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11話

 ヘビーカウのドロップは銅貨30枚と食材アイテムだった。


 人の頭位の何かだった。


 一度インベントリに入れて名前を確認する。


 アイテム名「カウミルク」牛乳だった。


 瓶に入った牛乳らしい。


 このまま使うアイテムなのか、良く有る調理スキルで料理を作る材料アイテムなのか判らない。


 今は保留にして、地面に落ちたダガーを拾って次のヘビーカウに近づく。


 レベルが上がれば、当然処理速度も上がる。


 次々にヘビーカウを倒し、銅貨とアイテムを貯めていく。


 アイテムは食材アイテム以外にも皮が出た。


 多分、買い取りしてもらえるだろう。


 順調にドロップを貯め、レベルを上げてるとレベルが全く上がらなく成った。


 ある程度のレベル差で経験値が入らなくなるらしい。


 ヘビーカウの次を確認して来なかった為、様子見に違うモンスターと戦って見る事にする。


 暫く探して居るとまだ見た事の無いモンスターを発見する。


 二足歩行、緑色、定番のゴブリンとかオークとかだろう。



 ためらい無く全力疾走からの横蹴りを叩き込む。

 多分、普通の人間にやったら肋骨複雑骨折位はする勢いだったと思う。

 当然、後悔はない。

「意外としぶといな」

 ノロノロと起き上がる多分、ゴブリンに再度駆け寄り首筋を切り裂く。


 落ちた銅貨を拾い集めて次のゴブリンを探す。


 ヘビーカウと違ってなかなか見当たらない。


 暫く歩くと二匹のゴブリンを発見した。


 ダッシュして一匹に狙いを定めてダガーを心臓が有るだろう場所に突き刺して引き抜く。

 急いで距離を取るともう一匹が手に持った武器で襲い掛かって来る。

 あ、怖い。

 武器を向けられるってこんなに怖い物なのか。

 弱い。

 勝てない敵じゃ無い。

 それとは別問題で怖かった。

 今更だ、一匹は地面に倒れて動かない。

 死んでは居ないが助からない、そんな感じだ。

 目の前のゴブリンは何か奇声を上げて威嚇している。

 吐きそうだ。

 知性有る二足歩行のモンスターは人間を連想させる。

 いくらドット絵でも肉と骨の感触は有る。

 とてもリアルな感触だ、恐怖?畏れ?良く判らないが禁忌に触れてる実感が有る。

「本当、今更だな」

 苦笑いを浮かべてもう一匹も片付けに掛かる。


 武器を振るって来る相手を倒すのは意外と難しかった。


 滅茶苦茶に振り回される刃物を交わして斬りかかるのは困難だった。


 ダガーで攻撃を受け止められるか不安だ。


 ゴブリンの攻撃の合間に蹴りを入れて、たたらを踏んだ隙にダガーで攻撃する。


 このギャップは有り難いのか有り難くないのか判断に迷う。


 手応えは本物、見た目はゲーム。


 現実感は全く無いが、だからこそ「俺は恐ろしい事をしているのでは?」と感じる。


 二匹目も銅貨に変じると精神的な疲れを感じた。


 肉体的な疲れは無い。


 二匹分の銅貨を拾って現在の所持金は銀貨35枚銅貨50枚程。


 日本円に換算すると35万5千円、銅の剣よりはましな武器は買えるか。


 レベルも13まで上がっている。


 迷う、武器を買って戻るのは面倒過ぎる。


 レベルはもう少し上げたい。


 武器を買って宿代が足りないのは困る。


 銀貨50枚まで粘ろうか。


 仕切り直して次を、と周囲を見回すと腹が鳴った。


 良く考えれば起きてそのまま狩りに出てしまって、何も口にしていない。


 街に戻るか、と思ったが昨日クロックチキンを買って、インベントリに入れたままなのを思い出した。



 インベントリがら取り出すとまだ湯気が立ち、芳ばしい香りまでする。


 どうやらインベントリに仕舞うと時間経過止まるらしい。


 取り合えず温かい鶏肉を噛じりながらインベントリのドロップアイテムを見てみる。


 今日は武器装備のドロップは無いらしい。


 皮、肉、ミルクが結構な数入っているが。


「このミルク飲めないかな?」


 肉汁たっぷりでも、何か食べれば飲み物が欲しくなる。


 ミルクを1つ取り出すと瓶の蓋が外れる事に気が付く。


 瓶の淵に口を付けて一口飲んでみる。


 濃厚で新鮮な味がする。


 スーパーで買う低温殺菌牛乳よりずっと味が濃い。


 これは病み付きに成る味だ。


 鶏肉を平らげて、牛乳を飲み干して一息吐く。


「旨かった……、ビックリする位……」


 そう呟くとやはり胸に引っ掛かる理不尽さに本音が漏れる。


「でも、ドット絵!!」

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