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19話

 湿った鎧に顔を(しか)めて狩りの続きを始める。


 また囲まれても困るから今度は川から余り離れない場所のコボルトを攻撃して行く。


 スキルツリーを選択するとアーツを覚える。


 アーツを身に付けるとかなり戦いが楽に成った。


 右から左に横凪ぎに振り、右手を体の正面で離し左腕だけで振り抜く「スライド」


 腰の捻りを加えたら有効攻撃範囲は180度近く有る。


 複数攻撃が可能で、最後は牽制位にしかならないが、同時に二匹は相手取れる。


 両手剣と片手剣を取らないと使えない複合アーツだったりする。


 ただ、このアーツも訓練すれば修得は可能なのでは?と考えている。


 野球のスイングと似た振り方だったからだ。


 アーツは使用時にMPを消費する。


 一匹目を両断して二匹目は軽く斬り付けるだけに成ったが、二匹目のコボルトはたたらを踏んで後ろに下がる。


 剣を振りかぶって真上から切り下ろす「カットダウン」を繰り出して二匹目も真っ二つに斬り伏せる。


「こっちに刀有るかな?振り方はむしろ日本刀向きだろ、このアーツ」


 「スライド」の剣筋を考えると刀かメイスの方が相性は良い気がする。


「でも、刀でモンスターは耐久性を考えると難しいかも」


 なかなか悩ましい問題だ。


 猪や熊見たいな毛皮と大量な筋肉量を持つモンスターだと少し難しいと判断する。


 切れ味と耐久性を両立させる武器はリサーチが必要だ。


 公平に見て、切れ味の凄まじさだけはやはり刀だと思う。


 むしろ刀並みの切断力が剣に有れば俺は有り難いが。


 実際は刀特有の反りが切断力に繋がるだけで、西洋剣も刃の切れ味は大差無い筈だ。


 差が出るならそれは研ぎの差だと思う。



 少しだけペースを下げて、銀貨50枚まで貯めたら切り上げる事にする。


 周囲を探すとコボルト二匹を発見した。


 向こうも俺に気が付いたらしく向かって来る。


 走り寄ってリーチを生かして剣をコボルトの胸元に突き立てる。

 アーツ「パーファレイト」突き技で貫通系。

 刃の根元まで刺さった状態から「スライド」を起動する。

 突きからの流れで横凪ぎを行う。

 二匹目のコボルトの首を切り落とす。


 コボルトの死体が消えるのを待ってドロップを回収する。


 延々とコボルト退治とドロップ集めを繰り返した。


 日が傾いて来た頃合いで切り上げて街に戻る事にする。


 道中のモンスターは当然刈り取って行く。


 口の中が妙に苦い。


 後で人間とモンスターの関係性を誰かに聞こう。


 ここに来て3日、そろそろ情報を真面目に集めをしよう。


 良く考えたら俺はこの場所の名前すら知らない。


 装備と飯と宿は最優先だから仕方無い。


 まあ、防具の前に色が入ったのは予想外だったけど。



 街までの間にコボルト、ゴブリン、ヘビーカウを少数狩ってドロップを回収する。


 所持金は銀貨51枚銅貨38枚に成った。


 先ず、服と地図と次のモンスター情報を仕入れよう。


 服の露店で下着と上下二組を買い、露店商に地図は手に入るか聞いてみた。


「地図なら雑貨屋で扱ってますよ、この先少し行ったら右手に有ります。しかし、お客さん地図より鎧ボロボロですよ?」


 雑貨屋の場所を教わると革鎧が酷い状態だと指摘される。


 これは防具も新調が必要か。


 防具屋は近所なので先に見て貰うとしよう。


「鎧をみたいんだけど、今良いか?」


 店に入るとカウンターの店員に話し掛ける。


 顔を上げた店員が驚きの声を上げる。


「お客さん、その鎧今朝買ったばかりですよね?」


 どうやら今朝居た店員だったらしい。


「コボルトに囲まれてね」と苦笑いを浮かべる。


「革鎧で囲まれたら普通死にますから!」


 革鎧はゴブリンまでの装備なのか?と疑問に思う。


「コボルトの次の狙い目モンスターって何かな?」


「コボルトの次はネイルボアです。毛皮が針みたいに硬い猪です、コボルトの倍はタフで攻撃が通り難いモンスターです」


 少し間を置いて溜め息を吐いた店員が呆れた様な声で教えてくれる。


「防具の更新は必要かな?」


「当たり前です!」


 当たり前らしい。


「どんな防具が良いのか教えてくれないか?」


 店員が店の奥から何やら持ってきた。


「ハーフプレート、ブレストアーマー、スケイルアーマーです、ブレストアーマーなら下に革鎧かチェインメイルが必要です」


 ハーフプレートは首から腰までの金属鎧で、ブレストアーマーは胸元に厚い金属の装甲板、スケイルアーマーは確か鱗型の金属片を重ねた鎧だ。


「ハーフプレートとスケイルアーマーは煩いから却下だな。チェインメイルを見せてくれ」


 金属が当たるガシャガシャと言う音に顔を顰めてチェインメイルを待って来てもらう。


 受け取るとシャラシャラと小さな金属音がする。


「この音もっと抑えられないか?」


「鎖の間になにかを挟めば音はしなく成りますが」


 指で確かめると小指が通る位の輪っかを組み合わせた鎧だ。


 ここに麻紐を通せば音も軽減するだろう。


 チェインメイルとブレストアーマーを購入する。


 革鎧を脱いで、チェインメイルを着込みブレストアーマーを装備する。


 鎖が動くから革鎧よりずっと体の自由度が高い。


 しかし、大分慣れたとは言え、装備が鉄色のTシャツにしか見え無い。


 今日も今日とて。


「でも、ドット絵!!」

作者はMMOでソロしかやらないボッチなので、

主人公には可哀想ですが、まだ暫くボッチで居て貰います(笑)


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