大集合
最終学年の夏休み。
大学のセミナーハウスで、大学院生に混じってセミナーに参加することになった。
どこで聞きつけてきたのか、アヤシちゃんに向かって「私も霊感があるよ」と言ってきた先輩。
そして私たちと同じ学年の女の子。
話の流れから、「どんな体験をしたか語ろう」ということになってしまった。
椅子を円形にして、座るアヤシちゃんたち。
なぜか巻き込まれて、その一部に座っている私。
目の前で話されるリアルな体験談。
どうして視えるようになったか、どんな体験をしたか。
もう殆ど覚えていないけれど、そこそこ怖かったと思う。
ある程度、時間が経ったところで、一人が言った。
「あ、なんか小さいのがいる」
私以外の視線が一斉に足元の同じところを見つめる。
「本当だ。犬かな」
とアヤシちゃん。
み、見えないんですけど。
「かわいいね」
「犬かもね。あ、こっちに来た」
私に見えないなにかに反応して、他の三人の視線が同じところを見ているのが逆に怖い…。
そのうちにアヤシちゃんが先輩の後ろを見て、目を見開いた。
「凄く沢山いる…」
先輩はその言葉を受けてにっこり。
「あ、全部守護霊なの。私、17人ぐらい守護霊がいるの」
とたんに指差して数え始めるアヤシちゃん。
「小さい人もいますね」
「うん。結構、大きさ、バラバラでしょ?」
「ええ」
もう一人の女の子が部屋の隅を指差した。
「あの…あそこに大きな人がいるんだけど」
アヤシちゃんが振り返る。
「あ、あれ、私の守護霊。大きいんだよね」
またしても三人の視線が何もない空間でぴたりと固定される。
移動しないといけない時間が来て終わったけれど、後にも先にもあんな体験は無いよ。




