24話
遅くなりました。
良かったら楽しんで下さい。
右腕の痛みが引かない。
どうやら筋を痛めたらしい。
左腕で狩りを続けるのは難しい。
充分に稼いだから、今日は引き上げるとしよう。
念のため片手半剣はインベントリに仕舞い、初期ダガーとウルフファングダガーを出して装備する。
「HPが回復したら骨折とか筋違いも即座に治るのかな? 逆に完治するまでHPは全快しないのかな?』
素朴な疑問に首を捻る。
そろそろ回復薬の類も常備しよう。
「ポーション有り、無しどっちかな?」
スキルツリーには魔法系も有った。
回復職も有るには有るみたいだし。
パーティーか、難しいな。
回復魔法を取らなかったなら、当然回復薬が必要に成る。
帰って薬屋に行くとしよう。
一面緑色の芝生なんだか、雑草なんだか分からない地面を立ち上がって後にする。
街まで体感で5kmをモンスターのアクティブテリトリーに触れない様に避けながら歩く。
街の手前で複数のパーティーが狩りをしているのが見える。
少しだけ羨ましく思いながら街に入る。
先ずネイルボア・リーダーのドロップアイテムを買い取りか。
肉屋でネイルボア・リーダーの肉を見せると意外と高値で売れた。
なんでも、ネイルボアの肉より肉質が良く人気が有るらしい。
15cm×15cmで銀貨8枚、かなりの高級肉らしい。
次は毛皮だ、肉屋で聞いて見るとこちらは防具に成るらしい。
防具屋でネイルボア・リーダーの毛皮も売却する。
ネイルボア・リーダーの毛皮はかなりの量で銀貨19枚に成った。
最後に牙、これは削り出しでダガーに成るらしい。
こちらはあまり高くはないらしいが。
時間が有る内に見て回る事にしよう。
予備武器も買わなければだ。
防具屋から武器屋に移動する。
「すまないが買い取りと武器を見たいんだが」
店内に入るとカウンターの店員に話し掛ける。
「買い取りはなんだい?」
インベントリからネイルボア・リーダーの牙を取り出してカウンターに置く。
「こりゃネイルボア・リーダーの牙だな?」
「ああ、ネイルボアだと思ったら違って慌てた」
苦笑しながら確認してもらう。
「大きさも充分だ、これなら銀貨7枚で買い取るよ」
少し考えて、ウルフファングダガーをカウンターに置いて、
どちらが携行武器に適してるか聞いてみた。
「そりゃ、ネイルボア・リーダーのダガーだな」
「どの位違うんだ?」
「硬さだな、ネイルボア・リーダーのダガーはまず折れない、刃毀れもしない」
「なら買い取りでは無く削り出しでダガーを頼む、それと槍とメイスも何かお勧めは無いだろうか?」
少し間を開けて『少し待て』と奥に消えた。
暫くして戻って来るとカウンターに槍とメイスを置く。
「どちらも鋼で造られた硬い物だ。獣相手に打ってつけだ」
槍とメイスを試しに持ってみたが、どちらも悪くない。
「三つで幾ら掛かる?」
「ダガーの削り出しと槍とメイス、合わせて銀貨16枚だ」
「13枚」
「銀貨15枚銅貨50枚」
『14枚』
「銀貨15枚、これ以上は無理だ」
「じゃ15枚で」
多少安くしてもらって、2日後また顔を出す事になった。
メイスと槍をインベントリに入れて店を出る。
まだ夕方にも成らない時間だ、コバルトの粉作りでもしよう。
昨日の所に行って地面に座るとインベントリからコバルト、ヤスリ、乳鉢、革袋を取り出す。
革袋にヤスリを入れてガリガリとコバルトを削る。
50個のコバルトを粉にするまでと我慢していたが、右腕の痛みに負けて粒で休憩にした。
まだ時間的に少し早いが宿に向かう事にした。
日が暮れる前に娼館に入るのは抵抗が無い訳では無いが、今更だし、街に知り合いが居る訳でも無いか
ら開き直って向かう。
流石にまだ客引きは出てないらしい。
娼館に入ると話し掛けられるまで待つ事にする。
店内を見回すとソファーにはもうそれぞれホステスと言うか、娼婦達が座って居るらしい。
妙に視線が集まってる気がする。
表情が読めない、どこを向いてるかいまいち分からないから仕方がないが。
さて、どうした物か、と考えていると突然名前を呼ばれた。
「リュート様!」
小走りで向かって来る臙脂色と翠色のドレスを着た二人組。
困った、どっちがどっちだ?
本心から思う。
「でも、ドット絵!!」
修正最中にデータが飛んで半泣きでした。