3.この世界について。
2020:4/11
世界観設定を追記しました。
ーさて、これで私やレインを苦しめた一連の『悪役令嬢事件』は一応の収束を迎えた訳だけれど。
本来ならば平和なこの国、【ウィンドル王国】で何故、この様な出来事が起こったのかしら………?
……とにかく、この世界について説明するわね。
この世界には、主に4つの国があるわ。
それが、
ウィンドル王国、フェンリル帝国、ラミネス皇国、魔国:コキュートスね。
ウィンドル王国……
温暖な気候と豊かな自然による農業が盛んな国。
今回の事件の舞台はそんなウィンドル王国にある【ウィンドル王立学園:魔法学部】、通称【魔法学園】だったわ。
ウィンドル王立学園:魔法学部…
この世界には、"マナ"と呼ばれる力が満ちていて、その力を借りる事で【魔法】を使う事が出来る。
そんな魔法や【魔術】を正しく使う為の術を学ぶのがここ、魔法学園の存在理由よ。
ただし、魔法は誰にでも使える訳では無いの。
魔法が使えない人だって当たり前に居るわ。
ただ、ステータスにはなるわね。
魔法…
この世界に満ちるマナを使う事で行使できる奇跡、ね。
【自分で起こせる奇跡】。
様々な属性や系統があるけれど、
基本的にな属性は
火(炎)、水、風、土(地)、光、闇
の6つね。
基本的に、人間は1つから2つ、
魔族は3つから5つの属性が使える、とされているわ。
魔術…
魔法に似ているけれど、こちらは原理さえ理解すれば誰にでも使えるものよ。
ただし、魔法には数段劣るわ。
私の家である【ウルフェン公爵家】はこの魔術を主にする家……【魔導技師】の家よ。
魔導技師…
"物や紙に魔法を込める術を知る者"、の事ね。
ウルフェン公爵家はこの魔導技師の家で、その家の生まれである私の得意分野でもあるわ。
必然的に物作りが得意な人が多いのも特徴で、
私はアクセサリー作りやお菓子作りが得意だわ。
………魔法のお菓子。
レインはそう言ってくれるけれど、まさにその通り。
私は魔導技師としてお菓子にも魔法を仕込めるのよね。
普段はしないけれど。
ウルフェン公爵家…
ウィンドル王国の三大公爵家の1つね。
先述のとおり、魔導技師の家よ。
宝具【真実の珠】を創り出したのも我がウルフェン公爵家なの。
他にも様々な魔導具をつくってきたのよ。
ちなみに、私はレインと結婚したらこの家を出てしまうけれど、弟が爵位を次ぐがら問題ないわ。
他には代々宰相を務める【バンバルディア公爵家】、
騎士団長や魔導師長となることが多い軍人の家、【ハーレスト公爵家】があるわ。
バンバルディア公爵家…
レインの生家ね。
……義母には…色々ときな臭い所があったけれど、レインが一掃したわ。
結婚したら私の義父となるレインのお父様、騙されていたのかしらね?
それに、代々宰相を務める生真面目な家…の出身であるはずのレインが何故か甘々で婚約者の私を甘やかす様な人物に育ったのか………
あ…半分私のせいかもしれないわね……幼少期のあの出会いからずっと、レインは私にベッタリだったもの………
半分はお義父さまも鑑みるにバンバルディア公爵家のお家柄の可能性も…………
ハーレスト公爵家…
私の親友でもある【アリア皇后陛下】の生家ね。
代々騎士団長や魔導師長となる人物が生まれる軍人の家で、現当主様が騎士団長、その奥方様が魔導師長を務めているわ。
ちなみに、アリア様が嫁いでしまったけれど、下に双子の弟と妹が居るからその子たちが後を継ぐと思うわ。
王族に輿入りすることも多いのも特徴ね。
とは言え、ウルフェン公爵家やバンバルディア公爵家もそれは同じだし、必ずハーレスト公爵家、ではないわ。
この家1つに力が集中している様に見えるけれど、実際はウルフェン公爵家の魔導具の力もあって力関係は均等になっているの。
………仮に、ハーレスト公爵家が革命を起こそうとしても、犠牲は出るものの止められなくはない、の程度には均衡がある。
………ハーレスト公爵家とウルフェン公爵家が共謀して革命を起こそうとしたら、終わりだけれど。
その時は【魔王様】が来てしまうから、実現はしないと思うけれど……しないわよね?
魔王様…
この世界に満ちる力、マナを管理する『管理者』であり、
他の国の諍いを収める『調停者』でもあるわ。
魔国、【コキュートス】の王でもあり、この世界の抑止力ね。
【魔族】は基本的に人類の味方だけれど、魔王様の基準で『悪』と断ずれば牙を向くわ。
コキュートス…
魔国のことで、魔王様が治め、魔族達が暮らす国。
自然豊かな場所でありながら文明も発達している独特な国………
『サブカルチャー』?を生み出している……?とか、何とか………
正直、あの国については私もよく分からないわ。
魔族…
人間よりも遥かに強靭な肉体や高い魔力を保有する上位種族、ね。
ただし、非常に友好的でもあるわ。
人間や魔族に襲いかかってくるのは【魔物】や【魔獣】と呼ばれ、区別されているわね。
フェンリル帝国…
【フェンリル狼】を守護獣とする、1年の大半を占める長い冬は豪雪地帯となる機械の国。
機械文明や重火器が発展していて、軍事力はコキュートスを除けば世界一ね。
本来ならばその機械文明により他国へ便利な機械を提供していたのだけれど、皇帝が変わってからのここ数年は動きが怪しいわね。
そろそろ、魔王様が動くかもしれないわ。
ラミネス皇国…
教皇様を最高権力者に定める宗教国家ね。
砂漠地帯にある常夏の国で、魔導具の技術はウィンドル王国より発展しているわ。
恐らく、ウルフェン公爵家の技師と同等かそれ以上の技術力を持つ人が多いかもしれないわね。
…こちらも、動きが怪しいからそろそろ魔王様が動くかもしれないわ。
この世界についてはざっとこんなものかしら…?