十五話 闇を司る者達①
俺達はフィルンの森を走っていた。
そう、キュクロープスを倒した後、村の事情を知ったセツナはすぐにその魔物のアジトに向かう事にしたのだ。
そんな時、ユウナは問いかけた。
「お兄ちゃん達は疲れてないの?」
「休んでる暇はない。相手がフィルンに住んでいた男を全員攫って行ったんだろ?」
「う、うん」
「あの魔物達が間違いなく、そこのアジトの魔物だ。もし、それがそいつの耳に入れば、見せしめとして全員殺されてしまう。それは絶対に避けなければならない。」
「そうよね・・・。」
「急ぐぞ。」
「分かった」「はい」「了解!」
山岳付近まで来た。そこに大きな洞窟を見つけた。
「ここか。・・・?2人とも大丈夫か?」
「ちょ、ちょっとセツナ・・・早いよ・・・。」
「はぁ・・・はぁ・・・。」
「セツナ、2人を少し休ませないか?」
「・・・分かった。俺は洞窟を見張ってるから、ルート2人を頼めるか?」
「了解だ。」
30分の休憩を挟む事にした。
俺は、洞窟を見張っていた。
・・・どうやら、この中から嫌な雰囲気を感じる・・・。
あの場に居たサイクロプスのような魔物の気配は感じられない。
あの時総動員したのだろう。
だが、それとは別に強い力を感じる。んな事を考えていた。
・・・一方、ユウナ達は・・・
「2人とも大丈夫か?」
そう言うと、2人に水筒を差し出す。
「そういえば、私の自己紹介がまだだったな。俺はルート、ルート・フェルトだ。よろしく。」
「ああ、あの時の・・・。私はカレン・ロンド。よろしくね。」
「ユウナ・セラフィです。宜しくお願いします。」
「セラフィ?確かセツナの事、兄だと・・・。」
「私達は血が繋がっていませんので・・・。」
「そうだったか・・・。まぁ、何はともあれ、よろしく頼む。」
「宜しくお願いします」
3人は簡単な自己紹介をしていた。
「そういえば、どうしてルートさんはセツナと一緒に居たんですか?」
「“さん”はやめてくれ。後、敬語も。共に行く仲間だろう?セツナと合流したのは、フィルンで大爆発が起きるちょっと前くらいだ。」
ルートはセツナと一緒に居た理由を簡単に説明した。
「まぁ、こんな感じで一緒についていくことになったんだ。」
「なるほど・・・。」
「やっぱ、セツナは強いなー」
カレンは少し誇らしげだ。
少し話しをした後に、セツナがやってきた。
「皆、そろそろ行けるか?」
「はい。」
洞窟を進んでいく・・・
罠は・・・ないが、そこらじゅうに魔物が蔓延っているようだ。
「どうやら、お出ましのようだ。」
洞窟の暗闇の中から現れたのは、スケルトンだ。
斧を持っているもの、剣を持つもの、槍を持つもの。様々な武器を持ったスケルトン達が
俺達の前に現れる。
「待ち伏せか・・・不味いな」
「どういうこと?」
「人質が危ないって事だ。ここに来る事が分かっていたからこそ、この量のスケルトン達を用意したんだ。」
「もしそうなら、早く先を急がないと!」
「2手に分かれよう」
「そうだな、ここは私だけで引き受ける!私は光の魔法が得意だ、スケルトン相手ならやれるはずだ!」
「え!?ちょっと待ってください!いくら光魔法が得意だからと言ってこの数ですよ?」
俺はルートの目を見る。
―――――――行け
確かに、そうルートは言った、声には出さず、俺を信用しろ・・・と
「分かった、ユウナとカレンは俺と来い!」
「私が道を作る!」
―――――――剣術・蒼覇閃光衝!
一閃の光が道を作り、光の衝撃がその周りのスケルトンを吹き飛ばしていく。
「よし!行くぞ!2人とも!」
スケルトン達は3人を追いかけようとするが、1人の騎士が立ちはだかる。
「おっと、ここからはこの私、ルート・フェルトがお相手しよう!」
次の話がルート視点になりそうですが
残念ながらこのままセツナ視点であります。