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彼女を寝取られた俺が幸せになる、その日  作者:
第一章 ありえないんだが。

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12/16

12、離散した一家


乾電池が無くなったので...近所のスーパーマーケットに来た。

すると蹲っている若い女の子が居た。

その子に声を掛けて振り向かせると...何と湊ちゃんだった。

湊ちゃんは子供らしくぐしぐしと目元を拭ってからそのまま立ち上がる。


「何でしょう」

「何でしょうって...貴方を見つけたから声を掛けたんだよ?」

「...」

「...何かあったの?」

「豊島さん...には関係無いです」


そして振り返ってからどこかに行こうとする湊ちゃんを私は引き留める。

それから首を振る。

そうしてから真っ直ぐに見た。


「大丈夫そうな顔をしてない」

「...私は大丈夫です。...平気です」

「そうは見えないな。...強情張っても君は子供なんだから」

「子供じゃないです。18歳です」

「だけど私達から見たら子供だよ」


それから私は湊ちゃんの手をグッと握る。

そして胸につかえる違和感を感じながら湊ちゃんを見る。

湊ちゃんはその真っ直ぐな瞳におどおどした。


「...豊島さん。私は貴方を信頼してないです」

「うん」

「...ですけど...独り言を話しても良いですか」

「うん。そうしなさい」


そして私は声を掛けてから歩いてから店内に入る。

それから湊ちゃんの手を握ったままアイスを買った。

直ぐにそのままスーパーから外に出る。


「何があったの?」

「独り言です。...十色お兄ちゃんに嫌われちゃった」

「ああ。そうなんだね。何で?」

「...私が怖いって」

「...」

「私が...あくまで復讐したいからって」

「...それで嫌われたんだね」


それから湊ちゃんは泣き始めた。

嗚咽を漏らし始める。

涙がアスファルトに吸い込まれる。

確かに泣きたくはなるけど。

その立場になったら。


「ねえ。湊ちゃん」

「...はい」

「あくまで私、貴方は確かに考えを改めた方が良いって思うけど」

「...はい」

「...でも分かる。気持ちはとても。私だって許せないもん。強く理解出来る」

「...ですか」

「うん」


私は空を見上げる。

段々と薄暗くなっていく。

私達の気持ちの様だ。

そんな空を見上げてから私は眉を顰めてから拳を握る。


「...私だって先輩の為なら復讐したい」

「...はい」

「でもだからってやり方を同じにしたらその屑女と同じ。...あくまでこっちから手を出したら駄目だね」

「...そうですね」

「しっかり考えないと。...先輩が貴方に何を伝えたかったかを」

「...私は愚かなんですかね?」

「愚かかもね。...だけど利害は一致している。私は...復讐したいし」

「...」


だけど、だけどね。

それはしてはならない。

私はアイスを食べる。

それから湊ちゃんを苦笑しながら見る。


「...屑じゃないよ。...それだったら私も屑だから」

「...はい」

「他にやり方を変えない?」

「...やり方を変える?」

「もしくは考えを変えるとかね」

「それはどういう意味ですか?」

「うん。例えばアイツは地獄に何もしなければ落ちるとか考えるの」

「アハハ。十色お兄ちゃんと同じ考えですね」


私に対してそう言いながらようやっと笑顔になる湊ちゃん。

そんな顔を見ながら私はニッとした。

ようやっと笑顔になってくれた。


「ただね」

「...はい」

「多少の復讐は良いと思う。...例えば嫌がらせを一発だけするとか」

「...ですね」

「ただそれもあくまで犯罪にならない程度にね。例えばその女に恨みつらみの文章を送るとかね」

「そうですね...」

「住所を調べよう。...そして送ろう。私も...あくまで許せない部分はあるから」

「...ですね」


そして私と湊ちゃんは協定を結んだ。

それから私はゴミ箱に空き袋を捨ててから手を叩く。

そうしてから湊ちゃんに向く。


「湊ちゃん。それはそうと用事があったんじゃ?」

「そうですね。...ソースとか買います」

「もし良かったらだけどこの後、私の家で作戦会議しない?」

「...え?でもご迷惑じゃ」

「良いの良いの。汚いけどね。部屋が」

「...じゃあご迷惑じゃなかったらお邪魔したいです」

「いらっしゃいな」


湊ちゃんはそのまま買い物をした。

それから私の家に付いて来る。

因みにその中で...だが。

私の家族の事も紹介してあげよう。

ストーカーに殺されてしまった母親の事を。



私の部屋に申し訳なさそうに入って来る湊ちゃん。

マンションの部屋を借りている。

整理整頓している部屋を見てから湊ちゃんは目を丸くしていた。


「何だか服装からは想像できない感じのお部屋ですね」

「...そうでしょ?まあでも女子ってこんな感じだよ」

「ですか...」

「はい。じゃあ座って。因みに買ったものは全部、冷蔵庫に入れて」


湊ちゃんは私を見ながらおどおどしながらそのまま冷蔵庫に荷物を仕舞う。

それから私に促されてから椅子に腰掛ける。

そして私もリビングで湊ちゃんの対面に腰掛ける。

すると早速な感じで湊ちゃんが聞いてくる。


「...どうして貴方も復讐したいのですか?」

「私?私は簡単だよ。...母親をストーカーに殺されているの」

「...え...」


そして私は深刻そうな顔をする。

それから私は湊ちゃんに苦笑を浮かべて立ち上がる。

お茶を淹れないと。


「...だからお1人暮らしなんですね」

「まあそういう部分も有るかな。そのせいで一家離散したし」

「...」


湊ちゃんは深刻そうな顔をする。

それから考えていた。

私はその顔に笑顔で声を掛ける。

そんなに深刻に捉えてくれるなんてね。

私もまだまだだな。

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