祝福された赤子
真っ白な空間、そこには転生を司る神がいた
神「こやつも行ったかのう」
異世界転生の業務を一通り終えた神は1人の男を思い出していた、トレーニングをしたいと言い、1500年程魔力トレーニングを続けていた頭のネジが吹っ飛んでいる男だ、奴は、今何をしているのだろうか。
神「確か、奴は農民の子として転生させたはずじゃが、ちと覗いて観ようかのぉ」
巨大な鏡の前へ行き手をかざす、すると鏡に映像が映し出される、.そこには全身を呪いの装備で身を包んだ少年がいた。
神「.....何をやっとるんじゃ、奴は」
時は遡り
ゼレェード王国
バンカル地方
山々に囲まれた辺境の地に住むグレースとサシャの間に新しい命が生まれようとしていた
サシャ「ぅぐう、がぁあ、はぁ」
グレース「頑張れ、頑張れ!」
サシャ「うま..生まれるゔぅ」
一人の赤子がこの世界に誕生した、その瞬間世界に激震が走った
少し前
魔王城
魔王と配下達は人間共、特に勇者に対抗する為の作戦会議もとい、食事をとっていた
配下「魔王様、先の戦いでは勇者を後一歩のところまで追い詰めることに成功しております。このまま一気に」
魔王エスタナ「まぁ、そう急がないでいいじゃない、どうせまた性懲りも無く、ここに挑みに来るのよ、その時に倒せばいいのよ、とりあえず食事にしましょ、皆んなもお疲れ様」
そして魔王と配下達は食事を始めた
現在
魔王エスタナ「ああぁあああ!ちょ、ちょい何?何この魔力
どっから!怖いんですけどおぉっぷゔぉえ..気分悪い」
配下達「魔王様ー!!タオル、タオル持って来てー」
勇者一行
勇者アイン「もう、終わりだぁおしまいだぁ、こんな魔力絶対人間じゃない、魔王だぁ、新しい魔王が誕生したんだぁ」
その仲間達「ちょっと、あんたいきなりどうしたの!、ねえってば」
バンカル地方
グレース「元気な子だーよく頑張ったね、有難うサシャ」
サシャ「えぇ、あなたも有難うグレース!」
そしてサシャは、産まれたばかりの赤子を撫でながら
サシャ「産まれてくれてありがとう、アイシャ!」
そして5年後
アイシャ「父さん、母さん、草むしり終わったよー」
僕の名前はアイシャ、転生者だ、前世では通り魔に刺されて
死んじゃったけど、神様がこの世界に転生させてくれたんだ
その前に、いっぱいトレーニングしたから、草むしりだって楽勝だ。
グレース畑耕し中「おぉ、もう終わったのか、相変わらず仕事が早いなぁアイシャは」ヨシヨシ
サシャ「アイシャ、グレース畑で採れたバーンオレンジがあるから休憩しましょうー」
グレース、アイシャ「分かったー、はーーい」
その夜
グレースとサシャは、ある話をしていた
グレース「あの子は眠ったかい」
サシャ「えぇ、ぐっすり眠っているわ」
愛しい我が子が眠っていることを確認し話を続ける
グレース「そうか、君の目から見てもやっぱりあの子は」
サシャ「魔力が無い、まったく無いの」俯く
グレース「だが、そんなことが本当にあるのか?虫や、植物にだって魔力はほんの僅かだがあるのに」
アイシャからは、魔力が何も感じ取れないのだ、最初はまだ赤子だから、そう思っていたが五歳になった今でも、全く魔力を感じないのだ
サシャ「グレース明日アイシャを連れて」
グレース「あぁ、あのお方の所に行ってみるよ、何かわかるかもしれない」