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彼女を寝取られた俺が幸せになる、その日  作者: アキノリ@pokkey11.1
第一章 ありえないんだが。
1/16

1、18歳になりました

俺の名前は湘南十色しょうなんといろという。

名前からして幸福そうな多重の色と思える。

だけど実際は物凄く不幸な人間である。


正直、不幸過ぎて...不幸だ。

つまり不幸だ。

社畜も不幸だがまさか婚約を約束していた女が寝取られるとはもっと不幸だ。

誰が思っただろうこんな結末を。



黒髪の短髪。

黒縁眼鏡。

サラリーマンとして働いている俺は彼女にプロポーズしようと思っていた。


だけどその可愛い彼女が誰かに寝取られた。

25歳にして初めての彼女だったのに絶望を味わった。


何故それが分かったかと言えば浮気のメッセージ。

それからラブホに行っている様子があったから。

まさか3年付き合った彼女にこんな目に遭わされるとは思わなかった。


俺は絶望してからアパートに帰る。

真っ暗な部屋に1人。

当然なのか俺はずっと泣いていた。


「...」


クソッタレと思う。

だけどどうしようもない。

今日はやけ酒だな。

そう思いながら俺はビールを飲む為に冷蔵庫を開ける。

それからビールでやけ酒をしようと思った時。


スマホがピコンと鳴った。

身体が過剰に反応する。

そしてメッセージが来た。

それは...母親からだ...ああ良かった。

上司じゃなかった。


(湊ちゃんが10年ぶりに会いたいそうだよ)


そんな感じで書かれていた。

俺は目を丸くしてから才羽湊さいばみなとを思い出す。

それは...近所のクソガキ...当時8歳の。

所謂、女児というやつだ。

しかし何でまた。


(いきなりだな。約10年ぶりだぞ)

(そうね。アンタが高校受験の為に家を出て以来ね。実は外国に転勤した才羽さんが戻って来たの。それで湊ちゃんも戻って来たわ)

(へぇ。彼氏とか居るのかな)

(知らないわ。だけど...何だか本当に見た目が変わり過ぎているわよ。...淑女っていうか)

(そんな馬鹿な。俺を雑に扱うクソガキだったぞ)

(いやいや。見た目は凄い美人よ。本気で凄いからアンタ驚くわよ)


うーぬ。

10年で人って変わるのかな。

そう思いながら俺は缶ビールを開ける。

それから一気飲みした。

そして赤くなってからぷはっと息を吐く。


(とにかく。湊ちゃんが会いたいそうだから)

(分かったよ。んでどうしたら良い)

(アンタのアパートの自宅に行くわ)

(オイ待て。どうなっている)

(アンタの家の住所を教えたのよ。そしたら直ぐに行きたいって。明日でも行くわ)


何で教えるんだよ。

思いながら俺は青ざめながら周りを見渡す。

ありえない。

明日も仕事だから1日で部屋が片付くとは思えない。

どうしたら良い。


(待ってくれ。母さん。冗談だろ。明日で片付く様な部屋じゃない)

(知らないわよそんなの。貴方が悪いんでしょ)

(何で明日にした。俺は明日も仕事だ)

(明日は日曜日でしょ。アンタちゃんと会社からお休み貰ってる?)

(ま、まあ)


日曜でも働くと思うんだが普通。

週6日勤務って当たり前だろ。

有給無しの。


え?違う?

そんな馬鹿な。

俺の感覚がおかしいのか?

ってかまあそれは置いてから。


(待て。母さん。とにかく明日は無理だ。色々仕事とかあるし)

(待てないわよ。明日にはもう湊ちゃん行くわよ)

(何とかして止めろ)

(良いじゃない。先に上がらせてもらったら。それとも部屋に...)

(それ以上は言うな。分かったから)


何でよりにもよって。

そう思いながら俺は部屋を見渡す。

そして部屋を徹夜で片付けようとしたのだが。

その前に疲れがきた。


クソ。

ビールのせいだ。

それから俺はそのまま深く寝てしまった。



翌日の7時に目が覚めた。

それから俺は時間を見て慌てて着替えてからスーツに立ち上がる。

そして俺は革靴を履いてから表に出る。

電車に乗ってからそのまま会社に来...ん?

何か忘れてないか俺。


それから俺は会社で上司に怒鳴られてからそのまま業務を始める。

だけど滅茶苦茶に頭がフラフラする。

えっと昨日は何があったっけ。

思いながら何か重大な事を忘れている様になりながら業務に励む。


そして俺は昼にコンビニ弁当を食ってから17時に帰宅した。

今日は珍しく早く帰れた。

よし。家に帰ったらお酒だ、お酒タイムだ。

コンビニ弁当を食べてだ。

唯一の俺の楽しみ。


思いながら俺は疲れながらアパートのど...あれ?

鍵が開いている。

そんな馬鹿な...幾ら寝ぼけていたからってそんな事が!

一日家が開いていたのか!

そして俺は慌てて部屋に入る。


「あ。お帰りなさい。お兄ちゃん」

「あ、ああ。お、おか...お前誰だァ!!!!!」


目の前を見ると究極と言っても過言ではない美少女が居た。

滅茶苦茶可愛い高校の制服を着ている美少女。

茶色の長髪でクリッとした目。


そしてまつ毛が長く、お淑やかな感じの淑女。

だけどそれに似つかわしくない腕のバンド。

それ見て...俺はゾッとして察した。

ワナワナと震えて驚愕する。


「お、おま、えは。まさか...」

「才羽湊だよ」

「嘘だ。お前!!!!?滅茶苦茶可愛...」


すると湊は俺を抱き締めて来た。

それから俺の香りをすんすんと嗅ぐ。

俺は赤面してぶるっと震える。

何をしている!


「エヘヘ。変わって無いね。お兄ちゃん。とーっても良い香り」

「は、離れて...離れてくれ!?」


湊はぷくっと頬を膨らませる。

それから俺から離れた。

そしてニコッとする。


「10年間。淑女として約束守ったよ」

「...な、何の約束?」

「お兄ちゃんと結婚する約束。10年経ちました。18歳になったから。私、誰とも付き合ってない」

「...な!?」

「約束通り結婚して下さい」


目玉が飛び出そうになる。

そ、そんな約束したか...俺!?

そして俺は考え込む。

だけど思い出せなかった...ってか考えられる状況じゃない。

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