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彼女を寝取られた俺が幸せになる、その日  作者: アキノリ@pokkey11.1
第一章 ありえないんだが。
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2、頭が良くなったクソガキ

俺が部屋に帰って来ると何故か美少女、女子高生が居た。

いやまあ...その知っているのだが。

でもその10年ぶりすぎるからありえない光景になっている。

1人暮らしの空間が。

どうなっているのだ...っていうか人ってこんなに変貌するものか?


「お久しぶりですね。十色お兄ちゃん」

「...そ、そうだな」

「私、鍛えてきました。しっかり」

「つ、つまりはその。...花嫁修業でも頑張ったのか」

「はい。10年間言いつけを守りました。10年間、貴方だけしか見ていません。10年間、会えるのを楽しみにしていました」

「...」


『コラァ!お兄!とっとと起きろ!いつまでねてんだ』


そんな事を言っていたクソガキだった。

何で人ってこんなに変貌するの。

怖いんだけど...っていうか。

あまりに美少女過ぎて目が痛い。

どうしたら良いのだ。


「あ。お兄ちゃん」

「は、はい」

「はい、って。お兄ちゃん。私は年下です。敬語は止めて下さい」

「まあ常に敬語を使わないといけない会社...じゃない。取り敢えず敬語が好きなんですよ」

「お兄ちゃん。敬語を止めない限りは私は言い続けますよ」

「わか、分かった」


俺は慌てて敬語を止める。

すると頷きながら笑みを浮かべた湊。

何でこんなに可愛いんだよいちいち仕草が。

イカン。

18歳とはいえ女子高生だぞ相手は。


「なあ」

「はい」

「...何をしに来たんだ?10年ぶりに」

「それは勿論、お兄ちゃんと同棲する為に来ましたよ?」

「ぶっは」


噴き出してしまう。

それから俺は頭を左右に振る。

そしてまた湊を見据える。


「あのな!18歳じゃ早すぎるし俺はあくまで25歳だぞ!」

「それがどうしたのですか?」

「そ、それがどうしたって」

「民法では18歳で結婚出来ます」

「そうですね...いや!倫理的にマズイ!」

「それが?」

「い、いや。だから...」

「結婚しましょう」


俺に笑顔になる湊。

コイツマジかよ。

そう思いながら俺は咳払いをする。

それから首を左右に振る。


「おじさんとおばさんが反対するだろ」

「しませんね。了承済みです」

「早いわ!根回しが!」

「私はあくまで覚悟の上。そして子作りもそのうち検討しましょう」

「ぶはぁ!!!!!」


コイツ!こ、コイツ!

あの...コウノトリしか分からなかった様な女児が!

ありえない...けど。

時間が経ったんだな。


「...まあ話は逸れて。お前いつ帰って来たんだ」

「私ですか?3か月前ですね」

「え?その間は?」

「準備です。同棲準備ですね。学校も変えました」

「...お前マジにやるの?同棲」

「だって私、家を出ましたもん。苗字を1つにするのも大変ですからね」


湊は胸を張りながら...というか。

メロンの様なデカい胸を張りながら笑顔になる。

俺は真っ赤に赤面してからそっぽを向く。


「私、お兄ちゃんの為に10年間頑張ってきたんです」

「...というと?」

「学校も高度な経済学を学びました。修了したのでこっちで大学に通います」

「...というと...」

「私は結構頭が良いので将来は弁護士になります。...というか...お兄ちゃん。貴方に苦労を掛けさせない為に株もやります」

「...お前まさか...今までの話からするに」

「私、結構資産があります」

「...え?どれ、どれぐらいだ...」

「株式で儲かって配当金を含めると10億円ぐらいですね」


何でそんなに資産が...。

俺は青ざめる。

俺の預貯金の数億倍!?

そう思って居ると湊は笑顔になった。


「全て貴方に苦労を掛けさせない為です。幸せの愛の巣を作りましょう」

「...そ、その。10億は何処にあるんだ」

「あ、スイス銀行、仮想通過。まあ色々です。日本じゃ持てるのも限界があります」

「...」


夢ですかねこれ。

そう思いながら俺は青ざめたまま聞いてみる。


「お前...その。何でそんなに金が儲かる」

「言いました通りですがお母さんも支えないといけません。だからこそ頑張りました」

「...ありえない...」

「お父さんはどうでも良いとして。お兄ちゃんと愛の巣を作るのに邪魔にならない様にしました。頑張りました。コツコツ2年ほど株の変動を見て勉強しました」

「...株とか全然分からん...」

「...あはは。ですよね。...でもお兄ちゃん。全ては貴方の存在があったからこそですよ。私の...今が有るのは」


湊の家は金持ちではない。

何というか母子家庭だ。

だからこそ俺が見ていた頃があった。

まさかこんな事になっているとは。


「...お前、学校では何て言われているんだ」

「お嬢様学校でしたけど。鬱陶しかった部分もあったので普通の大学、学校に行きます。一応、天才の天女というあだ名がありますけど。鬱陶しいですね」

「...」

「私はおにいちゃんしか見てないです」

「...男子とかに言い寄られたのか」

「あんなの相手にすらなりませんよ。未熟な子供ばっかりです」

「...」


この10年は彼女にとっては劇的なものだった様だ。

俺はそう思いながら顔を引き攣らせる。

すると湊がいきなり俺の手を握った。

それからズイッと寄って来る。


「お兄ちゃん。今の会社、辞めましょう」

「...へ?」

「もう十分です。働く必要は無いんですよ」

「...だ、だけど」

「ブラック企業だって聞いてます。そんなのゴミにも値しない。辞めましょう」

「...」


俺は溜息を盛大に吐いた。

それから考え込む。

そうしていると涙がポロポロ流れた。

あの会社からようやっと逃れれる。

そんな考えが浮かぶ。


「お兄ちゃん...」

「...甘えて良いか。俺は別のホワイトな仕事がしたいんだ」

「...はい。お兄ちゃん。でもそれをする必要もない。無職でも構いませんよ。株の配当金が入って来ますし」

「いや。それは俺の心が許さない。だから頑張る」

「...そうですか。お兄ちゃんのそういう所が大好きです」


そう言いながら涙を拭ってから立ち上がる。

それから辞表を書き始めた。

取り敢えず会社を変えてやり直そう。


人生を。

今の会社は俺には...合わないから。

死にたくないしな。

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