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びだあとのぼうけん 破-滂沱

白山脈の西山麓、清らかな小川の辺りで1人の男が苔むした岩に腰掛け、清涼な音でせせらぐ川を見つめていた。


男は初老であったが、見た目は若々しく30代後半にしか見えない。


焦茶の髪、焦茶の瞳、肌は乳白色のシメーリア人。

年嵩はあるもの端正な顔立ちで、穏やかな気質が顔付きまで現れた中年の優男。


若かりし頃はさぞ女性を虜にしたであろう見目であった。

歳を経ても尚、歳上を好む女性には人気があるだろう事も窺える。


森渡りのリンレイは憂いげな表情で川面を見つめていた。


考えるのは死んでしまった養子のシンカの事だ。

いや、リンレイ自身は彼を養子だなどとは思っていない。

実の息子、娘と同じく思っている。


最近のリンレイは、シンカとの思い出をつらつらと思い出す日々を送っていた。


子が死んで塞ぎ込まない親など存在しない。

子を亡くして何も感じないのは、最早親ではない。

リンレイの考え方だ。


シンカが生まれた時の事を、リンレイは今もはっきりと覚えている。


リンレイの姉、リンシアはお産を手伝おうとするリンレイに水行法を放ち、部屋に入らせようとしなかった。

出産の苦しみの中で、夫のシンラには仔犬の様な甘ったれた声を上げ、たった1人の肉親であるリンレイは邪険に扱ったのだ。


女性の出産時には、余りの苦しみに予期しなかった言動がなされる事があるものだが、2人寄り添って生きてきたリンレイは悲しみを覚えたものだ。


そうして2刻程でシンカは産まれた。

平均的な体重で、元気に泣いた。

暫くして見せられた産まれたばかりの男の子の記憶は、何人子供をこさえても消える事はない。


姉のリンシアと夫のシンラは2人で完結した夫婦だった。

多少の交流はあったが、あまり他人と触れ合う事なくシンカを育てていた。


過保護だったのだろう。


リンシアの肉親はリンレイだけ。そのリンレイもリクファと婚姻し、既にリンファが産まれていた。


初めての子育ては大変だ。

何もかも手探りで、リンレイも姉夫婦にかまける時間は殆どなかった。


気が付けばたった1人の甥っ子とは、同じ里に住んでいるにも関わらず、年に一度か二度しか顔を合わせる事もなくあの日が来た。


リンファが6歳になったばかりの事だった。

当時23歳だったリンレイは5老に呼び出された。

1月で帰ると里を出た姉夫婦が戻って来ないと。

予定を既に1月超過しているが、何か聞いていないか、と。


寝耳に水だった。


里を出た事すらも知らなかった。


5老は直ぐに予定地の白山脈中央部、リュギルのケルマリオやケルレスカン近隣を捜索させる様に伝達を行った。


そこでリンレイははたと気付く。


己の甥っ子は何処にいるのか、と。


急ぎ姉夫婦の家に向かったリンレイは、駆け込んだ家の中で1人で腕立て伏せをする5歳の子供の姿を見つけた。


立ち尽くし、阿呆の様に口を開いたままその姿を見つめた。


シンカは腕立て伏せをしながらちょこんとリンレイに頭を下げ、そのまま動き続けた。


姉夫婦が里を出てから2月。


この子はこの寂しい家で、1人で鍛錬を行い、1人で過ごしてきたのだ。


呪いだ。これは呪いだ!


リンレイはそう思わずにはいられなかった。


姉夫婦はシンカに森に呑まれない強い人物に育って欲しかったのだろう。


2人には確かにシンカに対する愛があった。


だが、家族を失い寂しい幼少期を送って来たシンラとリンシアは、シンカを強く逞しく育てる事に執着するあまり、シンカに温もりを与えてこなかったに違いない。


気付けばリンレイは涙を流してシンカに駆け寄り、抱き締めていた。


もっと早くにこうするべきだったのだ。


忙しさや他所の夫婦への忖度など、そんな物は早くに捨て去るべきだったのだ。


「……君のお父さんとお母さん…。僕の義兄さんと姉さんが…帰って来ないんだ…」


シンカはじっと立ち尽くしていた。

そこにどんな感情があるのか、無表情から読み取る事はできなかった。


自分の長女とは真逆だった。

リンファはわがままで、口数が多くて、だが利発で明るくて。


同じ子供なのかと疑問に思うほど静かで暗かった。


「…僕と一緒に住もう…シンカ…」


5歳の子供を置いて1月もの外出を計画すること自体異常だが、予定を1月超過して音信がない事を考えると、彼等は森に呑まれてしまったのだろう。


リンレイは肩を振るわせながらシンカを抱きしめ続けた。

この憐れな幼子への同情と、苦楽を共にした姉の死に涙した。


リンレイはそのままシンカの手を引いて自分の家に彼を連れて行った。


初めは不安のあった同居生活だったが、思いの他好調だった。


シンカが真面目で大人しく、また大人びた子供だったと言う面は大きい。


それに加えて娘のリンファが何かとシンカを構った事で、早くにリン家に慣れる事ができたという側面もあるだろう。


リンレイは娘の事が誇らしかった。


1人目の妻のリクファも、不器用なりにシンカを受け入れようと努力している事がリンレイには分かっていた。


彼女が思いの丈をリンレイに語った事はないが、悩んだ挙句娘と同じ扱いをシンカにする事で、彼女は気持ちを表現しようとしていた。


そしてリンレイが見る限りでは、それは上手く行ったように思えた。


軈てリクファは娘達と同じ様に、分け隔てなくシンカを愛する様になった。

意識せず、自然に。


それはお互いの歩み寄りの元だったろう。


シンカも新しい家族の元自分が受け入れられる様懸命に努力をした。

気を使い、手伝いをし、その居場所を勝ち取った。


リクファも努めて平等に扱い、その中で必要な気を払っていた。


2人目の妻のセンコウは、気難しい女だった。

普段は表に出さないが、神経質で執念深い面もある。


一見すると明るく大らかだが、内心は現実的で心の壁が高く厚く、しかし表面上はお首にも出さない気難しさがある。


人との距離感を大切にし、深く踏み込まず、踏み込ませずと言う所があるが、一度受け入れると甲斐甲斐しく親切で尽くす所がある。


そんなセンコウともシンカは上手く関係を作った。


それどころか、当時六頭に任命されたばかりで忙しくしていたリンレイが気付けなかった、センコウの子育てに関する負担を軽減してくれた。


人に弱味を見せたがらないセンコウだが、後々当時の事を振り返り、リンレイだけには気持ちを語った。


1人で全てを完璧に熟さねば、という先入観で誰にも頼れず、一時期は乳飲子のリンスイを抱いて千穴壁から飛び降りれば、気持ちも楽になるのではと考えたと。


それを聞いたリンレイは肝を冷やした。


だが、さり気なくシンカに手伝われて、それを見たリンファも手伝う様になり、気持ちも身体も楽になったと。


感謝しているのだと。


センコウは小さな声でそう語った。


シンカは人の気持ちを察知して、押し付けがましくなく寄り添い、様々な物を軽くしてくれる。


そんな所のある子供だった。


3人目の妻クウルは一見すると口が悪く、粗暴とも言える態度でいる事が多い。


敵も作りやすく、好悪がはっきりと分かれる女だ。


そんな彼女ともシンカは仲良くなった。


幼子は表面上の態度で人の好悪を決めてしまう事が多い。


だがシンカは賢く、幼いなりに人の言葉をしっかり反芻しようと努力する子供だった。

一見して感じが悪くとも、何故この人はそんな事を言ったのかをしっかり考える子供だった。


クウルが本当は心優しく、態度は粗くともその人の為になると思って言っている事を聡く感じ取っていた。


沢山産まれた子供達がクウルを苦手に思う事があっても、しっかりと諭し、子供達がクウルを誤解しない様に気を配っていた。


子供達とクウルの良好な関係の礎は、シンカが形作ったと言っても過言ではない。


4人目の妻、カイナにしても同じだ。

カイナとは結婚した頃は既にリンファもシンカも7歳、リンブは3歳、リンスイも2歳だった。


カイナと子供達が上手くやって行けるかは、リンレイにはどうにもできない部分があった。


リンファもリンブも、初めはカイナに近付こうとしなかった。


だがシンカは違った。

恐らく意識的なのだろう。


シンカはカイナを呼び捨て、カイナは生意気なシンカを揶揄い、シンカはそれに抵抗して、歳の離れた姉弟の様な関係を作り上げた。


カイナもそれは自覚していただろう。

シンカに甘える形でリン家に受け入れられる土壌を作ったのだろう。


カイナも産後にシンカに随分と助けられていた。

言葉にはしないが、彼女は未だにシンカに感謝している。


弟としてそれ程にシンカを愛しているのだ。


カイナがリンドウをシンカの妻に推すのは、冗談や娘の世話を焼いているのではない。


彼女は本気だ。


本気でシンカを認めていて、自分と血が繋がって欲しいと考えているのだ。



シャラの場合はカイナと全く逆の対応だった。


5人目の妻として、幼子の母としてやって行けるのか不安だったシャラに、シンカは直様母と呼んだ。


随分と気が安らいだだろう。


シンカに続き、他の子供達も彼女を受け入れていった。


シャラもシンカを信頼している。


育児も随分とシンカは手伝ってくれた。


シャラもシンカを実の弟の様に大切にして、信頼していた。



これらの事全てをリンレイがして来なかった訳ではない。


だが父と子、父と兄という立場の違いは大きかった。


リン家の黎明期は、シンカに支えられて成り立った。

感謝しても仕切れない事である。


リンレイは5歳から18歳までのシンカの成長を見守ってきた。


修行で上手くいかず悔し涙を流す姿


弟妹達を慈しむ姿


弟妹を護って憤る姿


嬉しい事があり喜び笑う姿


彼の成長を実の子と同じ様に見守り、時には支え、導いた。

彼にはそんな物は必要なかったかもしれない。

それだけ才能のある子供だった。


それでもリンレイにとってシンカは、実の子と等しく愛おしく、そして自慢の息子だった。


そのシンカが死んでしまった。


覚悟を決めた、出発前の彼の表情を思い出す。


父親の顔だった。


家族を守る為に覚悟を決めた、男の顔だった。

行ってほしくなどなかった。だが、その覚悟を誰が妨げられようか。


リンレイは熱くなり潤んだ目元を擦る。


そして再び過去に想いを馳せる。


シンカは健康にすくすくと育ち、知識も力も他人を凌駕する勢いで成長した。


真摯に学び、努力を怠らず。

弟妹の世話をし、教え、母達の手伝いをした。


リンファと恋仲になった事を知った時は、素直に嬉しかった。


親の欲目かもしれないが、シンカは実直で、誠実で、強い意志を持ち、自信に満ち、それでもひけらかす事はなく。


そんな立派な青年に育った。


血が近い事に不安はあったが、孫の代で気を付ければ影響も少ない筈。


姉と弟、兄と妹。

どちらがどちらとも言えない対等な関係を2人は築いてきた。


良好で健全な間柄だと感じていた。

シンカになら娘を任せても当然問題無い。


シンカは元来の生真面目さ、誠実さを遺憾なく発揮し、リンファに尽くした。


子供や若者の恋愛は大人から見ればもどかしさを感じる事もある物だが、シンカのそれは文句の付けようがなかった。


見よう見まねなのか、物語を参考にしてか、誰かに助言を受けてかは判らない。


だが、大人の男が妙齢の女性にそうする様に、気を割いていた。


それはリンレイの父としての至らなさを詳らかにする事だが、シンカはもしかすると、必死に自分の居場所を作ろうともがいていたのかもしれない。


リンファと添い遂げる事によって。


家事、育児を手伝い、母や弟妹達と関係を作り、そして最後にリンファと添い遂げる事で、リン家に確固たる居場所を作りたくて。


シンカは実の父と母から暖かな家族というものを教わらなかったのだろう。


それをリン家に求めたのだろう。


本人にその自覚があるかは判らない。


だが、死に至るまでのシンカの全てが、それを根底にしているとリンレイは考えていた。


そんな事をしなくても、リン家はシンカの居場所だった。

そうでなかった事などシンカがやって来た5歳の時から一度も無い。


しかし、完全なる安寧を与えてあげられなかった事は、リンレイの罪だ。


リンレイはそう考えている。


シンカはリンファを愛していた。愛し続けようとしていた。


だが、娘はそこまで先の事を考えていなかったし、大人にもなっていなかった。


だから、あの日、シンカは里を出て行く事になった。


リンファのその行為はとても罪深い事だと思う。


しかしまだ10代の少女が嫉妬心と好奇心を持て余したが故の罪を、リンレイも妻達もなじる事は出来なかった。


シンカが旅に出る時はリンファと一緒だろうと予想していた。

だから、1人で旅に出たと、書き置きをひらひらさせて伝えて来たリンファに対し、リンレイは違和感を覚えた。


何かがおかしいと。


一向に帰る気配のないシンカに対して不安を覚え、しかし何も出来ぬまま月日は流れ、到頭リンファが白状した。


リンレイも、妻達も。シンカを迎えてから精神的にも肉体的にもシンカに支えられて来た。


だが、彼に対しては?


寄り添って来た。支えて来た。そう努めて来た。


だが、リンファに振られたシンカはリンレイ達に逃げる事が出来なかったのだ。


逃げ場になってあげる事が出来なかったのだ。


その生い立ちと、変える事の出来ない血の濃淡が。

それを覆す事が出来なかった未熟さが。


リンファから告白を受けた日、リンレイは静かに1人で涙を流した。


彼が帰って来たら、どんな結末になっても受け入れ、家に迎え入れよう。

そんな決意を人知れずした。


結局、シンカは10年近くも行方不明であり続けた。


森に呑まれてはいないか。


そんな不安をいつも抱き、不安に思って来た。


シンカが発見されたのは9年後の事だった。

ヴィティアで、弟子まで取っているという。


その時の安心した気持ちは今だに思い出せる。


だがシンカは帰って来なかった。


妻達は必死に呼び戻そうとしていたが、リンレイには帰って来ない理由が分かっていた。


里に帰っても自分の居場所は無い。

そう考えていたのだろう。


リンファはずっとシンカを待っていた。

気持ちを捨てられず。後悔に押し潰されながら。


どうすれば丸く収まるのか。

情けない事に想像も出来なかった。


リンレイには自発的に帰って来てくれる事を願う以外にできる事はなかった。


伝えたかった。

君の居場所は此処だと。

だが、戻る気のない人間にそう伝えたところで意味はないだろう。


リンファは本当に罪深い事をした。


家族だから。愛しているから。向こうも同じ気持ちのはずだから。

だから許してくれるだろう。


そんな安易な考えで人を傷付けたのだ。

故郷に帰る事を厭う程、深く傷付けたのだ。


そうしてそれから2年後、シンカは漸く里に帰って来た。

伴侶を連れて帰って来た。


漸く心の傷を癒やし、心を預けられる居場所を自ら作り、帰って来た。


4人の伴侶を連れて帰って来た。


シンカはリンレイの様な温かで賑やかな家庭を作りたいが為に、複数の伴侶を求めたと言う。


だが実際はそれだけでは無いだろう。

シンカはリンファの件で深く傷付いた。

だから、今度は傷が浅くて済む様に、逃げ道を残したのだ。


居場所を求めて止まないシンカは、そうして保険を掛けた。

誰か1人に裏切られても、居場所は残るから。

伴侶達とは一人一人縁を結んで来ただろうが、結ぶ前に抱いていたという複数の伴侶を持ちたいという意思は、居場所を求める気持ち、それを失う恐れと切り離す事は出来ないはずだ。


本人は自覚していなかっただろうが。


無論、彼女達と結ばれた際には、そんな打算的な本心は消えていたであろうが。


リンファとも依りを戻してくれた。


大切な息子と同じ様に、娘の幸せも願ってしまう。

娘がどれ程シンカを傷付けたとしても。


何れにせよ、シンカは18歳から29歳まで里に帰りつかなかった。


20代のシンカの成長を見守れなかった事は、とても寂しく思う。


里に帰って来てくれた日の事も忘れる事は出来ない。


黄昏た朱い風景の中で、弟と妹に責められながらもシンカは何も語らなかった。


あんな事があっても、リンファを大切に思っている証だった。


リンレイはその事実を目の当たりにして目元が潤むのを必死に堪えた。


誠実で、優しい。そんな自慢の息子だ。


戦争が終わり、惨劇を乗り越え、穏やかな日常に埋没していくはずだった。


リンファとの子が産まれ、カヤテも妊娠し、彼も父となった。


嬉しい事が続いた。


シンカは普遍的な居場所を得たのだ。


だが、シンカの表情が暗くなっていく事にリンレイは気付いていた。


御告げの魍魎のせいだという事は分かっていた。


リンレイは六頭だ。

里の将来を考えなければならない。

六頭として考えれば、シンカの様な里きっての優秀な戦士が調査に乗り出す事は好ましい状況だ。


だが父としては。


危険な真似をして欲しくなかった。


シンカは何かを覚悟していた。

それが何かは当時は分からなかった。

だが、予感するものがあったのだろう。

己が死ぬという事を。


それでもシンカは旅立った。


そして、リンレイ達の大切な息子は帰って来なかった。


人が到底敵うとは思えない強大な魍魎の討伐と引き換えに、シンカは命を失ってしまった。


知らせを受けたリンレイは、センコウに家を任せ、リクファ、クウル、カイナ、シャラと共にその地を目指した。


自分より自分の子供が先に死ぬなど、考えたくもなかった。


一行は不安と焦燥に駆り立てられながらケルレスカンの南西を目指した。


森の中である事を踏まえても、リンレイ達の口数は少なかった。


それは、筆舌に尽くし難い光景だった。


攪拌されたかの様に下土と苔と、下草、低木が大地で混ざり合い、大樹も巨岩も何もかもが砕かれ、青い空が広々と広がっていた。


掻き乱された大地は戦闘の激しさ、御告げの魍魎の強力さを如実に物語っていた。


日に照らされ、土中の水分が揮発した、土の匂いが妙に鼻についた。


先に到着した森渡り達が、無数の牛鬼を一箇所に集めて火をかけようとしていた。


少し離れた所で蹲る女性2人をリンレイ達は目に止め、近寄った。


褐色肌の女性ナウラは、無表情ながらもとめどなく涙を流し、シンカの瞳と同じ色の珠を見つめていた。


透き通る様な白い肌の女性ヴィダードは、人間の腕を抱えて蹲っていた。


そうしてシンカが死んでしまった事実を突き付けられる。


ナウラから手紙を渡される。

血が付き、乾いて赤黒く乾燥したそれは、正しくリンレイ達がシンカに宛てて書いたものだった。


信じたくなかった。


腕も脚も失い、それでも朱顔鋼鬼を倒し、無数の牛鬼に囲まれて、最後の瞬間まで抗った形跡がそこにはあった。


リンレイはふらつき、倒れた巨木に背を預けた。


これ程の親不孝は無い。


分かっている。シンカが家族や里の同胞の為に命を賭した事は。


それでも、全てが滅びるのだとしても、大切な子供が自分よりも先立つ事は、耐え難い苦痛だった。


文字通り頭を抱えた。


悲しみが胸中で渦巻き、身体中を内側から傷つける様に蠢いていた。


苦しみに喘く。だがこの苦しみも、シンカの苦しみには遠く及ばないだろう。


それでも、生きていて欲しかった。


シンカとの記憶を思い出す。


真っ直ぐに育ったシンカ。その真っ直ぐな視線を。


力強く育ったシンカ。家族を守るその背中を。


控えめに笑うその笑顔を。弟達の頭を撫でる手つきの優しさを。

愛する妻達を抱く腕を。


鍛え、筋張った腕を。刃を振るう視線の鋭さを。


もう、それらは見られないのだ。


乾き始めた腐葉土に、涙が溢れて濡らす。

じわりと直ぐに吸い込まれ、涙は消えた。


この涙の様に、僅かな気配だけを残してシンカは消えた。


どれだけ崇高な理由で、偉大な事を成し遂げたとしても。


親より先立つ事、これ程の親不孝は無い。


リンレイは下がり始めた気温を感じ、意識を過去から浮上させた。


流れた涙を拭い、立ち上がった。


川のせせらぎは変わらぬままだが、辺りは薄暗くなり始めていた。


川に沿って走る夜の冷気が肌を撫でていく。


シンカが森に飲まれてから4月が経とうとしている。


悲しみは未だ癒えない。


生きるのが難しい世だ。

他の子や孫がシンカの様に死んでしまったら、と考えると毎日が恐ろしかった。


それでも、子を作らなければ良かったとは微塵も思わない。


シンカを引き取らなければ良かったとは毛程も思わない。


リンレイだけでは無い。リンレイの妻達も皆引き摺っている。


リクファは引きちぎられた衣類と、シンカの血に濡れた手紙を見て静かに泣いた。

彼女が泣いている所を見たのは、初めての出産以来の二度目だった。


手紙の状態から見て、シンカが今際の際まで後生大事に贈った手紙を持っていた事は明らかだった。


シンカは子供の頃からそういう所があった。

気持ちの篭った貰い物に価値や意義を見出し、大切に保管して精神的な支えにする所が。



クウルも涙を流した。

彼女は子供には見せないが、涙脆い所もある。

普段なら悪態を吐きもするが、シンカの死をまざまざと見せ付けられ、一言、馬鹿息子と呟くだけだった。


カイナはリンレイが驚く程号泣した。

幼子の様に、横隔膜が痙攣する程泣いた。

言葉にならない声を上げ、ナウラとヴィダードを抱き締めながら泣いた。


シャラは淑やかに、しかし途切れる事のない涙を流した。

既に焼かれたシンカの遺体から出来た灰を受け取り、大切に皮袋に閉まっていた。


里に帰り、報告を聞いたセンコウも涙を流した。

彼女は半ば覚悟をしていたようだった。

声を振るわせ、シンカの妻達を支えなければと言葉にした。


「……まだ、君の死は受け入れられそうにないよ…」


リンレイは暮れていく空を樹々の隙間から見上げて、小さく口にした。


何処かで花を開いた白粉花の甘い匂いが、夏の夜を感じさせた。




所代わり、ルーザース王国の王都ヘンレクの北、うねる路から外れた中層を女が1人歩いていた。


苔色の菅笠に同じ色の外套、塗装された直方体の背嚢。

身体の殆どは装備に覆われているが、目元だけが露出している。

抜けるような白い肌、空色の澄んだ瞳。イーヴァルン出身の森渡り、ヴィダードだ。


ヴィダードは意気揚々と保護されていた森渡りの家から旅立ったが、実のところ当てどころなく茫洋と彷徨っていた。


シンカの死をナウラと共に確認してからのヴィダードは失意のままに自刃しようとした。


だが、葬儀を終えるまでは妻としての役目を放棄してはならないと、シンカの母であるカイナに説得されてシンカを送った。


その後も何かと理由を付けられてヴィダードは命を断つ機会を先延ばしにされた。


そして稍熱りが覚めた頃、ヴィダードはリンレイに言われた。


何の為にシンカは、息子は命を賭けたのか。

何の為に一人、暗い森に脚を向けたのか。

里の皆、僕たち親族、君達家族を守る為ではないのか。

息子が護りたかった君が、自ら命を捨てるのか。

もし来世で出会えたとして、君は今世を誇る事ができるのか。

息子がそれを許すと思うのか。

僕達はこの命を抱えて、精一杯人生に抗わなければならない。

どんなに辛い事があっても、生きる事が苦しくても。

逃げてもいい。でも自ら死ぬ事だけは決して許されない。

シンカもそれを赦しはしない。


リンレイは泣きながらヴィダードに語った。


堪えた。

辛かった。

生きていたく無かったのだ。

だが、リンレイの言う通りだった。

自刃した自分をシンカは決して赦さないだろう。

それは嫌だった。


「どうすればいいの…?」


森の中でヴィダードは呟いた。

呟きは森の苔や落ち葉、先へ続く暗闇に吸い込まれて消えていった。


心が押し潰されそうで、1日のうち殆どを涙を流して過ごした。

軈て涙は枯れてしまい、過去を思い返して記憶の中を彷徨うようになった。


日々の記憶が曖昧になり始めた頃、少しづつシンカとの記憶が薄れ始めていることに気付いた。


ヴィダードは記憶の上書きをしようと、旅に出る事にしたのだ。


だが、一人で進めば進むほど、孤独を感じて過去を回顧する時間が増えていった。


だから、ヴィダードは里を出てからヘンレクまでの記憶が霞が掛かったようで、夢の中での出来事のように朧げにしか記憶していなかった。


それがはっと意識を覚醒させたのが、森渡りの女が読み上げた唄だった。


あれは唄だ。


ヴィダードには分かる。


あれはシンカがヴィダードに宛てた歌なのだ。


ヴィダードは歌の内容を思い返す。


我が精霊よ 我が叫びの声を聞き給へ 我は祈りし者なり

我が精霊よ 我は悪しき者を滅ぼし (かたき)永久(とこしえ)に絶えて滅ぶ

我が精霊よ 我が魂は去らずあり 我が足は地を踏む

我が愛よ その唇は祈りを紡ぎ その舌は愛を歌う

我が愛よ 祈りの丘で(えにし)を紡ぎ 祝いの歌で愛を寿(ことほ)

我が愛よ 無償の愛よ 我は求める者なり

千の日を超え 分つ事は(がた)

正しさで道を照らし 手を取り歩け

純潔であれ 英明であれ 精強であれ

導かれよ


前半部分が何を表すのか、ヴィダードには分からなかった。


だが後半については分かる部分がある。


まず、我が愛よ。

愛とはヴィダードを指す。

ヴィダードという名は、人間の言葉で言うところの愛だ。


つまり、私のヴィダード。


これだけであれば本当にヴィダードの事を指すのか判断できないが、最後の純潔であれ、英明であれ、精強であれという節。

これはイーヴァルンの里で婚礼の儀を行う際に、花嫁が歌う歌の歌詞の一部だ。


この節を聴き、ヴィダードは意識を覚醒させた。


祈りの丘で縁を紡ぎ祝いの歌で愛を寿ぐ。


イーヴァルンの里の婚礼を行う丘で歌を歌い結ばれる。


これを知っている森渡りはシンカとヴィダードの婚礼に参加した彼の親族だけだ。


そしてその中にヴィダードの名前が、人間の言葉では愛を指す事を知るものは更に絞られるだろう。


ヴィダードには確信があった。


シンカが歌を通してヴィダードを呼んでいる。


何処にかは分からないが…。


きっと歌の中に答えがあるに違いないと考えていた。


ふらふらと暗い森の中を歩きながら、ヴィダードは小さく鼻歌を歌った。


伴侶に先立たれたイーヴァルンの女の歌。


目の前の大樹を回り込めば、シンカが身体を休めているかもしれない。


離れた谷を注視すれば、シンカが水を飲んでいるかもしれない。


何度も何度も期待を裏切られ、ヴィダードの胸は何度も何度も痛む。


僅かな希望はいつでも露と消え、針で心臓が刺されるかのように痛む。


しとしとと雨が降り始める。


深い森の中では枝の下まで雨垂れが届く事は少ない。


葉が濡れて、幹が濡れて、樹々の濃い匂いが辺りに漂う。


その匂いを深く吸い込む。


嗅いだことのある匂い。


シンカと旅をした記憶が過ぎる。


油紙を巻いてもらった記憶。木陰で雨を凌いだ記憶。宿の一室で雨の街を眺めた記憶。


全てが鮮やかだ。


この気持ち、この辛さをヴィダードは後何年抱え続けるのだろう。


ヴィダードは首を振る。

歌の内容を解読し、指し示すものを目つけられれば、この気持ちにも区切りが付くのかもしれない。


森渡りの女が読んだ文章は覚えている。


耳に残って消えはしない。


呟きながら雨の森を歩いた。


雨垂れが葉に当たる心地の良い音。

シンカはこの音が好きだった。


だから、ヴィダードもこの音が好きになった。


胸に穴が開いている。


黒く大きな穴だ。

とても埋められそうにない大きな穴に、ヴィダードの感情や意識までが吸い込まれていく。


これ程苦しむのなら、導かれない方が良かったのか?


それは違うとヴィダードは思う。


今、どれだけ苦しくても、シンカと過ごした色鮮やかな日々は脳裏に、胸中に存在する。


いつか、この命が解けて風になるまで。


色鮮やかな記憶と、温かな想いを胸に生きていくのだ。


夕暮れが近付き、雨が止んだ。


ヴィダードはゆらゆらと、しかしシンカの教えに忠実に痕跡を残さず、軽やかに森を渡っていた。


首元には羽を膨らませて毛繕いするヤカが。後からアギが大人しく付き従う。


いや、一羽と一匹は付き従うというよりは目付として同行していると言ったほうがいいだろう。


ヤカが飛び立つ。

文字通り羽を伸ばす為か、時折ヤカはヴィダードの元から飛び立ち、暫くしては戻ってくる。


ふわりふわりと張り出した木の根を跳び渡るヴィダードは、まるで人々の想像する精霊の様に美しく、不気味な森の暗がりにあっても輝く様な容姿だった。


軈て何処か樹々の梢から、鋭く鳥が鳴く。


ヴィダードはそれを聞き、たっぷりと思案すると鳴き声が聞こえた方角へ歩いて行った。


森が浅くなり、徐々に明るくなる。


差し込む光も増えてくる。


ヴィダードは鼻歌を唄いながら、陽光に手を翳したりしながら進んだ。


全てはシンカとの記憶を辿る旅だ。


一つ一つの仕草が過去にシンカが行った仕草だった。


そんなヴィダードの鼻に血臭が香る。


小さく歌っていた鼻歌を止めて、身長に先の様子を伺う。


全身から経を放出する。


ヴィダードはシンカ程経の出力を持たない。

目に見えぬ霧の様に経を散布するシンカに対し、ヴィダードは蒲公英の綿毛の様に立体的な網目状に経を散布する。


シンカよりも少ない経で周囲を感知する事ができる。


ヴィダードは13の人型の生物を感知する。


ヴィダードの感知方法ではそれ以上の情報を読み取る事は難しい。

大体の姿形まで。


しかし、鼻は違う。


シンカ以上に鍛えられた嗅覚は、個々の区別や性差の把握のみならず、離れた距離から衣類や装備の素材や食生活まで把握できる。


死体もある。

数は2体。


人型は争っている。


9人が4人を襲っている。


興味は無い。血が流れる事によって、魍魎の動きが変わる事だけが気になった。


敵に見付かる前に去ってしまおうと考えた時だった。


「誰だ!?経を感じるぞ!」


怒鳴り声が聞こえた。


しくじった。野盗程度だろうと侮り経で感知を行ったが、経の感知に長けた行兵がいたらしい。


だが、居所までは掴めていないはずだ。


見付かる前に殺す。


瞬き程の時間も掛けず判断し、菅笠を外すと襷掛けにしていた弓を身体から抜き取る。


再度菅笠を冠ると腰の矢筒から矢を3本抜く。


一本は口で加え、一本は筈を逆手に握り、一本を番える。


体勢低く移動し、散布した経を元に敵に見られない位置取りをしつつ、構える。


そして森の闇の中から敵を視野に入れる。即座に1射。


比較的強い経を感じた相手に向け、木製の矢が飛ぶ。


吸い込まれる様に眉間に突き刺さり、脳を破壊。

男がばたりと抵抗無く仰向けに倒れる。


ヴィダードは直ぐに樹上へ。位置を気取らせない様痕跡無く枝を伝い、弓に矢を番えた2人目に狙いを定める。


広葉樹の細い枝を反らせ、幹に固定。

反らせた枝に矢を固定する。


更に樹上を移動。腕の立ちそうな短剣使いに的を絞る。


行法を行う。

目標は罠を固定した紐。


風行法・鼠車


たった一つの小さな風の刃が紐を断ち切り、元に戻ろうとする枝の勢いで矢が放たれる。


それと同時に1射。


同時に2人が抵抗も無く矢を受けて倒れた。


ヴィダードは目を細める。


「敵は何人だ!?弓兵が3人か?!」


鞣革の鎧を身に纏った男達が、ヴィダードのいる南側を警戒している。


「うおおおおおおおおお!」


襲われていた4人のうちの1人、若い軽装の男剣士が、鞣革の鎧の1人に斬りかかる。


若い男の力量は今ひとつ。


混乱の中にある襲撃者でも容易に受けられた。


ヴィダードはそれを尻目に矢筒から矢を抜く。親指を除く4本の指の股に2本づつ。中節骨と基節骨に1本づつの計6本。


人差し指と中指に挟んだ2本以外を宙に放る。


慣性に従い落下するかに思われたそれは、しかしふわりと中空に浮遊した。


直ぐに人差し指と中指の基節骨に挟んだ矢を口に咥え、残る1本を巧みな指遣いで親指と人差し指の間に移動させて番える。


1射。若い男のの背後に回り込もうとしていた別の男の首筋に矢が突き立つ。


一斉に此方を敵が向く。


ヴィダードは矢を放ち無手となった手を突き出す。


風行法・暖簾潜り


矢を抱えつつ圧縮されていた空気が矢を弾き出す。


ヴィダードは結果を見る事なく闇の中に後ろずさり沈んでいく。


一斉に放たれた4本の矢は寸分の狂いなく襲撃者達の急所に突き立った。


「何!?」


残された1人、若い男と切り結んでいる者が驚愕に声を上げる。


「このっ!」


最後の1人が若い男を蹴たぐり、よろめいた所を切り伏せた。


直後、顳顬に矢が突き刺さり、矢を受けた勢いのまま大地にどうと倒れた。


赤茶けた目の細かい砂が舞い上がった。


乾いた土の匂いが香る。


ヴィダードは暫く大樹の陰に潜み、残る敵が居ないか経で感知を行う。


生きた人の気配は四つ。

襲われていた者達のものだ。


ヴィダードはそのまま森の深層を目指そうと踵を返した。


だが、その動きを止めるものがあった。


「薬師さん!お願いします!助けて下さい!」


若い人間の女の声。


新しい矢を流れる様な手付きで矢筒から抜き、番えはしないものの、いつでも放てる様に意識する。


振り向き直った先には焦茶色の髪、乳白色の肌の若い女が立っていた。


表情は険しいが、害意は感じられない。


「…」


ヴィダードは視線を少女に向ける。


ヴィダードの闇の中で炯々と光を放つ空色の瞳を見て、少女は身体を痙攣させた。


「……、ぁ……っ……」


「なぁにい?(わたくし)、忙しいのだけどぉ」


ありのまま言葉にする。


「……あ…の、助けて頂いて…あ、ありがとうございました…」


萎縮しながらも懸命に言葉を搾り出した。


少女はヴィダードの目を見たまま金縛りにあった様に棒立ちになり、身体を震わせている。


幾分か体内より経も感じる。軽装の革鎧を身に纏っている事から、行兵として傭兵稼業を営んでいるものとヴィダードは推察した。


「身に降り掛かりそうな火の粉を前もって払っただけよお。貴女が新しい火の粉にならない事を祈るけどお」


下手な真似をすれば直ぐにでも殺すぞ、と意思を込める。


少女は必死に首を振った。


「…おねがい、が…あります…!仲間が、怪我をしていて!死んでしまいそうで!お薬を!お薬を売って下さい!」


少女は金縛りを振り解き、頭を下げた。


ヴィダードはそれに対し、何も感じなかった。


それはただの気まぐれだった。


ちら、と森の外、路の様子を伺う。


若い男が倒れている。


袈裟に切り捨てられ、赤茶けた大地に血液が染みていた。


同い年程の黒髪を後頭部で括った若い女が必死な形相で男の傷口を押さえていた。


その時、ヴィダードは目眩と共にふらつく。

一瞬、脳裏に過去の光景が去来した。


必死な形相で自分の治療をする無き夫の姿。


今にも泣きそうな、見るだけで自分の心が締め付けられそうになる、そんな表情。


痛みと、苦しさと、寒さ。


そしてそれを上回る多幸感。

求められる喜び。愛される喜び。


強い感情がヴィダードの胸を締め付け、春風のように直ぐに去っていった。


「私に治せるかしらねえ」


少女の必死な、今にも大切な者を失いかけ、それを手放さぬ様に繋ぎ留めようとする形相が、ヴィダードに気紛れを起こさせた。


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[良い点] 待ってた!相変わらず言葉選びが最高です。 情景の浮かぶ描写。素晴らしい。 [一言] 次、ほんと待ってます!
[良い点] 精神がボロボロになってもシンカに教わったことは忘れていないヴィダード。 [気になる点] シンカの両親は彼をどのように育てるつもりだったのか……。 [一言] 読めば読むほどシンカが生きてて…
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