0.もふもふ令嬢、ルーシー・ノームスフィア
………今回は、前回でも少し触れた私の友人の1人、もふもふ令嬢こと【ルーシー・ノームスフィア】……ルゥちゃんについて話そうかしら?
ちなみに、序盤の回想で私に話しかけていた女子生徒がそのルゥちゃんだったりするわ。
……そんな彼女は、魔族……犬の獣人を母に持つハーフなのよね。
そして、その容姿は獣人としての特性が色濃く出ているわ。
全身が桜色の体毛で被われていて、頭髪は体毛より濃い色をしたショートヘア、その頭からはフワフワの垂れ耳、臀部にはくるりとカールしているフワフワの尻尾を持つ、もふもふフワフワな女の子。
真ん丸な翡翠の瞳はパッチリしていて、全体的には快活な印象を受ける見た目で、人懐っこい仔犬の様な性格をしているわ。
………ラミエス嬢と"色"が近いせいか、他に理由があるのか、彼女もラミエス嬢から標的にされていて、更に、獣人は差別の対象になりやすく、彼女は不名誉な事に『母親はノームスフィア家当主を薬で誘惑した』だのと根も葉もない噂にも苛まれていた。
………フェイさんも、獣人差別に関して頭を悩ませていたけれど、中々に解決しない根強い問題みたい………
アルさんも『魔獣と、誇り高き獣人を同一視する1部の人間こそが愚かしいね!私も見た目が獣人チックなせいか、たまにその手の絡みをされるし本当に粛清したい♡』
と言っていたわね。
そんなルゥちゃんとは同じクラスでもあるのだけれど………
「エリカ様……
「あら、どうなさいましてルゥさん。」
「…っ!あのあのっ!ぎゅってして良いでしょうか…!?」
「(!)どうぞ?」
(………また、ね?)
授業中は私がよく彼女の面倒を見る事が多いせいか、彼女は凄く私に懐いてくれているわ。
私もそんなルゥちゃんを抱きしめてもふもふとした体毛を撫でるのが好きだからこれもまたよくある事、ではあるのだけれど、ルゥちゃんが私に抱きつきたがるのは、最近はそれだけが理由じゃないのよ………
「あの穢らわしい獣人が……それを侍らせるあの女もやっぱり悪魔だね……
「はぁ………
(…また、ラミエス嬢………?
魔王様や、フェンリル帝国への偏見と言い、本当にどこの世界の住人なのかしら………)
と言うか、レインから聞いた話だと『わたしはヒロインなんだよ‼』等と意味不明な発言をしているそうだけれど、劇や小説のヒロインの事をさして言っているのなら偏見の塊なのはどうかと思うわよ?
ああゆう娯楽小説なんかの主人公やヒロインというのは、かなり美化されているから《偏見を無くそう!》だとか、そもそも《偏見が無い》者だし。
「よしよし…ルゥさんは相変わらずもふもふしていて撫で心地が良いですわねぇ♪」
「わふ〜…♪」
私?
私にヒロインは無理ね、万人を好きになれる訳では無いし、どうしても好きになれない人種は居る。
それこそ、ラミエス嬢の様な"自分が絶対正義だと思い込んでいる人"とかね。
何度注意してもなおらない様な、話が通じない手合いはどうしたって好きになれない。
それこそ私は"ヒロイン"の様に分かり合えるまで話し合おうとする人間では無いもの…………
「おや、エリィにルーシーさん、また二人でいるのですか?
仲がいいですね。」
「あらレイン。貴方も撫でまして?」
「………魅力的な提案ですが、異性を撫で回すのは流石に遠慮いたします。」
「あら、残念ですわ。」
「わたしは気にしませんよ?バンバルディア様。」
「まぁ、婚約者のエリィが勧めてきているので良いのでしょうけれど………」
《では、部屋で貴女とエリィと3人だけの時にお願いしますね?ルーシーさん。》
《わふー♪はいっ、バンバルディア様♪》
《やっぱりレインも好きですわね♪》
《それは…はい…彼女のフワフワな毛は癒しですから…………》
私が好きになれる人は結局の所、"自分と気の合う人"だけで。
私が助けようとするのは、そうゆう人達だけなのだから。
そう言う意味では、私はラミエス嬢の言う所の"選民意識"を持つ"悪役"、なのかしらね。
~回想:悪役令嬢、エリカ・ウルフェンの悪業~
という訳で新章スタートです。




