18話
お楽しみ頂けてるだろうか?
不安で仕方がない。
地面に切っ先を刺して体重を預けながら息を整える。
俺は一体何匹のコボルトを倒したんだろう?
モンスターの死体は残らないからハッキリは判らないが50匹では利かないだろう。
全部が一度に向かって来なくて良かった。
一斉に来てたら俺は死んでいただろう。
強張った体を励ましてドロップアイテムや貨幣を拾い集める。
全身が血でドロドロに成っている。
返り血と俺自身の血だ。
確か今居る地点から少し進むと別のモンスターの生息地域で、その手前に小川が有るらしい。
血を洗い流して休憩しよう。
「くそっ、痛い…防具買って良かった」
全身の痛みに顔を顰めてコボルトを避けながら小川に向かう。
暫く歩くと多分川が見えてきた。
ぶっちゃけただの水色の帯状の何か。
川縁で革鎧と服を脱いで先ず、服を川に浸す。
川に浸けた脚が地味に沁みて痛む。
水色の川に赤い線が服から川下に出来る。
もみ洗いをしたら次はズボンも脱いでもみ洗いをする。
血の臭いは取れないが、それは仕方がない。
上着とズボンは絞ってからインベントリに放り込む。
あまり濡らすのも良くないが、革鎧も川に浸けて血を洗い流してしまう。
川から上がってインベントリから別の服を取り出して着替える。
先ほどより体の痛みが減って居る。
HPが回復してきてる様だ。
レベルも上がった様だから確認してみる。
守宮龍人
人族
凶戦士
LV20
HP170/290
MP50/270
筋力79
体力79
俊敏46
知力26
幸運26
HPMPは大分消費している。
職業が追加されてる。
「ん?ステータスの数値が計算と違う?」
今までの上昇率はレベル1に対してステータス10UP。
レベルが2つ上がっても69のはずが、筋力体力だけが10上がってる。
多分、凶戦士のボーナスか、職業ボーナスだろう。
これが無ければ状況はなかり悪かった可能性が高い。
所持金は銀貨82枚銅貨87枚、今朝防具を買って目減りしたが、昼前までに銀貨52枚は稼いだ事に成る。
ドロップアイテムは『顔料』と有る。
アイテムの色は青と銀のドット。
「顔料?染料じゃなく?絵の具とかのか?」
川縁に座ってHPの回復を待ちつつ『顔料』を考える。
コボルト、顔料、青と銀色、暫く記憶を辿ると思い付く。
「コバルトか!確か、銀だと偽って詐欺に使われたり、陶器の釉薬の青の顔料だった様な……」
何処に売れば良いか分からないのも、この世界の『不便さ』だろうか。
アイテムの使い道は決まらないが、取り合えず飯にする。
インベントリから肉焼きを取り出して齧り付く。
時々鶏の骨を噛んでグッとなる。
余り不用心に食べ物を口に出来ないのも地味に辛い。
傍らで乾かしてる革鎧を触れると、所々に切り傷が付いている。
ニカワで煮た革鎧は木材位には硬い。
やはり鎧は必須だったな、と思う。
この調子だと数日後にはまた鎧の更新が必要に成るか。
日が傾くまで狩りを続ければお金の心配は無くなる。
二つ目の肉焼きを平らげて一息吐くと生乾きの鎧を諦めて着込む。
湿った鎧が気持ち悪いが、見下ろす俺自身には違いは判らない。
「でも、ドット絵!!」
主人公の戦いを離れて見ると二つ名が早々に着きそうですね(笑)
二つ名のアイデア募集してみようかな?(笑)
何か有りましたらお願いします。