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「ここは.....?」
目が覚めると俺は滝の川岸に上がっており、太陽もすっかり出てもう朝になっていた。
周りは特に変わらず木々に囲まれていて、オオカミ達も見る限りではいないようだった。
(これのせいか......)
オオカミが寄って来たのは恐らく、この血まみれになった服のせいだろう。
こんな血の匂いをつけた服を着ていれば、寄って来るのは当然の結果だろう。
(仕方ない脱ぐか)
仕方なく俺は服を脱ぎ、裸で過ごすことに決めた。
そして裸で歩いた。
素っ裸で歩くなんていやではあったが、やってみると意外と悪くはなかった。
(......開放感があって意外と良いな......)
誰にも見られていないと考えると、裸なのもいい気がしてきた。
(でもずっとこの姿なのもいやだな、どこかで服を調達しないと)
そう考え、俺は裸で森の中を歩いた。
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歩いていると少し森が開けているところに何かがあった。
(なんだあれ......?)
よく見てみるとそれは高級そうな馬車のようだった。
(もしかして人がいるのか?!どうにか服をもらえないかな......)
素っ裸なんて見られたくないのでコソコソ近づいてみると、それは人が居そうな馬車ではなく、つたなどが絡まりボロボロになっていた。
おそらく数年は放置されているだろうと思えるようなものだった。
馬車に近づきドアに絡まっているつたを取り除き、ドアを開けようとした。
(なにかないかなぁ......)
服の変わりになる物を探すため馬車の中を見てみた。
すると、
「うわぁ!」
俺は驚いて思わず声を上げてしまった。
馬車の中には、骸骨があり横になって倒れていた。
(ビビったぁ~)
俺は恐る恐る中に入り使えるものがないか探してみた。
(死んでるし勝手にもらっててもいいよな......まあ緊急事態だしきっと許してくれるだろう)
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馬車を漁った結果、所々穴の開いた少し大きめの服、いくらかわからないがお金だと思われるもの、俺の身長程のバカでかい剣、使えるものはこれくらいだった。
剣は大きすぎて少し使いにくいものの、俺の筋力のおかげでいい重さになってそれについては使いやすかった。
服がボロボロなので、少しボロいフード付きの外套を着た。これで見た目は裸よりはマシになっただろう。
(これで裸で歩かなくてすむ......良かった)
これからどうするかと周りを見てみると道のようなものが見えた。
雑草などが生えていてわかりにくいが、見ると木などが生えておらず他に馬車が通れそうな道もない。
この道を通って馬車は来たんだろう。
今の目的は取りあえず人の居るところに行くことである。
しかし、道は二通りありどちらに進めばいいかわからなかった。
(よし、適当に馬車の進行方向の向きに進むか!)