8/16
心を落ち着けて、整理しよう
第8話デース
私は小さくため息をついた。葵 夢麻那のこと、七草優斗のこと、あの桜のこと…。いろんなことがありすぎて、わからなくなってきたあああ…。
私は頭をかきむしり、机に額をつけた。その振動で、カタン、とカフェオレが揺れたが、放っておこう。髪の毛の隙間から、チラッと見えた、雪みたいに白くて細くて、傷ひとつない私の腕。はっきり言って、不気味だ。夏、蚊に刺されたはずなのに、赤くなった後もない。日焼けもしない。学校が始まり、美術の時間にカッターで切ったはずなのに、血がでたのは1日だけだ。これも、桜の力なのか…?両親はいない。祖母も祖父も早くに亡くなったと聞く。兄弟もいない。親戚も、ましてや友達も…。
誰にも相談できない。おしえてくれない。
「ああああああ…」
私はそううめき声をあげ、ソファーにダイブした。わかっていたことなのに、今考えると寂しいものだ。
いや、まてよ。
教えてくれる奴なら、いる!七草優斗…。
明日、絶対問い詰めてやる。絶対、全部吐かせてやる。
私はそう心に決め、家事をすませて眠りについた。
ご視聴、ありがとうございました・ω<