの勉強方法とか、本やテレビでよくある○万円稼ぐ方法とか……。成功者の方法が本当に科学的に正しいか、検証したい!」

「無理よ、そんなの」

「無理だね」

 二人から不可能と宣言されて、玲奈は少し怒ったような顔で疑問を呈した。

「どうして?」

「だって実験するためには、たくさんの人がやったっていうデータが必要じゃない。被験者が集められないなら無理だわ」

「そっか……。無理か……。残念。でもあれって正しいのかな?」

「将棋のプロの世界にこんな話があるわ」

「えー、また将棋!? この将棋地味女!」

「黙って聞きなさい! 将棋のプロの世界ではたまに、普通の打ち方とはかけ離れたビックリする打ち方がでてくるの」

「それがどうしたの?」

「まあ、それでその時は勝つことはあるけど、その後たくさんのプロの人から、その驚きの打ち方が本当に強いのか検証されるのよ。その時は勝ったけど、その検証で弱いって判明して一回人を驚かせただけで終わりってこともあるわ」

「それとこの話と何が関係あるの?」

「っ! その成功者の法則もたまたま成功しただけで多くの人に通用しない場合もあるんじゃないかってことよ」

「ふーん。秀美は頭いーねー。将棋地味女は違うね!」

「だまれ! このスイーツ(笑)女!」

「まあまあケンカはしない。……将棋には検証するプロがいるけど、世の中の成功者の方法を検証する科学者が少ないのは残念だね。」

 青野が話を無事しめる。植物の話から大分とんだ今回のお話。二人は特殊な方法で成功し、周りにそれをおしつけようとする天才ならざる天災を成功者の法則と呼ぶのだった。

                                     おわり


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