12/94
12話 朝チュン
チュンチュン。
朝になった。
昨晩は大いに盛り上がった。
ルウも次第に慣れてきて、みんなノリノリで楽しめたと思う。
ユーリが用意したおもちゃの数々にも驚いた。
あれは一体どこで手に入れたんだろうか。
……まあいい。
それはともかくとして。
「さあ。帰るか」
「そうじゃの」
「もう帰ってしまうのですか? もう少しゆっくりしてくださっても……」
ルウが俺たちを引き止める。
「そうしたいのは山々なんだが、いつまでもここにいるわけにはいかないんでね」
「確かにそうですよね……。でも、また会いに来てくださいますか?」
「もちろんだ。近いうちに必ず来る」
「はい! 楽しみにしてます!」
ルウが笑顔を見せる。
「それじゃあ、またな」
「失礼するのじゃ」
「はい。お気をつけて」
ルウに見送られて、俺とユーリは来客用の家を出る。
そして、村長らにも別れを告げ、町への帰路につくのだった。