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4.騎獣屋さん

 一瞬、辺りが薄暗くなったかと思うと、空に丸い鏡のようなものが現れました。巨大なそれは水面から顔を出すように島の上空へ出てきます。


「ここは僻地ですからねえ。小型船では来れず、騎獣船団の本船が転移してきたみたいですね」


 ミミさんも普通のことのように言わない!ラストダンジョンでも登場したのかと思いましたよ。


「な、なんだか大事になっている気がするのですが」

「まあ、よくあることですよ。ステラ様が気にされる必要はないかと」

「はぁ」


 そうこうしていると船の中から小さい船が出てきました。なんというか……その船貸してくれたらいいんじゃない?

 あとでミミさんに聞いたら、転移機能がついてるこの箱船は騎獣屋さん一族が神に与えられたもので、唯一無二のものらしい。他に中型船が何十隻か、小型船を使うには免許が必要で維持費が結構かかるらしいです。あ、貯蓄すれば買えないこともないとのこと。


「ありがとうございまーす。騎獣屋でーす」


 手を振りながら、大声で挨拶してきたのは小柄なリスの顔をした人でした。ほっぺた、つっつきたい。

 空飛ぶ小船から降りてきたリスさんと改めて挨拶です。


「こんにちは。僕はウォルナットだよ。気軽にウォルとでも呼んでね」

「ウォルさん。ステラです。こちらは色々と教えて頂いているミミさんです」

「よろしくね。ステラさん。……ミミさん」

「よろしく」と私とミミさんが同時に言う。


 ミミさんを見て、ひと呼吸あったけど知り合いなのかな?

 私がミミさんを不思議そうに見ていると、にっこり笑い返されました。


「ステラ様はどのような騎獣がお好みですか?」

「いろいろ居るよ」

「あまり運動は得意ではないので私でも乗れる大人しい子が良いですね」

「じゃあ、説明がてら見てみる?」


 ウォルさんがそう言うと、私の手を引きながら船の方に連れて行こうとする。手ちっちゃかわいい。というか本船に乗せてくれるんですね。楽しみ。


 小さなヨット型飛行船に乗り込むと、空中で待機している箱船へ向かいます。遠目から見ても大きいけど、近付くと圧倒されるね。飛んでいるのは空力石というので制御しているらしいです。詳しいことは知らないよ。

 本船の甲板に降り立つと意外にも緑が広がっていました。もふもふがたくさんいる。

 簡単な説明をしながらウォルさんが案内してくれました。



「アルパッカはふわふわで人気だよ。でも、あんまり速度は出ない」


 アルパカに似たような……いや、そのもののような騎獣。



「ワイボウは速いけどちょっと神経質。走っていないときは大人しいよ」


 猪っぽい子で縞模様。見た目に反して意外と柔らかい毛。



「ガルフは人懐こいけど、乗るのにちょっと練習が必要」


 狼?好奇心旺盛に近寄ってきて可愛いです。



「グリフは空飛べるよ。やんちゃだけど」


 鷲獅子。グリフォンかっこいい。ちらっとこっち見たの分かってるんだからね。



「ユニコウはちょっと気難しいけど懐くとご主人一筋だよ。ペガスは飛べるヤツ」


 一角獣。ユニコーンっぽい。毛並みは金色。ペガスはペガサスかな。天馬。毛並みは銀色。



「他にも居るけど、比較的扱い易い騎獣はこんな感じかな?レンタル契約すると転移石で呼び出せるようになるから便利だよ」

「迷いますね」

「違う騎獣にしたいときはまたここに来ればいいよ。本船はしばらくこの辺りに居ることになったからすぐに迎えに来るし」


 ウォルさん、さらっと重要事項を話されました。


「この船、目立つから困ってたんだよね。中型の箱船が各地にあるから業務に支障はないし、持て余してた感じなんだ。この島なら隠れるのに丁度良いし」


 ミミさんの暇発言はこのことからでしたか。


「僕、こう見えても船団長なんだよ。多少は無理がきくの」


 見た目にそぐわず、ウォルさんお偉いさん。


「この船は騎獣のけがを治したり休ませたりとかの療養施設としての機能が主だから、あんまり動く必要ないんだよねえ」


 ご近所さんになるのなら、この船で働いてみたいですね。と言ってみると


「良いよ〜暇なときにでも世話手伝って」


 と快諾を頂きました。



 それはそうとして、どの子にしよう?


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