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29話 乳搾り体験

 レーヌ農場に到着した3人、事務所らしき建物の奥に畜舎があり、そこよりオーバーオール姿で乾草を運ぶ女性の姿があった。

 胸が大きくて角がある、牛人族っぽいな。


「あのーすみませーん!」

「ん?あぁいらっしゃい、何用かな?」

「モウの乳を買いに来たのと、乳搾り体験が出来ると聞いて来たんですけど、大丈夫でしょうか?」

「なるほど、今は乳搾り体験者はいないから大丈夫だぞ。それならば乳搾りで搾った乳を処理してから渡そうじゃないか」

「良いんですか!?ありがとうございます!」


 自分達で搾った乳を必要処理した後に持ち帰れるんだな、前世でも乳搾り後に搾りたて牛乳を持ち帰れたりするんだろうか?


「それでは私は準備をしてくるから、事務所に行って手続きをしてきて貰えるか?」

「分かりました」


 俺達が事務所に向かおうとすると


「おっと、そう言えば名乗るのを忘れていた。私はレーヌ農場代表のイレーヌだ、よろしく頼むぞ」

「代表だったんですね!俺はコウガ、狼人族がカエデでドラゴン族がメイランです。よろしくお願いします!」

「手続きが終わり次第案内されるから、それに従ってくれ」

「はい!」


 事務所に向かうと事務職員がこちらに気付き対応してくれた。

 名前は名札を見るとクレアと書いていた。


「いらっしゃいませ」

「乳搾り体験の受付をお願いします」

「分かりました、こちらの用紙に御記入をお願いします」


 用紙に記入が終わり、クレアさんの案内に従って更衣室でオーバーオールに着替える。

 そして乳搾りを行える区画があると言うので案内してもらった。


「来たな、3人は乳搾りは初めてか?」

「俺は初めてですね、2人は?」

「私も初めてだよ!」

「私もね」

「3人共初めてだな、なら搾り方の手本を見せるから良く見ててくれ。おーいオーライン!モウを連れて来てくれ!」


 イレーヌさんが声を掛けると、職員であろう男オーラインさんがモウを引き連れてやって来た、この人は普通の人族だな。


「お待たせしました、全く人使いが荒いなぁイレーヌ」

「何を言う?私は客人の相手、お前は準備、別に変ではないだろう、それに使う備品を用意したのは私だ、文句言われる筋合いはないぞ」

「こっちだって、やる事を別のヤツに任せてこっちに来てるんだぞ」


 あーやこーや言い合っている2人、俺達3人は顔を近付け小声で話す。


「あの2人、仲悪いのかな?」

「さ、さぁ……?喧嘩する程仲が良いっていうが……」

「あれはどうなのかしらね?」


 コソコソ話していると、俺達の案内をしてくれたクレアさんが会話が聞こえたのか介入してきた。


「あの2人……実は夫婦なのです、ついこの間結婚致しまして」

「そ、そうなのか!?あれで……?」


 未だに2人は言い合っている、どう見ても意見が食い違いまくって対立してるけど。


「仕事になるといつもこうなんです、いつもの事なんで気にしないでくださいな、仕事が終わればあの2人はかなりのラブラブなので……!おっと喋りすぎましたね」


 何かに気付いて口に手を当ててうふふと笑うクレアさん、振り返るとクレアさんの声が聞こえたのだろう、2人は顔を真っ赤にしてこちらを睨んでいた。


「ク〜レ〜ア〜?」

「んー?私ピンチ?お客様、ここは任せましたぁぁぁぁ!」


 ピューーって効果音が聞こえてきそうなクレアさんの逃げっぷり、仕事上しっかりしていた雰囲気だったが、素が出るとクレアさんってなかなか面白い人だな。

 てかそんな事言ってる場合じゃなかった!


「ちょクレアさん!?」

「今の忘れろ!ラブラブじゃないからな!?忘れろぉぉぉぉ!!」


 俺の肩を掴みブンブン振り回された、マジで記憶飛びそうなくらい力強く。


「うおぉうおぅおぅおぅ、首が!首が飛ぶぅぅぅぅ!!」

「あわわわ!ご主人様ぁぁぁぁ!」


 カエデとメイランがイレーヌさんを止めてくれたので意識と首が飛ぶのを免れた、シヌカトオモッタ。



 数分後、落ち着いたのかイレーヌさんから謝ってきた。


「すまない……少々荒ぶってしまった」

「い、いえ……大丈夫です」

「気を改めて、乳搾りを始めようか。まずは私が手本を見せるから、よく見ておいてくれ」


 イレーヌさんがモウの乳頭に親指と人差し指をリングにして根元から押さえた、そして中指、薬指、小指と順番に握り締めていくとミルクが勢いよく噴出された、噴出されたミルクは専用容器に入っていく。


「「おおお!」」


 俺とカエデが興奮気味に乳搾りの様子を眺める。


「コツは根元をしっかり親指と人差し指で押さえる事、そして中指、薬指、小指と順番に握り締めていく事だ。根元をしっかり押さえないと乳が逆流して出ない上に痛がるから気を付けてくれ。やってみな」

「じゃまず誰からやる?」

「はい!はい!私やる!!」


 我先にと元気に手を挙げたカエデ、モウに近づいてしゃがんで乳頭に触れる。


「ふぁ……少しコリっとしてる」

「ふふ、自分の乳〇みたいだろう?」

「えっ!?」

「ぶっ!!」


 傍で見ていた俺が盛大に吹き出してしまう、カエデも顔が真っ赤になっていた。

 確かにモウの乳〇だけど!人と比べちゃいかんでしょ!


「あははは!冗談だってば!ウブだねぇ」

「うぅぅ……」


 カエデは心を落ち着かせてから、イレーヌさんに言われたコツ通りにやってみるとミルクが出てくる、しかし少し出が悪そうだ。


「少し根元を押さえる力が足りないみたいだね、もう少しだけ強めにやってみな」

「は、はい!」


 さっきより少し強めに親指と人差し指に力を入れて握り締めると勢いよくミルクが噴出するが、角度が少しズレてしまい太ももにミルクがかかってしまう。

 太ももに白いミルク……ゴクリ。


「あっ!生暖かい……」

「最初によくあることさ!でも搾り自体は上手く出来たじゃないか。次は角度に気を付けてやってみな」

「はい!」


 再挑戦すると見事に容器に勢いよくミルクが入っていく。


「出来た!ご主人様見て見て出来たよ!」

「あぁ、上手く出来て良かったな」

「うん!」


 1つの容器を満タンにしたカエデは満足したみたいだ、俺と交代する。


「次はコウガくんだな、さっきコツを教えた通りやってみな」

「はい」


 モウの乳頭に手を添えて教えてもらったように触れてみる、確かにコリっとしているな。


「ここの根元をしっかり押さえてから、順番に握っていくっと」


 するとビューッと勢いよくミルクが噴出し容器に入っていく。

 力加減は試しながら調整しようと思っていたが一発目から上手くいったようだ、流石DEXがA+なだけある。


「お、上手いじゃないか。力加減すら完璧だぞ」

「DEXがA+ありますし、自分は器用なのが取り柄ですから」

「なるほど、DEXがA+ならその器用さも頷ける」


 それ程時間をかけずに容器を満タンにした俺はメイランと交代する。


「最後に私ね」

「頑張ってメイランちゃん!」

「えぇ、DEX低いんだけど大丈夫かしら……?」

「私も低いから大丈夫だよ!」


 メイランも同じように搾ろうとするが上手くいかない、少し力が強かったのかモウが少し痛がった。


「あぁごめんなさい!大丈夫かしら……?」

「大丈夫大丈夫、もう少し優しくしてあげたら出るよ」

「分かりました」


 力を緩め、搾ってみるとカエデの時と同じようなミルクの出方だった為、根元の押さえる力を少しだけ強めて搾ると上手くミルクが噴出してきた。


「出来た……!良かったわ」

「メイランちゃんやったね!どんどん入れちゃお!」

「えぇ!」


 楽しくなってきたのか同じ力加減でテンポ良く搾っていく、そして容器3つ分乳搾りして体験はここで終了だ。


「みんなが搾ったやつを処理してから渡すから、この敷地内でのんびりしててくれ。40分~50分くらいで出来上がるから、それくらいの時間で事務所に来て欲しい」

「分かりました」

「じゃ、また後で」


 イレーヌさんが容器3つ持って歩き出す、凄い力持ちだな……

 20分くらい放牧中のモウを眺めてから事務所に向かい、先程逃げたクレアさんと少しお話をしていると、モウ乳が出来上がったとイレーヌさんが持ってきてくれた。

 イレーヌさんがクレアさんに恨みを晴らそうとするがスタコラサッサと逃げてしまったクレアさん、やっぱりクレアさん面白い。

 イレーヌさんを宥めつつ、モウ乳のお代を手渡す。


「この乳を何に使うんだ?」

「普段飲む用と料理に使おうかなと」

「なるほどな、自分で搾ったやつだからな、美味しくなるはずだぞ」

「楽しみにしてます。今日はありがとうございました!」

「あぁ、また来てくれよ」

「はい!」


 俺達はレーヌ農場を後にした。

 乳搾りした後ではあるが、それ程疲れもなく元気だ。


「これでご主人様の世界のハンバーグってやつが食べられるね!」

「そうね、楽しみだわ。帰ったらすぐ支度するのかしら?」

「あぁ、帰ったら仕込みやるぞ!」

「わーい!早く帰ろ!」


 この後の楽しみである晩御飯に、心躍らせるカエデとメイランであった。

カクヨムと重複投稿です

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