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嘘吐き秘書と魔王な社長  作者: 緑海
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面接試験・・・ムリヤリ採用?

誤字、脱字などがあればコメントで指摘していただければ喜んで直しにかかります(定期的に見るとは言っていない)


こ↑こ↓こうしたらいいゾ、などの意見があればコメントで教えて頂ければ泣いて喜びますのでオナシャス!

ひっそりとした夜、誰も居ない公園に僕は居た。

一人でブランコに腰掛けながらぼうっと空を見る。

月は完全に雲に隠れてしまっているみたいだ、今日は満月なのにもったいないな。

別に何か用事がある訳じゃない、大体外に出る事自体キライだ。

こんな深夜に自分から外に出て行くほど僕は非行少年な訳じゃないし。

じゃあなんで僕がこんな所に居るのかって?答えは簡単

僕は家を追い出されたんだ、お父さんとお母さんにね。

家を追い出された原因はきっと僕の病気のせいだろう。

僕には小さな頃からずっと抱えてきた病気がある、病気って言っても自分で勝手に言ってるだけなんだけれども。

・・・僕は嘘しか言えないんだ。

物心付いた時からそうだった、何か大事な事を言おうとすればそれは必ず嘘になってしまう、たとえ僕が望んでいなくても、だ。

本当の事を言おうとしてもいつの間にか嘘にすり替わってしまっている、ありもしない事を口が、頭が勝手に作り出してしまう。

それも成長して行くに連れて嘘を吐く事が上手く、速くなってしまい、色んな人に嘘を吐くようになってしまった。

僕の両親はそんな風に育ってしまった僕が気に入らなかったみたいだ。

そりゃそうだよね、誰でも自分の息子が嘘吐きになったら嫌いになるもん。

家を追い出される前にお父さんが言った一言が思い浮かぶ。

「なにが病気だ!嘘を吐かない事ぐらい少し努力すれば出来るはずだろう!」

・・・違う、違うんだよ、お父さん。

僕だってたくさん努力はしてきたんだ、それでもこの病気は治らない。

嘘が嘘を呼んでまた嘘が生まれる、みんな僕の嘘を信じてしまう。

そしてみんなが僕を嫌っていく、当たり前だよね?

本当の事なんていつまでたっても言えない、嘘ばっかりが僕の中に入って行く。

まるで僕の存在自体が嘘みたいな錯覚に囚われる。

・・・本当に錯覚なのかな?

ああ、もう何にも分かんないや、いっそこのまま一人で・・・

「寂しいんかいな?ぼん」

・・・僕の隣のブランコから人の声が聞こえる。

顔は見えないが多分女の人だろう、いつ座ったのだろうか?全く気付かなかった。

「・・・別に、いきなり誰ですか?何かご用で?」

内心驚きながらも口が勝手に返す。

「いんや?なーんか寂しそうな背中した少年が座っとるなぁ思てな?つい声掛けてもうたんや」

「・・・そうですか、要らないお節介ありがとうございます、それでは僕はこれで」

「まぁ待ちいな、ちょっと話しようや?」

そそくさと立ち去ろうとする僕を女の人は呼び止める。

マズイな・・・どうせこんな夜更けに出歩いている人だ、ロクな人じゃないだろう、ソッチ系の人だとヤバイしこのまま逃げようか・・・?

僕がそんな事を考えていると女性が声を掛けてくる。

「別に取って食おうって訳やないんやしのんびり話そうや、それに―――」


「―――ぼん、帰る家ないんやろ?」


何か反論を考える前に口が動いていた。

「いきなりなんですか?失礼にも程があるんじゃないですか?」

「せやなぁ、確かに失礼やとは思うけれども・・・事実やろ?ぼんに帰る家はあらへんのとちゃうか?」

「帰る家ぐらいあります!今から帰る所―――」

「嘘やな、やっぱり」

「なっ・・・!」

何を、と言い返そうとした口が止まる、背中に冷や汗が流れる。

「嘘じゃない!大体なんの根拠が有って―――」

「簡単や、こんな夜遅くにぼんみたいなフツーの少年が出歩く訳あらへん、大方家追い出されたんやろ?」

「違う!僕はただ用事があって・・・」

「公園でボーっとすんのが用事かいな?」

なんなんだこの人・・・!

「ぼん、嘘吐くんがクセになっとるやろ?それもほぼ無意識の内に言うてもうとるなぁ・・・」

言葉が僕を苛立たせる、いったいこの人に僕の何が分かるんだ?

「なぁんも分からんよ?ただウチはぼんを誘いに来ただけやし」

「なっ・・・!?」

待て、今この人僕の考えている事を読んだのか!?

「んー?なんで僕の考えてることがーって顔しとうなぁ?そんなイライラした顔しとればそらわかるわ」

「・・・なんだよ、何がしたいんだよ、あんた!」

恐くなって僕は叫ぶ、早くこの場から逃げ出したいと言う気持ちが膨らんでいるのを感じる。

「さっき言わんかったかな?ウチはな―――」

満月が雲から顔をのぞかせる、こぼれた月明かりで女の人の顔が見えた。

「―――ぼんを誘いにきたんや」

女の人は、そう言って僕に妖艶に笑いかけた。


「僕を・・・誘う?」

「そうやで」

頭の中に危険信号が鳴り響く、これ確実にダメな奴だ。

深夜に女性が僕みたいな子供を誘うって時点で犯罪のニオイしかしない。

「いや、すいません、僕そういうの興味ないんで、それでは用事があるので僕はこの辺りで・・・」

心からの嘘を並べながら必死に逃げようとする、普通この場面ならたとえ僕じゃなくても嘘を吐いてでも逃げ出そうとするだろう。

「・・・ぼん、何か勘違いしとるやろ?別にウチはぼんを騙そうとしてる訳じゃないで?ただウチはぼんが欲しいだけ―――」

はいアウトー!

僕は頭の中でそう判断すると一気に公園の出口目掛けて走り出した。

「あっ!ちょ、ちょっと待ちいな!待てコラ!人の話を最後まで聞けぃ!」

僕は無言で走り続ける、既に女性の人影はかなり小さくなっていた。

あの人完全にヤバイ人だって!捕まったら何されるか分かんないし!

「くっそ・・・人の話は最後まで―――」

もうすぐ出口だ、公園の外は住宅街だから路地裏にでも逃げ込めばきっと振り切れる!

「聞けいと言うとるに!」

そんな事を思いながら走っていた僕は出口寸前で何か柔らかい物に思いっきりぶつかった。

「ぐむっ!」

「むぅ、手間かけさせよって・・・もう離さへんからなぁ!」

何か柔らかい物二つに挟まれて息が苦しい、頭の中がパニックでぐちゃぐちゃになっている。

「こら!あんま動くな!落ち着かんかい!」

柔らかい物から頭を引っ張り出される、見上げるとそこにはさっきの女性が立っていた。

「う・・・うわぁぁぁぁぁぁ!」

なんでだ!?さっきまでかなり引き離してたはずなのにどうして僕の目の前にいる!?

「ったく、無駄に力つこうてもうたやんけ・・・ほれ、落ち着いたかい?ぼん?」

「な、なんで・・・!?いつの間に!?」

パニックが止まらない、言い様の無い恐怖が体を包む。

「ぜんっぜん落ち着いとらんがな・・・ほら、ゆっくり深呼吸してみ?すー、はー、すー、はー」

「す、すー、はー、すー、はー」

つい釣られて深呼吸してしまった、くやしいがそのおかげでパニックが少し収まってきたみたいだ。

「ど、どうやって、いつ僕を追い越したんですか!?」

とりあえず最初に疑問に感じた事を口に出す。

「どうやってって・・・んなもん走ってきたに決まっとうやん」

「あそこから!?」

「あっこからや」

思わずさっきまで女の人が居た場所を見ると、そこには小さなクレーターの様な物が出来ていた。

「ありえない!あんた、本当に人間―――」

「人間ちゃうで?」

さっくりと言う目の前の女性、この人もしかして頭逝っちゃってる方の人だったのか?

「・・・えと、すいません、あなたは僕を何に誘いに来たんですか?」

そう言いながらも僕は落ち着いてゆっくりと後ずさりを始める、距離を取っておかないとナニされるか分からないからな。

「んなもん決まっとるわ、ウチはぼんを秘書にスカウトしに来たんや」

「・・・は?」

思わず間のぬけた声が漏れる、今この人なんて言った?僕を?秘書に?

どうやらこの人本当に頭の方がヤバイ人だったみたいだ、酔っ払いって線もありえるな。

「・・・頭、大丈夫ですか?なんなら病院にでも・・・」

「アホ!ウチが気ィ狂っとる様に見えるんかい!」

ぶっちゃけそうにしか見えないんだけど。

「はぁ・・・しゃーないなぁ、アリサとの約束は破ってまうけど、やっぱこっちの方が手っ取り早いわ」

そう言うと女性は僕の手を掴む。

「ちょっ!やめてください!」

「暴れない暴れない、一瞬で着くからな~」

手を振り払おうと思いっきりもがくが、全く離れない。

「よっ・・・と」

僕がそうしている間に女性はもう片方の腕を縦にスッっと振った。

「は・・・はぁっ!?」

僕が驚いたのもしょうがないと思う、だってさっき何も無かった所にいきなり扉が出てきたんだから。

「ほな行くで、手ぇ離さんときな?」

そう言うと女性は扉を開ける。

これ・・・もしかしなくても・・・相当マズイ状態なんじゃないか・・・?

「ちょっと待ってくれ!僕は―――」

「待たへんよ~♪」

女性はそう笑うと、扉の中に飛び込んで行った。

そうなるともちろん手を掴まれている僕も一緒に入ってしまう訳で・・・

「うわぁぁぁぁぁぁっっっ!?」

僕が入った瞬間、扉はバタンと閉まり消えていく。

月も再び雲の中に隠れてしまった様だ。

そして誰も居なくなった公園は、またひっそりと静まり返ってしまった。


最初だから無駄に長いです、スイマセン!

後書きは滅多に書かないので後書きクッソうざいわって人は数回だけだと思って我慢してください、お願いします!なんにもしませんけど!


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