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25話

リア充回です(笑)


 俺、守宮龍人は困っている。


 二人の娼婦達が目の前で取り合いをしているからだ。


 何を取り合ってるかって?俺をらしい。


 面倒くさい、酷い言い方に成るが俺には他者の区別がつかない。


 確かに、精神的に楽になったのはエミリーのお陰だし、昨日のアンの優しさも照れ臭いが有り難かった。


 ただ、どっちが良いと言われても困る。


 実際、金の関係でしかないしな。


 これで見た目と言うか視界が普通に見えていたら舞い上がるんだろうけど、ドット絵のキャラにモテて

も反応に困る。



 腹はまだ減ってないが、いい加減立ちっぱなしも馬鹿馬鹿しい。


 開き直ってしまうか、金は有るし。


「面倒だ、二人一緒じゃ駄目か?」


 二人のやり取りが止む。


 進み出てきた男に泊まりで二人の場合の値段を聞く。


「二人を買うとなるとお部屋も広い所になります。銀貨25枚になりますが宜しいですか?」


「仕方がないだろう?早く座りたいし休みたい」


 チップ込みで銀貨26枚を支払って置く。



「申し訳ありません、ただ今ご用意致しますので、掛けてお待ちください」


 ソファーに案内されて腰掛ける。


 エミリーとアンは左右から俺を挟む様に座る。


 チェインメイルをインベントリに仕舞うと左手で右腕をマッサージする。


 居心地が悪い、見えないだけで多分ギスギスと牽制し合ってるんだろう。


 ついつい溜め息をこぼしてしまう。


「リュート様、溜め息なんて、お疲れですか?」


 この声はアンか?多分。


「そうな、狩りから帰ってきたら女の喧嘩に挟まれて疲れた」


「ごめんなさい……」


 こちらはエミリーか?


 二人の頭上の名前を確認して、アンが臙脂色、エミリーが翠色と覚える。


「今日は面倒だったから二人にしたけど明日はどっちか話し合って決めてくれ」


「「分かりました、申し訳ありません」」



「それと、右腕を少し痛めたから手加減よろしく」


 先に言っておく。


 これは想像だが、絶対に張り合って酷い目に遇う予感しかしない。



「お怪我されたのですか?」


 右側のエミリーが軽く腕に触れる。


「ああ、ネイルボア・リーダーの突進を食らって、筋を痛めたらしい」


 エミリーが右腕をさすりながら心配そうな声をあげる。


「あまり無茶はしないで下さいませ」


「油断は禁物だと身に沁みたよ」


 苦笑しながら頷く。


 左側のアンはアンで強く体を刷り寄せてくる。


 心配してくれるのは嬉しいが、これはフラグな気がする。


 二人の馴染みに恨まれる、ないし絡まれるフラグにしか思えない。


「リュート様、お部屋のご用意が出来ました」


 男の声に急いで立ち上がり部屋に案内をしてもらう。


 見られる前に移動しよう。


 いつもは2階の部屋だが、今日は3階に案内される。


「こちらの部屋は大きいバスタブが有りますので、ごゆっくりお寛ぎ下さい」


 ふむ、男性店員の応対も良くなってる。


 金の力は露骨だ。


 まあ、俺でもそうするがな。


 案内された部屋は広かった。


 昨日の倍は広い。


 確かに両手に侍らせて入るには相応しい部屋だ。


 まあ、調度品の質なんか判るはずもないが。



 ソファーに腰掛ける


「リュート様、お酒はどうされますか?」


 アンが確認してくる。


 エミリーは俺の腕をやわやわとマッサージしている。


 オモテナシの役割分担だろう。


「三人で呑めるワインが良いかな?それにつまめる物も欲しいな」


「かしこまりました」


 アンは部屋を出ていく。


「リュート様はお一人でモンスターと戦ってらっしゃるの?」


「ああ、知り合いも居ないし、一人だ」


「どうかご自愛下さいませ」


 エミリーは俺の腕にしがみ付いて囁く。


 柔らかい、いやそうじゃ無くて、温かい。


「気を付ける、ありがとう」


 気恥ずかしさで黙って居ると暫くしてアンが戻って来る。


「お待たせ致しました」


 目の前のローテーブルにワインとつまみを置いてアンも俺の左腕にしがみ付いく。


 感触は悪くない。


 柔らかい。


 ただやはり残念に思う。


 二人の胸の感触を楽しみながら悔しく思う。


 でも、ドット絵!!

羨ましくないリア充だな、主人公は(笑)


『でも、ドット絵!!』ではご意見ご感想誤字指摘をお待ちしています。

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