セラという女の子
2話目です!おかしな点とかあったら指摘いただけると嬉しいです!
女の子の名前はセラというらしい。
赤髪の綺麗な女の子だ。
ここ近辺ではかなり珍しいと思う。
歳は16〜17というところか、身長は150後半で頭まですっぽりと黒のローブを被っている。魔法使い系統の職業なのだろうか。
しかし、彼女の目は少し驚いた。
パッチリと大きいのもそうだが、瞳の色が髪と同じく綺麗な赤だったのだ。
生まれて一度も見たことがない、相当遠くからやってきたのだろうか。
「とりあえず、疲れているだろうし、夕食にしようか」
「はい!ありがとうございます」
見るからに腹ペコそうだし、俺も丁度夕食の支度をしていたところだ。
夕食は家で取れた野菜たっぷりシチューだ。それを二人で頂く。
「いただきます!えっと、お名前はなんとお呼びすれば」
「そうだったな、俺はネロって名前だよ」
「はい!じゃあ、いただきますネロさん」
「うむ、いただきます」
こうして久々の二人の食事を楽しんだ。
それからセラのことについて色々聞いてみた。
歳は17歳、15歳から色々な国を旅する放浪人らしい。
どうやら探し人がいて、ずっと探しているらしい。
こんなに若くから大変だなぁと思いながら、その探し人を探してどうするのか聞いてみた。
「その方を見つけることで私の夢の実現に近づくの、だから早く見つかるといいんだけど」
まさか夢は結婚で、探し人は白馬の王子様なのか(笑)と半分冗談に構えながら俺は話を聞いていた。
そして夜になった。
もちろん部屋は別室だ。流石に同室にするなど非常識なことはしない。
「明かりはちゃんと消してから寝るように」
「はい!わかりました」
という感じで俺たちは眠りに付いた。
夢を見た。赤髪の者たちが戦っている。
それは酷く凄惨で、一方的な虐殺だった。
あるものは腕を噛み切られ苦悶の表情を浮かべている。
またあるものは女の子を守るため、必死の抵抗をしていた。
敵は大きい。ドラゴン種なのは間違いないがあんなに大きいものは見たことがない。
そんな中、女の子は脇目も振らずドラゴンから逃げていく。
なんて高い身体能力だろう、高い岩場も一足飛びでそのまま森の中へと逃げていく。
そのまま木々の中を華麗に縫ってすぐに消えてしまった。
そこで俺の意識は覚醒する。
目を開けるとセラが血走った目でこちらを見ていた。
そこには驚きと不安、その両方を交えた目で俺を見ていた。
俺は近い彼女の瞳を眺めながら、なんて綺麗な瞳だろうとぼーと考えていた。