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かんせーのほーそく  作者: ガガガブックン
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デブの法則その一

第二話「デブの法則その一」

 数学の授業が終わり、玲奈はチョコレートを食べていた。玲奈の苦手な教科の数学は、いつもより糖分を消費するからと、パクパク食べる彼女とそれに呆れる湯海。

「口にチョコついてるわよ」

「えっ! やばい!」

 学校ではおやつは禁止である。ばれると学年主任から大目玉。不真面目な生徒は他にもいて、ガムをクチャクチャ、アメをペロペロ。

 たくさん食べる玲奈を不思議に思い、湯海は女子特有のあのテーマに触れだす。

「どうしてそんなに食べてるのに太らないの……? 私もお菓子をたくさん食べたいのに……」

「どうやったらデブになるんだ?」

「その発言殺したくなるわ……」

「そうだ! 次に作る法則を決めたっ!」

「……何?」

「デブの法則」

「デブの法則?」

 放課後、二人は理科室に行くと、青野先生はスマホでインターネットをしていた。好奇心旺盛の玲奈は何をしてるか気になったので聞いてみた。すると彼は切手集めをしていて、新しい切手を探しているといった。何をしてるか気になるが、聞いてみるとどうでもいいことだったからか、すぐに話題を変えた玲奈。うんちくを語りたい青野は不満だったが、大人なので怒りはせず、玲奈の話を聞いた。

「デブの法則ねぇ……。デブの人がどんな生活をしていて、どんなものを食べているのかを調べた統計はないからね~。なんとなく想像はできるけど、科学はデータが大事だから想像で決めちゃ駄目なんだ。何か統計をとってみたら?」

「統計ねー。実際何を食べているか家を訪ねるわけにもいかないし……」

「玲奈。スーパーでふつうの人のカゴとデブのカゴを比べてみるのはどう!?」

「ナイスアイデア! 秀美」

「怒られないように気をつけてねー」

 青野は軽い声で見送った。


 二人は学校の近くにあるダイサンスーパーへと行き、データをとることにした。しかし、どのようなデータをとればいいか分からない。そこでまず、レジで会計している人たちのカゴを見て、中身の大体の様子を調べることにした。しかし……、

「ちょっと玲奈……」

「なに? 今、あの男の人のカゴの中身をメモってるんだけど……」

 玲奈は湯海の声に反応して周囲を見わたすと、怪訝そうな顔をした人たちがいた。どうやらこの方法でデータをとるのは不可能なようだ。二人は別の方法をとることにした。

「お肉売り場で待ち伏せ!」

「待ち伏せ?」

 玲奈の作戦はこうだった。デブは肉が好きだ。だから生鮮肉売場に行けば、デブのカゴを見られるのではないか、というものだ。二

 だが、デブの客はあまり来なかった。

「なかなか来ないねー、秀美」

「う~ん。肉のところで待ち伏せって考えがいけないんじゃないかな?」

「どうして?」

「青野先生が言ってたでしょ。イメージで決めちゃダメだって。デブだから肉って決めつけたら科学じゃないわよ。一人一人懸命に調べなきゃダメじゃない?」

「そういうのは早く言ってよー」

「……私も今思いついたのよ」

 二人は別々に分かれて、スーパーの中を散策し、普通の人とデブの人のカゴを調べ、見比べた。その後、二人はある事実に直面した。

 まずデブのカゴには野菜がない、ということだ。野菜は一時的には腹をふくらませるが、炭水化物や脂質のように腹もちがいい食材ではない。また、値段が高いため、そのお金で別の食べ物を買った方がお得だ。そういう理由だからかデブは野菜を買わないのだろうか? これはあくまで筆者の推測である。健康について少し考えているデブはおそらく一日分の野菜がとれるとうたう砂糖まみれのジュースでごまかすだろう。

 次にデブのカゴの特徴は、同じものを何個も買っているということだ。肉であれカップ麺であれアイスであれスナック菓子であれ多々買うということだ。

 このことから二人があみだしたデブの法則その一はこれだ。

「スーパーでデブのカゴを見れば、どうしてその人がデブになったのか分かる」

 このライトノベルを読んでいる人も、スーパーに行ったらデブのカゴを見てみてほしい。デブの法則その一が分かるであろう。

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