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ハッキョウ
「白狂」
冬が叩くよ
窓を
コココン コン
ココン
冬が叩くよ
窓を
入れてください
入れてください
コココン コン
ココン
あぁ、ごめんよ
入れてはあげられないんだ
コココン コン
コ、コン
それでも冬は
ぴたりと閉じた窓から
じわり入ってくる
しっかりと閉めたカーテンの隙間から
そろり入ってくる
あぁ、君
非常識ではないかね
招待してもいないのに、窓から入ってくるだなんて
私は冬を批難する
私は冬を拒絶する
それでも冬は
窓を叩く
コン コココン
コン
叩くんだ、冬が
叩くんだ、窓を
入ってくるんだ、冬が
入ってくるんだ、窓を通して
ココン コ、コココン
コココン コン
叩く、叩く、叩く
冬が
コン コココココン
叩く、たたく、タタク
夜を
コンコン ココン
コン
寒さがにじり寄ってくる
暗さがにじり寄ってくる
耳を塞げ
入ってくるな
ココン コン
コココン
耳を
コン
塞げ
コココン
入ってくるな
コ、コン
夜が明け
カーテンを、開けると
一面の、雪
全く狂いのない美しい世界は
それ自体が
狂っている
そんな真冬の
ある朝の風景




