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オボレユク
空気に
溺れてしまえばいいんだよ
呼吸ができないのなら
溺れてしまえばいい
ココニハサンソガアリマセン
──………タプン
このまま溺れてしまえばいい
溺れてしまえれば
窒素と二酸化炭素の
見えない波に身体をあずけ
あがかずに
緩慢に過ぎ去る現実に
(柔らかい首は締められたりはしない)
嫌気を覚え始める前に
(酸素が緩やかに減っていく空気に、肺は悲鳴を上げているのだろうか)
窒素と二酸化炭素の見えない波に
溺れてしまえれば
(私は甘美な夢をみる)
そうね、夢を見続けられるわ
私に息を吹き込む人がいないなら
過呼吸のしっぽを捕まえないよう、意識をそらす。
今ならばまだ、肺の中にも水はない。




