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耳
灰で埋まった古代遺跡の話をしていたら、唐突にアヤシちゃんが言い出した。
「耳だけ歩いて行くのを見たことがあるよ」
「耳だけ? 頭は?」
「馬の耳なの。地面から生えてて可愛いな~って思って見てたんだ」
そもそも耳だけが地面から生えてて、可愛いものなんだろうか?
「でもそのあとに、肩から上だけの人が地面から生えててグロかったよ。うふふ」
「それってどういう…」
アヤシちゃんは、ちょっと考えてから口を開いた。
「たぶん、地面がもっと下にあったころの人逹なんじゃないかな~」
「人達?」
「うん。行列だったの」
地面を這う馬の耳と人の首の行列は、想像するとかなりシュールだった。




