閑話休題-嬢達の独り言
閑話休題書いてみた。
これは今日2話目です。
私の名前はエミリー。
娼館の娼婦。
親に娼館に売られてってありがちな話。
もう親の顔も曖昧にしか思い出せない。
売られてから9年位かしら。
嫉妬をしたりされたりしない位の馴染みの数。
とても楽、考えなくて良いから。
私は昨日の客の事を思い出していた。
この国じゃ見ない髪の色と瞳の色。
肌の色も違った。
外国人、かな?
かなりのハンサム。
でも雰囲気が暗い。
無表情で飲み食いをして、時折顔を顰める。
陰気と言うか暗い客だった。
内の娼館は呑むだけの客も私等を買う客も来る。
勿論買われた方が実入りは良い。
目の前の暗い客に買われるのは少し嫌かな、とは思う。
少しの辛抱で済むけど、ワザワザ自分から買われ様とは思わない。
目の前の客は食べ終えると、視線を動かして呟いた。
「なあ、泊まるとしたら幾らに成る?」
白々しく聞いてくる。
少しだけ高く値段を言うとあっさり払われた。
しかもチップまでだ。
差額込みで銀貨2枚も臨時収入が入った。
ついつい媚びた声に成るのは仕方ないよね?
そうしたらその客、目を丸くしてた。
その後は部屋に案内してお湯で体を流すんだけど、
その時は笑っちゃった、だって『あ、ここ娼館か……』だって。
本当に気が付いて無かったみたい。
初心でも無いけど世間知らずなのかしら?
後はうん、凄かった。
沢山求められて、沢山満たされた。
うなされて抱き締められたりもした。
凄く疲れてるんだな、って思った。
朝、見送りした時に恥ずかしそうにお礼を言う彼が可愛かった。
次が有ったら良いな…。
「リュート様、か……」
アン視点
私はアン。
口減らしに売られ娼婦してます。
この間、妹までここに売られてきました。
2人分の借金を返済しなければ、妹まで客を取らされてしまいます。
今日は馴染みも来ないし暇だと思ったら金払いの良い客が着いた。
昨日エミリー姉さんが着いた客。
ハンサムだった。
濡れた様な黒髪と瞳、無表情でクールな感じ。
客の大半は皆助平でデレデレ下品な顔するのに、
この客は違うんだ~って思った。
真っ先に湯浴びがしたいんだって。
近寄ったら凄い血の臭いがした。
ハンターなのかな?
ムクロジの実で洗って上げたら気に入ったみたい。
体の所々に傷が有った。
日に焼けてないからまだまだ新しい傷みたい。
なんか凄くストイック、だって私を見ないんですもの。
スタイルには自信有るんだけど、見向きもされなかった。
湯浴びが終わったら鎖帷子になにかし始めた。
音殺しの細工って言ってたけど娼館でする?普通しないよ?
変な人。
ガラス工房も聞かれた。
色ガラスってなんだろう?
黒っぽいガラスなら有るんだけど、あれは粗悪品って言われてるし。
やっぱり変な人。
その後は凄かった。
怖いって位責め立てられた。
普通の客だったら乱暴だったり強引だったりするのに。
リュート様は優しくて、でもいっぱいされた。
腰が抜けそう。
凄くドキドキして眠れない感じ。
あ、そうだ、鎖帷子に紐通ししてアピールしとこ。
かなり時間掛かったけど紐通しをし終えた。
リュート様、起きたら褒めて下さいね?
出来たら、一杯チップを下さい……。
浅ましく生きるしか無い。
リュート様の腕の中に潜り込んで、多分泣きそうな顔で寝たと思う。
すいません、調子に乗りました(笑)
これアウトだろうか?
不安過ぎる(笑)