二人目
授業後に、大学の構内を歩いていたら目の前をアヤシちゃんが横切った。
ふらりとこちらを見ずにどこかへ行ってしまう。
あれ?
なんかいつもと雰囲気が違う。
でも、アヤシちゃんだったと思う。
おかしいなぁと思いながら、よく皆が集まるラウンジに行けば、アヤシちゃんが机に突っ伏して寝ていた。
「あれ? アヤシちゃん?」
私の声にアヤシちゃんが顔をあげる。
「ん?」
少し寝ぼけた声。
「アヤシちゃん…ここで寝てた?」
「うん。なんで?」
「さっきアヤシちゃんにそっくりな人がいたから。凄く似てたよ」
アヤシちゃんは少し考えるようなそぶりをみせた。
「あ~。それ、わたしかも」
「はい?」
「誰も居なくて、夢の中でみんなを探す夢見てたから」
「アヤシちゃんは寝てたんだよね?」
「寝てたけど、そういうときに二人目が出ることがあるの」
「どういうこと?」
「そのままだよ? もう一人いることがあるの」
それは…。いわゆるドッペルゲンガーと言うやつだろうか?
「実家でもあったよ。病気になった飼い猫を心配しながら寝たら、夢の中で猫の側にいたの。翌朝、親から『夜中に起きたら、猫の側に半透明に透けたあんたがいて怖かったから、そういうことはやめて』って言われた」
でも、自分じゃどうしようもないんだよね~とアヤシちゃんは笑う。
「それって幽体離脱?」
「あ、そうかも」
そう言われれば、さっきのアヤシちゃんは透けていた気がしてくる。
アヤシちゃんの側にいると、不思議なことに巻き込まれるのは必然のようだ。




