第六話 勘と経験
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四月四日、登場人物を一人増やしました。それに伴い一部描写を加筆致しました。
「ま、まさか一人で大半を倒せるなんて…」
優星君の発した言葉に僕は首を傾げる。
「この程度のことが出来んたらこれから行く所の魔物は良う倒せんのとちゃうん?」
僕は思ったことを口に出す。すると優星君たちは感心する様な、呆れた様な表情を返して来た。
「流石はあの柚子のお兄さんだ。言うことが普通じゃない…」
ボソッと零したその言葉を聞いた柚子はムーと優星君を睨んで「それだと私まで変な人じゃない」と言った。
僕も腐っても人間なわけだから、柚子の言葉は少しだけ胸に刺さった。
「それにしても初めてなのに何で相手のいる方向が分かったり、この先には今のよりも強い魔物がいるって分かったんですか?」
優星君の質問は至極当たり前のものだろう。
非戦闘職で不遇職でもある鍛治師が何故気配感知が出来るのか。後者の質問はネットの掲示板でも見れば分かることだが僕はそういうものは利用しない派の人間だ。
「二つとも言っちゃ何やけど『勘』やね。後は経験数やろうか?」
僕の言葉にはあ?という顔をした優星君含むこの場にいる僕以外の人。
その様子が面白くて僕はふふと笑う。
「勘の方は自然と身に付いたもんやから何とも言えんけど、経験数はいずれにせよこのゲームを続けるなら増えるから君らも今の僕と同んなじように感じるよ」
「そ、そういうものですか?」
僕はうんと言って頷く。
確かに数をこなせば嫌でも身に付くだろうけど、この子たちにはこの世界をゲーム以上のものであるという考えがある。ならばそこらのPKよりも覚えは早いだろう。
「何やったら僕が直々に伝授したろうか?」
「「「結構です!」」」
「そうかそうか」
何も揃って即答する必要は無いだろうに…。
まあそれはそれだけど
「先に進むんやんな?なら先行してくれんか?」
「分かりました」
優星君が先頭を歩きその後ろを加奈子ちゃんと鈴ちゃん、そして盗人の柚子が後ろに付いて最後尾は僕が歩く。
僕は隊列にうんうんと満足気に頷きながら最後尾を歩いた。