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Absolute Non-Fiction   作者: 石川雅
村生活編(前日譚)
9/17

9話 穏やかな日

また2年が経ち、背も伸びて出来る事の幅も広がった。

研究部屋とは別でジムの様な異空間部屋を製作し、朝はそこで2時間程、鍛えるのが日課だった。

実は部屋のドアの隣に内緒でコンソールを壁に嵌め込みで設置しており、そこで部屋を決めたコマンドで選択して扉を開けて入る。異空間の為、時間軸もずらせて色々と便利。

その後はジム部屋内の施設の一つである屋内闘技場に移り、シルバと体術を極めている。

それと並行して剣と弓にも手を出しており、抜け目はない。


シルバは衰えるどころかこの世界の感覚を思い出してきたのか日に日に強くなっていて自分が疲れている時などちょいちょい押し負ける事もあり、魔法抜きでは自分と互角かもしれない。

ズルして身体強化魔法を使っても結構捉えてくるのが恐ろしい。

シルバは神狼だが本来の姿に戻らないと魔法はあまり使えない。しかし、獣化にもいくつか形態があるようで勝手に獣化第一形態や第二形態と呼称している。


部屋に戻り、祖母との朝食を済ませた後、午前中は診療所の処方薬と診察のヘルプを

した後、家で自炊をする。今日は野菜炒めとスープと玄米の炊き込みご飯だ。


この世界に米があったのは救いである。精米技術は無いが…

開発を試みたがこの世界の米は白米より玄米の方がふっくら炊けるのでやめた。


昼食を済ませた後、診療所の午前勤務で貰えるお小遣いで市場に行き、果物と小魚を買って

海辺に向かう。

ハンスさんとは海で釣りを始めて挑戦した時、全然釣れなくてその時は結構馬鹿にされたが、今は仲のいい釣り仲間だ。


夕日が沈みかけるまで釣り勝負をし、今日は3匹差で負けてしまった。


夕食を作るべく、家に帰り、新鮮な内に魚を捌く。ハンスさんは釣りのコツも

捌き方までも教えてくれた。


今日の夕食は海鮮丼と魚の煮込み料理だ。この世界の魚は川にも海にも安定した水場には大体生息している。海水とか淡水は関係ないらしい…魚や家畜も厳密には魔法生物らしいのだが食用なのは魔力を持たない種類との事。


炊きたての米に魚を盛り、ネギと大葉を刻み、振りかける。昔見つかった薬味だそうで食生活やインフラ面では過去の転生者の凄まじい努力が垣間見える。


煮込み料理の味付けをしていると祖母が診察を終えて帰ってくる。

50代後半ながらなかなかの仕事量をこなしている。祖母は腕が良く、医学界では

多少の名が売れていて、治癒魔法の使い方は少ないこの王国では

王都からわざわざ村まで来て診療所に通院する者もいる。贔屓の貴族がよく王都で病院を構えないか誘っている。


祖母との夕食を終え、後片付けを終え、就寝する。


これが最近の一日の過ごし方だ。

ちなみに夜はこれからだ。


就寝した後、アストラル体を自発的に取り出し、異空間部屋にシルバと共に向かう。

部屋に設置した、にアストラル体を付与させる事が出来る人口体を使って朝まで研究する。

最近、汎用人型決戦兵器の再現と運用、実用化を目指している。

プラモデルの原理で骨組と外殻は完成させている。

シルバには記憶投影でアニメと劇場版を見てもらった。

今はMark.06の製作途中だ。制御が難しい。

試行錯誤の繰り返しだ。

暴走は避けなければならない。まぁ、世に出るかは怪しいが、というか出せない。

これも趣味の一環として頑張っている。実寸大で40メートルの巨体には大きな収容場所が必要なのはしんどかったが魔力量を限界まで消費して巨大倉庫の異空間を作った。規模は想像もつかない。



一日中、充実しているのは平和でとても楽しい。



そんな事を考えながら村をシルバと一緒に散歩していると村の近くで山賊が現れたと

自警団が真剣な顔で村の外へと駆けて行った。


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