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裕子とスマートフォン

 携帯ショップにいる母と小学生の娘。


「ママ、これ買ってこれ買って!」


「だ〜め。裕子には携帯はまだ早すぎます。中学生になったら買ってあげるからね」


「それじゃ遅いよママ。友達みんなもってるのに」


「よそはよそ。うちはうちです」


「ママ、スマホ! スマホ買ってよ〜!」


「だめよ。だいたいスマホなんて、一体なにに使うの。普通の携帯じゃだめなの?」


「だって、スマホだったら色んなゲームができるし、いつでもどこでも遊べるもん。みんな、ひまなときはいつもスマホでゲームしてるって言ってるよ」


「そんなことだろうと思った。ゲームなんかするために携帯を買うんじゃありません」


「ゲームだけじゃないよ。スマホなら、パソコンみたいにたくさんの情報が、いつでもみれるんだよ」


「それでもだめよ」


「買って買って買って買って!」


「だ〜め!」


「買って買って買って買って――やっぱりいらない」


「えっ」


「余計なソフトがたくさんついたスマホなんて、くだらない代物だわ。なんで私、こんなものほしがったんだろう。考え直すとバカみたいだわ」


「ゆ、裕子……?」


「空いた時間を有効に使える。いつでもどこでも遊べるっていうのは、便利なように思える。でも、なぜいつでも遊ばなければならないの? 私たちはわずかな時間をも、何かをするために使おうとしている。でも、何もしない時間が、本当に無駄な時間だといえるのかしら。ゆっくり思索にふけって自分を見つめ直す時間だって、とても大切なはずだわ。脅迫観念にかられて余裕を無くし、有効な時間の使い方を錯誤していることに、私たちはもっと気づくべきじゃないかしら」


「あ、あなた! 裕子が脅迫観念にかられてとかなんとかって……あなた!」


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