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道らしきものを歩いているとまた敵に出会った。
昨日会ったオオカミ達と同じ種類のものだった。そしてまたしてもすでに囲まれていた。
(またか......めんどうなやつらだな......)
今回は前と同じく逃げるような策はなかった、周りには木がただただ並んでいるだけなので川を使って逃げるなどできなかった。しかも走って逃げるだけでは追いつかれてしまうだろう。
こうなれば戦うしかないだろう。
しかし今回は満更でもなかった。
(ちょっと剣の練習をしたかったところだしな)
と考えている間にオオカミ達が攻撃を仕掛けてきた。
(え!?少しくらい待てよ!?)
正面からオオカミが噛み付こうと近づいてくるが、まだ剣を抜いてすらいなかったので、拳で応戦した。
向かってくるオオカミに対して、顔面に殺さない程度のパンチを入れた。力を入れすぎると粉々にしてしまい、また血で服が汚れるからである。
「ギャン!」
しかし粉々になることはなかったものの、思ったより力が入り5、6メートル程吹っ飛んで動かなくなってしまった。
(チッ、弱すぎるな)
相手が強すぎても困るのだが、弱すぎても手加減が難しく俺には無理だった。
(こいつらを殺す気はなかったんだが、しかたないか)
すると次は後ろからオオカミが近づいてきた。
それに会わせる様に後ろを振り返り、剣を振りぬいた。
しかし、
ヒョイ
「あ!」
オオカミは糸も容易く俺の剣を避けたのである。
オオカミはこれを好機だと思ったのか攻撃をしてきたが、手の甲で弾き飛ばしてやった。
しかし咄嗟の事だったので手加減を誤り、オオカミの全身の半分以上を吹き飛ばし、また血を浴びることとなった。
そして少しだったがまた血がついてしまった。
「全員ぶっ殺す!!」
そしてブチ切れた。
しかしオオカミ達は仲間がやられたのを見て勝てないと察したのか、全員すぐに逃げ出した。
「あっ!こら待てお前ら!逃げてんじゃねえよ!」
一匹でも殺そうと追いかけるために剣を鞘にしまおうとするが、
「あ、あれ?!抜けねぇ!」
剣を振るのに力を入れ過ぎたためか、地面にすっかり埋もれてまったく抜けなかった。
「く、くそ!抜けやがれこのゴミ剣が!!」
結局全く抜けなかったので、周りの地面を掘って剣を抜いた主人公であった。