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彼女を寝取られた俺が幸せになる、その日  作者: アキノリ@pokkey11.1
第一章 ありえないんだが。
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7、ひずみ


とは言っても。

豊島さんを完全に信頼した訳じゃない。

何故ならこの人も裏切る可能性があるのだから。

そう。

私は...私以外の女子を信頼していない。


「それにしてもお前...何だかタイミングが良すぎないか」

「それはどういう意味ですか?先輩」

「いや。確かに休みっていうのはあれだけど...」

「それはつまり先輩が辞表を提出したから会いに来た、と誤認しているのですか?」

「いや。そこまでは言ってない...が」

「私はあくまで偶然ですよ」


私は豊島さんを観察する。

豊島さんはハンバーグステーキを食べている。

私達は肉を食べたりパスタを食べたりする。

豊島さんは大食いだった。


「私はあくまで先輩に会いに行ったわけじゃないです」

「...そうか」

「でも先輩。今日会えて良かったです」

「...まあな。かつての部下が見れて良かったよ」

「...ですね」


豊島さんは手を止めながら私を見る。

私に対してウインクした。

その姿を見ながら私は「...」と見据える。

すると豊島さんは話を切り出す。


「ところで」

「...ああ」

「付き合って無いんですよね?お2人さん」

「そうだな。...あくまで...な」

「そうなんですね。じゃあちゃん...じゃなかった。私も...」


多分、豊島さんはチャンスと言おうとした。

という事は間違いないな。

恐らくだが...彼女は。

十色お兄ちゃんが好きなんだ。

多分、だけど。


「...豊島さん」

「うん?何?」

「...私は決して負けませんから」

「...え?...あ。...うん。成程ね」


豊島さんは箸を止めてから私を見る。

そして火花が散る。

すると十色お兄ちゃんはデリカシー無しで聞いてきた。


「どうしたんだお前ら」

「もう。十色お兄ちゃんの鈍感」

「だね。それは同感かな」

「...???」


十色お兄ちゃんは訳が分からない、という感じで私達を見てからお茶を飲む。

私はその姿に苦笑しながら豊島さんを見る。

豊島さんも苦笑していた。

私はそんな姿を見つつ...考え込む。

対策を立てないと。


「十色お兄ちゃん」

「ああ。どうした。湊」

「例えばの話だけど。上と下どっちが好き」

「上と下って何だ」

「良いから答えて」

「...どっちかと言えば下だろうな。安心する」


良かった。

そう思いながら私は疑問に思う2人を他所にパスタを食べる。

ペペロンチーノを。

何というかその点は良かったと思うけど。

さてどう攻めて行こう。



「で、先輩はどうするんですか」

「どうするってのは」

「...いや。この先、どうするんですか?」

「ああ。...あの女に別れとか?」

「そうですね」

「...成程な。...別れは告げるよ。...だけどそれはメールで十分だと思うしもう会いたくもない」


喫茶店で美味しいランチを後にしてそう先輩は言う。

それから私を見てから複雑な顔をする。

私はその姿に「...」となってから先輩を見ていた。

そして先輩は首を振る。


「...アイツ。あの女にはもう会いたくはない」

「...そうですね。...私も同感です。佐渡美歩さわたりみほには会いたくない」

「...」


佐渡美歩。

誰かと言えば先輩を裏切った女。

名前を佐渡美歩という。

因みに佐渡実奈はその美歩の...義姉に当たるらしい。


「...正直、美歩は頭おかしいです。あの人来てから家庭が破滅したって言ったじゃないですか」

「...」

「養子で貰ったって先輩が言ってましたけど...」

「そうだな。俺が居なくなって1年後ぐらいかな」


そして先輩は「...」となって考え込む。

それから歯を食いしばった。

私はその姿を見てから横の湊ちゃんを見る。

そうしてから私はゾッとした。


「...」


湊ちゃんの感情が無くなっている様な顔をしている。

人が感情が無くなるとここまでになるのか、レベルで、だ。

まるで殺人でも犯しそうな。


「み、湊ちゃん?」

「あ、はい。何でしょう?」

「...」


私は考える。

今のは気のせいか?、と思いながら、だ。

だけど今の表情はこれまで人の...見た事の無い表情だった。

そう。

ヒステリーを起こした私の母親の様な。

当たってくる母親の様な。


「私は元気ですよ?」

「...な、なら良いけど」

「ん?どうした?」

「い、いや。何でもないよ」


湊ちゃんに限ってからそれは無いだろう。

そう信じたいが。

湊ちゃんの表情が天変地異の様に変化する。

私はその顔に汗を一筋流した。

正直、人は感情が壊れると今の様な顔をするが。



私の死の表情を見られた様である。

だけどまあどっちでも良いけど。

私は正直、その美歩だけは絶対に許す気は無い。

ありとあらゆる手段をもってして証拠などを集めたら地に落としてやる。

今はまだ証拠が足りない。


「じゃあ行こうか。湊。それから豊島」

「だね。十色お兄ちゃん」


あくまで大好きな十色お兄ちゃんを裏切ったこの罰は重い。

正直、どんな罰よりも遥かに重い。

絶対に許さないもん。

そう。


私がそれによって弁護士になり損ねたとしても。


許す気は無い。

10億も資産があれば犯罪の1つや2つ。

犯しても問題無いよね¿

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