ナルちゃん
10日の停学処分後、俺は委員長や陽キャ、真島、有島からのいじめの対象となっていた。
でも俺は彼らのいじめについて告発するつもりはない。
久々に僕らは僕の部屋で過ごしていた。
『なあ、鹿島、もう・・・。』
『いいんだ、ナルちゃん。彼らにも鬱憤を晴らす場所が必要なんだ。』
『だからって!なんで、キミはそんなにあいつらの肩を持つんだ??』
『いや、だってさ。あいつらは僕の大切な友達だったんだ。いつか、このいじめが終わったらまた笑いあえるよ。』
『その前に、、その前に鹿島が死んじゃうよ!』
『・・・そうなったらそれも僕の運命かな?』
『そんなのボクが許さないよ。』
ナルちゃんは強く僕を抱き寄せる。
『そうなったら、ボクはキミを殺した人を殺してしまうかもしれない。』
『はは、冗談だよ。いくらなんでもナルちゃんを残して死ぬわけにはいかないさ。』
『鹿島・・・。』
ナルちゃんと僕は見つめ合い、そして少しだけ大人なキスをした。
そもそも有島に告白した僕のことを好いているナルちゃんは、なぜ僕のことを好いてくれたのだろうか。
『ねえ、ナルちゃん。どうして僕なんかを・・・・。』
『うん?』
『いや、なんでもない。』
いじめを境に急激に距離が縮まったような気がするのは、気のせいだろうか?
ナルちゃんはそんな不安を包むように僕に覆い被さってきた。
『鹿島・・・・僕はキミがいなきゃ・・・・だめなんだ。』
『うん、ナルちゃん。』
『だから、いじめで、いじめで死のうなんて思わないでね。』
『死なないさ。ナルちゃんがいるもの。』
どうでも良くなる。
僕らはお互いのやらかい部分に埋もれていった。
そんな感じだから、僕は日々いじめを受けていたとしても夜がくればナルちゃんを感じることができるから、陽キャも委員長も有島も真島のいじめも耐え切れた。
こういったいじめられっ子が動じない場合どうなるか。
つまらなくていじめの対象から外れるか。
それか、もっと強くやって反応を引き出したいと思うか。
残念ながら僕の場合は後者だったみたいだ。