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アヤシちゃん
実話を元にした怖い話や不思議な話です。怖いのが好きな人は、考えながらじっくりと。軽いのが好きな人は、あまり考えずにさらっと読んでください。
「アヤシちゃん」
彼女の不思議な言動から、大学の友人はそう呼んでいた。
喋らなければ、ふわふわしたお人形さんのような女の子。
「たまにね、この部屋と雑踏が繋がるの」
夜、唐突にアヤシちゃんが言い出す。
アヤシちゃんは1人暮らしで、彼女の家によくみんなで集まって、おしゃべりをして夜を過ごしていた。
「夜中に目が覚めると、足が一杯見えるんだよね~。あはは(*´∇`*)」
それって笑い事じゃないんじゃ…。
「ざっ、ざっ、って、足だけが歩いていくの」
「胴体、ないんだよね~」
まるで普通の話のように話してるけど、それ、普通じゃないからっ!
思わず黙ってしまった私たちにアヤシちゃんは、慌てたように付け足した。
「あっ。大丈夫だよ! 本当にたまにだし。怖くないよ!」
そういって可愛らしく笑うアヤシちゃんは、最強だ。