あ
戸田はじめ(35)実家暮しで無職、現在時刻は午前2時、俺には愛してやまない「推し」がいる無職でひきこもっている俺に出会いがあるわけもない「推し」というのはもちろん2次元キャラである名前は「ユイ」
「ユイちゃん今日もかわいいね〜、画面から出てきて俺の嫁になってくれよ・・・」
と小声で呟き目を閉じた
「きて・・・おきて・・・」
母以外はしばらく聞いてない女の人の声?・・・
重い瞼をゆっくりと開けると裸の女の子が俺の上に跨って俺を起こそうとしていた
慌てて女の子を跳ね除け隅っこに逃げて女の子の顔をみた瞬間衝撃を受けた。
そこには俺の推しキャラ「ユイ」のそっくりさんと言うか見た目はまったく一緒声もアニメで見ていたものと同じだった 恐る恐る話しかけてみる
「あの・・・なまえは?」
「ん〜?私?私はね・・・」
「ユイって言います!」
ここではいそうですかと言って認めるわけにはいかないもしかしたら新手の詐欺か何かかもしれない
とりあえず女の子に俺の服を着せて話を聞くことにした
「えっと・・・まずユイさんはどこから来たの?」
「次元を超えて君のスマホ画面から出てきました!」
「なんで?」
「なんでって?君が願ったんじゃない画面から出てきてってね」
「その瞬間俺の頭は真っ白になった」
まさか本当に画面から出てきたのか?しかしそんなことがありえるはずがない
「なら証拠を出してよ」
「そうだな〜ならこれでどう?」
左手を開くとなにか宝石を持っていた
「これは私が元いた次元君たちの言う2次元とこの3次元を行き来するための道具だよ」
「ほらっ試しに触ってみて」
俺はそっと女の子の左手の上の宝石に手を触れた
「ん?ここはどこだ?」
「ここはね私が元いた世界だよ」
「ここが2次元なのか?」
周りを見渡すとよくアニメで見ていた建物!公園!犬まで!それにカーブミラーで俺の姿はユイとハッピーエンドで結ばれた男キャラクターだほっぺたを捻っても目は覚めないこれは信じてもいいかもしれない
3次元にもどってきて
「よし。じゃあユイさんをしんじるよ」
「ありがとね」
そんなこんなでユイさんと暮らし始めた訳ですが
俺も実家暮しなので夜はユイさんには2次元に帰ってもらうことにしました
ユイさん2次元からやってきもんでこっちの常識が全くないんだスーパーに行ってもレジを通さずに持ち帰っちゃったり所構わず誰にでも話しかけたり
そうして俺の2次元の推しキャラとの生活が始まった