十七話 闇を司る者達③
「こいつ!」
ミノタウロスの薙ぎ払いを瞬身で避ける。
「全く・・・やってくれる・・・。」
「どうした人間!その程度か!ッハ!何が聖騎士だ!弱い・・・。弱すぎるぞ!!」
「言ってくれるな・・・」
『だが、聖騎士の力を“全く使っていない”以上、やつは、聖騎士の力を使っていると考えるさ。』
「・・・なるほど、そういう風に見えるかもしれんな・・・。それなら、少し力を解放するか・・・。」
槍を握る手に力を込める。
「―――――――その炎は暗闇を照らす。その風は行くべき道を指し示す。導きの炎と風の精霊は、選ばれし者に強大な力を与える・・・。」
「何だ?それは?」
「―――――――その強大な力・・・、我が刃となり、敵を撃て!!。」
「何か分からんが、その技・・・させるものか!」
危険だと直感でミノタウロスは素早く飛び掛る。
しかし、今の俺にはずっと遅く見える。
俺はずっと思っていた。この力は、魔王を倒す時に使おうと。だが、今居る敵は俺だけの力じゃ及ばない・・・。認めたくないが、ただの1人の人間ではこれが限界だろう。なら、魔王が差し向ける敵は・・・
「全力で戦う!」
―――――――聖剣奥義・セラフィム―――――――
強烈な業火がミノタウロスに襲った。
「こ・・・っく・・・こんな!馬鹿なあああああああ!」
叫び声と共にミノタウロスは消滅した。
「ふぅ・・・しかし、まだ終わりじゃないようだな?」
「気にするな・・・。我は貴様を殺すつもりはない。戦いの様子を見届けただけだ。」
「何者だ?」
「我は羅刹様の側近、エースだ。また会う事になるだろう。」
「!!」
「そう、剣を向けるな、今の貴様では、我に触れる事すらできまいよ。」
「何のようだ?」
「貴様の力、聖騎士の力がどのくらい覚醒しているのか、見に来た。」
「覚醒?どういうことだ?俺は既に力を得ている」
「そうだな、だが、聖騎士とはもっと強いはずだ。」
俺はさっきの戦い、全力で戦った。だとすれば、これ以上の力が聖騎士にはあるってことなのか・・・?
「それで?今から俺と戦うって事か?」
「いや、魔力の量が不足している貴様など、相手にならない。」
「言ってくれるね?」
瞬身で近づき、風牙で叩こうとするが、あっさり避けられた。
「!・・・速い・・・。」
「もう少し修行するのだな・・・さらば・・・」
「ま、待て!」
周囲を見渡すが、完全に気配がない・・・。
「・・・完全に消えたか・・・さて、あいつらは無事だろうな・・・。」
2つのストーリーもちゃんと書いとこうかなって思いました。
話が長くなるのは、細かく書きすぎなんでしょうか・・・?
ちょっと家の引越しのため、少し更新が遅れてます。 すいません。