◆ 戦機とは ◆
戦機とは【コア・ジョイントシステム】を有する10メートルサイズの戦闘兵器を指す。
※コア・ジョイントシステム ※
エレメコアなる動力炉を内封する個所を起点とし、様々なパーツを連結し、人型戦闘兵器として運用するシステム。
通常はコアを胸部に設定する場合が多い。
このシステムの利点はコアさえ無事であるなら、破損したパーツを交換するだけで戦場に復帰できるという事が上げられる。
各パーツの接続部分の規格は各企業で同一化されているため、資金に余裕があるのであればミキシングが可能。
そのため、好みに応じて様々なバリエーション機が誕生することになった。
デメリットしては、このシステムのため内部フレームというものが存在せず、各パーツが重いため基本的に機体は重くなる傾向にある、というもの。
したがって、軽量化を果たした機体は脆い、というジレンマを抱え込むことになった。
※戦機の使用エネルギー ※
光素を使用する。
光素は生命体にて多く生産されるエネルギーであり、人間の生命活動も支えている重要なエネルギーである。
それらは大気中に多く溢れており、理由としては植物が生産し放出しているから、という説が濃厚だ。
この光素を自動で取り入れ動力源とするのが、エレメタルという金属を内封したエンジンを搭載したエレメコアになる。
自然回復を待つ場合、一般的な戦機の場合は四時間程度の待機時間が必要になる。
また、別途プロペラントタンクに貯蔵した光素をコアパーツに連結させることにより、活動時間の延長をおこなうことも可能。
※コクピット ※
戦機のコアパーツの規格にもよるが、基本的に畳一畳分の広さに収められている。
座席を中心として各種システムをコンパクトに纏めてある。
また、オプションシステムなどの取り付けも容易にできるように、と各企業はコクピット周りも同一規格化しており、そのため町工場での追加変更も気軽におこなえる。
戦機のカメラアイから得た情報をCG化し、前方、左右のスクリーン画面に映像を映し出すモニター方式を採用しているが、中には頭部をコアパーツ化し、外装を強化ガラスにして目視での情報取得を成す機体も極一部だが存在する。
操縦にはスティックタイプ操縦桿と、ボールタイプの操縦桿が存在する。
スティックタイプは完全マニュアルタイプとなり、それ相応の技術がなければ戦機の性能を発揮できない。
ボールタイプは【ダイレクト・スピリチュアル・フィードバックシステム】を搭載しており、このシステムを使用しての半オート操縦を可能としている。
ただし、この操縦システムは開発されたばかりなので、そこまで普及していない。
【エルティナ専用アインリール】は、旧式に近いスティックタイプの操縦システムだが、魔力コードを用いてパイロットと連結するため、ボールタイプのように自分の身体を動かす感覚で戦機を操ることができる。
だが、メリットばかりではなく、この方式は通常よりも多くの光素を消費することが判明しているようだ。
※頭部パーツ ※
基本的に外部の情報を取得するためのカメラ群が納められたパーツ。
戦機の顔ともいえるパーツであるため、性能よりも見た目を重視する戦機乗りが多い。
そのため、頭部パーツ専門開発企業が数多く誕生しており、様々な頭部パーツが開発販売されるに至った。
※腕部パーツ ※
基本的に人間が取れる行動の可動範囲を実現している物が多い。
中にはその規格を無視した物もあるが、耐久性は低くなっている。
また、腕自体を武装化しているパーツも存在し、エネルギー兵器の場合、エレメコアから直接エネルギー供給を受けるため高威力となることが上げられる。
ただし、両腕を武器腕に換装した場合、転倒した際には機体を浮かび上がらせることができる出力のスラスターと、それに見合うエレメコアがないと自力で起き上がることが難しい。
※手部パーツ ※
手部パーツも頭部パーツ同様に人気のあるパーツだ。
人間同様の五指、本数を減らし耐久力を高めた三本指、指自体を廃しトングの要領で物を掴むことだけできる二本指タイプもある。
極端な例として、手を廃し代わりにドリルを取り付けている者もいる。
携帯兵器を主武装とする戦機の運用の事情から、特に手部パーツにこだわる者は多い。
そのため、各企業は日夜、耐久性と反応速度の向上に努めている。
また、よく破損する個所なので、コストダウンや生産性の向上が利益に繋がる、と認識されているようだ。
※ 胸部パーツ ※
エレメコアとコクピットが設置される場合が多いパーツ。
そのため非常に頑強な作りにされる場合が多い。
基本的に男性の胸部を模したパーツが多いが、中には女性のような外観のパーツも存在する。
それらは乳房に当たる部分をプロペラントタンク化した物が多いが、その分装甲が脆弱になるので操縦技術が高い戦機乗りでなければ万が一の可能性も否定できない。
コア・ジョイントシステムの関係上、この部分さえ無事であるならば問題無し、と考える戦機乗りが大半である。
※ 腰部パーツ ※
二足歩行をおこなう戦機の重要パーツ。これがないと自走もままならない。
股関節を護る装甲を厚くした物が多いが、機体重量を軽減するために敢えて取り外しているパーツも数多く出回っている。
やはり、自分の技量との相談になるパーツ群であり、種類も数多く出回っている。
近年は【スカート型】と呼称される女性用のスカートを模した胸部も出回り始めている。
この装甲の内側にスラスターを設けて機動力を増加させる機構が戦機乗りたちに評判がいいらしいが、女性の外観を持つパーツで纏めた場合、見た目がいい、というだけで採用している戦機乗りも多分に存在しているもよう。
※ 脚部パーツ ※
標準型、軽量型、重量型という三種類の他、車輪タイプ、無限軌道タイプが存在する。
標準型は安価でオプションパーツが取り付けやすい反面、突出した能力がない。
軽量型はパーツ重量を抑え、快適な運動性能を持つが、装甲を削った分、打たれ弱さが露呈しているため、熟練者向けのパーツとなっている。
また、オプションパーツの取り付け個所が少なく、スラスターの増設に限りが生じる。
重量型は装甲を厚くし、とにかく破損することを防ぐことに特化したパーツとなる。
主に初心者や足を止めての撃ち合いを得意とする戦機乗りに愛用されるパーツだ。
オプションパーツを取り付けれる個所が多く、積載量もトップクラスだが鈍重。
また運用するためにはエレメコアの出力も重要になってくる。
車輪タイプは三輪、または四輪から選択。
平地での安定した移動や射撃時の安定が売りとなっている。
しかし、平地以外での行動に支障をきたす場合が多く、汎用性は皆無である。
非常に安価であるため、駆け出しの戦機乗りが渋々選択するパーツの一つ。
最も光素の消費量が少ない脚部パーツ。
無限軌道タイプは、そのキャタピラから多少の荒れ地も物ともしない走破性を持つ。
また、非常に頑丈であり機体の頭高も低くなるため被弾率も低下する。
光素の消費量も少ないのも特徴の一つだ。
デメリットとしては、無限軌道が破損すると身動き一つ取れ無くなってしまう事。
無限軌道の重量があり過ぎてスラスターが役に立たないこと、が上げられる。
近年では多脚型、ホバー型、脚部に大型のスラスターを搭載し飛行を試みるタイプも開発されているもよう。
※ 背部パーツ ※
基本的にオプションパーツを取り付ける個所。
選択方式制であり携帯武器のマウントラックや、スラスター集合体ユニット、キャノンバックパックといったパーツを装備することができる。
基本的に有っても無くても問題にならない個所であるため、資金に余裕ができてきた頃合いにパーツを取り付ける傾向にある。
しかし、有ると無いとでは性能と運用方法が大きく変わるため、無理をして購入する先見の明を持つ戦機乗りもいるもよう。
非常に多種多様のパーツが存在しており、中には居住スペースを設けたバックパックも販売されている。
また、背部オプションパーツを専門に開発販売をおこなう企業も多数。
これらのパーツの集合体を【戦機】と呼称し、それに乗る者たちを【戦機乗り】と呼んだ。
世界初の戦機は新歴77年にマグス社が開発したTAS‐001‐ボングとなる。
※ ランク ※
コアパーツに使用された金属でランク分けすることになっている。
青銅、鉄、スチール、ミスリル【銀、金、もこれに含まれる】と続き、ミスリルを上回る希少金属を用いた機体をゴッズと呼称する。
しかし、戦機の場合はミキシングが可能であり、青銅ランクのコアパーツにミスリルランクの手足という事も可能である。
したがって、純粋なランク分けは難しいものがあり、純正パーツのみで構成された戦機を推し量る程度に留まっている。
戦機の販売価格は本体のみで一億ゴドルから。
ただし、中古品はこの限りではない。
新人はまず、中古戦機からのスタートとなる場合が多いのも頷ける。
また、スクラップ品を用いて、一から戦機を作り出す猛者もいるようだ。