九話 旅立ちと出会い②
俺はフィルンの村の近くの森に来ていた。
すると、一人の女性を見かけたので、道を尋ねる事にした。
「すいません。」
ビクっと肩を震わせた。女性はこっちを見た。
驚かせてしまったかな?少し申し訳ない気持ちになる。
「なんでしょう?」
「フィルンに行きたいのですが、こっちで合ってますか?」
「っ!いえいえ、フィルンは向こうの方角ですよ?」
「ああ、そうですか。ありがとうございます。では。」
俺は見逃さなかった。叔母さんが言っていた通り、フィルンでは何かが起こってる。
魔王に繋がっているかもしれない。様子を見てみるか・・・。
それよりも・・・。
「そろそろ出てきたらどうだ?」
「あれ・・・ばれてた・・・?」
―――――――――――――ユウナside―――――――――――――
私とカレンはフィルンに向かっていた。お兄ちゃんを追いかけるために。
1つ山を越えた先に村がある。丁度私達は、山越えた付近に居た。
「カレン、楽しそうだね?」
「そりゃねー。旅は初めてだしねー。」
「私は、何が起こるか分からないから、楽しみっていうより、不安の方が大きいかな。」
「何でも楽しんだ者勝ちよ!」
そんな下らない話をしていると、1人の女性に話かけられた。
「どこに向かうんですか?」
「私達、フィルンって村を目指してるの。」
「そうですか・・・。」
「この先にフィルンがあるんですよね?」
「いえいえ、フィルンはこっちの方角ですよ?」
私とカレンは顔見合わせていた。
この人、嘘ついてる。そんな確信が私とカレンにはあった。
「あれ?そうなんですか?でも、私こっちに行く事にしようかな?いいよね?ユウナ?」
「え、あ。分かったわ。」
「え!?フィルンはあっちですよ?」
「あー。いいのいいの、引き止めなくて。冒険みたいなものよ?それとも、こっちに何かあるの?」
「い、いえ、そんなことは・・・。」
「嘘をつかないで下さい。」
その声はとても優しい声だった。
女性は、感極まったようにすすり泣きを始めた。
20分くらい経って、ようやく事情を話してくれた。
「実は・・・、2年ほど前に魔物達が現れたんです。」
私とカレンは、まさか・・・っと思ったが。
「村は無事だったんですが、男手を全て奪われてしまいました。その魔物は、ミノタウロスに近かったんですけど、サイクロプスを5体連れていて・・・、勝てないと思った私達は魔物に降伏しました。すると、男達を連れていったんです。最後に魔物達は、こう言っていました。」
「こいつらは、俺の目的のために働いてもらう!こいつらを死なせたくなかったら、貴様らが働いて。俺達の飯を用意しろ!ふはははは!」
「そんな・・・。」
「ふーん、って事で、フィルンに行きましょうか!」
「「え?」」
「セツナが向かってるんだから、私達も行くのは当然じゃない。セツナを追いかけるためにここまで来たんでしょうが・・・。それにセツナだってここに寄るんだから村を助けるはずよ?」
「そうだね・・・うん!行こう!あの・・・」
「あ、ああ。私の名前はエレナです。」
「エレナさん。村に案内して下さい。」
「え!?で、ですが!危険です!」
「いいのいいの、私達は強いわ。泥船に乗ったつもりでいて良いわよ?」
「カレン・・・それ、不安になるから・・・」
「何か言った?」
「ううん、なんでもない!」
カレンの力押しにエレナは負けてしまい、渋々村へ案内したた。
村の様子は、確かに女性しかいないようだ。
男の子は居るが、まだ、子供。さすがに子供まで連れて行ってなかったみたい。
エレナは村長に私達を紹介した。
「なんということか・・・世間にバレる訳には・・・。それに君達の存在があのミノタウロスにばれる事だけは避けたい・・・。」
「大丈夫よ、おじいさん。私達は強いんだから!」
「っとは言ってもの・・・。早くこの村を去った方がええに決まっとるし。」
カレンは相手の話を聞こうとはしなかった。だから私は聞いてみた。
「カレン、エレナさん達の話、もう少しちゃんと聞いてあげてもいいんじゃない?」
「え?聞いたって遠慮するに決まってるじゃない?来ない方がいいってさっきも言ってたでしょ?こういう人達はちょっと強引にした方が頼ってくれるもんよ」
っと笑いながら言っていた。
「そういえば、白い服と蒼いマントを着た男の人来てない?」
「いや、見ておらんが・・・。」
「その人なら、私が村に近づかないように別の方角に案内しました。」
「あ、そうなんですか・・・。」
「カレン。悪いんだけど、私、この村を助けてからお兄ちゃんを追いかけたいなって思うの。いいかな?」
「その意見には賛成よ。サクっと終わらせてあいつを追いましょ。」
話が纏まる寸前に、爆発が起きた。
1話1話、長く書きすぎかもしれませんね。
なんて、最近思うようになりました。
気にしていません!