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29話 カエデさんの目、いやらしい~

 俺は料理を確保して席に戻ってきた。


「こ、これは……!?」


 俺は目を疑った。


「あ、カエデさんが帰ってきたよーっ」


「もう少し待っててくれれば、私たちが取ってきたのに」


「たくさん取ったねえ。この町の名物を堪能してくれると嬉しいな!」


 この席には、ユーリと猫まるしかいなかったはず。

 だがいつの間にか、何人もの少女たちが座っていたのだ。

 しかも、全員が可愛い、もしくは美しい少女たちである。


「カエデ。遅かったではないか」


 ユーリがそう言う。


「悪い悪い。おいしそうな料理が多くて、ついな」


 と、言いながら、俺の視線はどうしても少女の方に行ってしまう。

 それというのも……。

 彼女たちはみんな水着姿なのだ。

 谷間や太ももがあらわになっている。


「きゃっ! カエデさんの目、いやらしい~」


「女の子が好きって、ホントなんだ~」


「私はノーマルだけど、カエデちゃんならそういうことをしてもいいかも……」


「わたしは実は女の子同士に興味がある。カエデさんとだったら……アリだと思う」


「あたしは男も女もどっちでもイケるんだよねー」


 少女たちが口々にそう言う。

 村長が言っていた通り、町の可愛い少女たちを集めてくれたようだな。

 その上、趣味嗜好も同性愛に理解を示している者ばかりのようだ。

 この短時間で、彼もなかなかやりおる。


「おう。後で楽しませてくれよ。それよりも、今は料理を堪能させてもらおう。なあ? 猫まる、ユーリ」


「にゃあ」


「そうじゃの。いただくとするかの」


 猫まるとユーリが、俺の用意した皿を見つめる。


「では、いただきます!」


「「「「「いっただっきまああぁ~っす!!」」」」」


 こうして、宴が始まったのであった。


「うむ。このエビマヨというものはうまいのう!」


 ユーリがそう言ってモグモグする。


「ほんとか? それはよかった」


「我は海老が好物での。このプリッとした食感が何ともいえぬ」


「そうなのか。世界樹の精霊なのに」


 エビを食べる機会なんてほとんどないだろ。

 まあ、長い年月を生きているようだし、たまに食べることもあったのだろうが。


「にゃあん」


「猫まるちゃんはカツオ節が好きなんだね~」


「それにしても、すっごく大きい猫ちゃんね。人にも懐いているし……」


「モフモフ~」


 猫まるは、少女たちから人気のようだ。


「猫ちゃん、抱っこしたいです!」


「私もいいですか?」


 少女たちが猫まる自身と、俺に対してそう問いかける。

 猫の可愛さに対する人々の愛情は、どの世界でも共通なんだなあ。

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