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第五話 初戦闘はチートとともに

四月四日、登場人物を一人増やしました。

 全員の目の色が変わる。

 僕はそれを見てほうと誰にも聞こえない程度の声量で呟いた。


「気配感知スキルに反応がありました…」

「方向は?」

「…囲まれてるみたいだ。このままじゃ危ないかも」


 僕はまたしても驚いた。

 この子たちはこの世界で真剣に生きているのだと。それを知った僕は優星君の肩にポンと手を置く。


「ここは僕に任せてもらえへんか?」

「え、でも四方を囲まれて…」


 僕は大丈夫だという風に手で制す。


「どれ、この世界の(・・・・・)魔物はどんな強さなんやろうな…」


 僕はポツリと零し、駆け出す。

 向かうのは『何か』を感じる草むら。


「グギャっ!?」

「一匹目…」


 僕は腰に差した刀を横に一閃、ゴブリンの首の高さで振るう。

 鮮血を模した緋のドットが宙を舞い、虚空に消える。


「!!」


 僕の早業に驚いた優星君たちが目を見開いている。その表情からは「そんな馬鹿な」という感情が汲める。


「あとはそこと…そこやねっ!」


 僕は太股のホルダーから自分で打った投擲用の小型のナイフを『何か』を感じた方向へ投げる。

 普通なら重力だとかで勢いを落として遠心力だとかで回転するはずのナイフは、真っ直ぐに最速のスピードを保ったままに魔物()を射抜く。


「……」


 どうやらもう何が何だか分からないといった風に優星君たちは口を開けていた。

 そんな彼らに向かって僕は少し大きめの声で言う。


「後ろにあと一匹潜んどるよ!」

「!!」


 僕の言葉で現実(ゲームだが)に引き戻された優星君たちは各々の武器を構え、魔物を難なく討つことに成功した。


「PKと戦ったので分かってたけど、この世界でも持ち前の能力はそのまんまやねんな…」


 僕は風に揺れる木々のざわめきよりも小さな声でそう呟いた。

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